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岸本周平 Blog

和歌山 民主党 衆議院議員
岸本周平 汗と涙の日々!

日本の調査捕鯨に思うこと

2010年03月20日 19時29分19秒 | Weblog
 先日、大西洋クロマグロの国際取引禁止の提案は、ワシントン条約会議で否決されました。アフリカやアジアの漁業国や発展途上国が日本の味方になってくれた事が否決された大きなポイントでした。

 こういう外交を含めた国の関係の難しさは、国際金融の世界でも見てきましたので、仲間を作る重要性を再認識させられます。

 
 一方、日本の捕鯨は、どの国からも支持されていません。世界中から非難されていますね。国際捕鯨委員会(IWC)では商業捕鯨を禁止しています。しかし日本は「調査捕鯨」だから正当だとして、捕鯨を続けています。そして、毎年1000頭近いクジラを獲って市場に売っています。皆さん、このことをご存知でしたか?

 「調査捕鯨」という名ですから、一般の方々は、調査をしているだけだと思われている方が多いのではないでしょうか?実はそうじゃない。1000頭近いクジラは、レストラン等で食べるために売られているのです。

 それで黒字ならまだしも、財団法人日本鯨類研究所が08年だけでも約8億円の赤字を出しています。毎年税金で補助金をもらいながら続けているわけです。

 皆さんもニュースで、シーシェパードなどのNGOが抗議行動をこの「調査捕鯨」に繰り返しているのを見たことがあるかもしれません。私は、違法な抗議活動には毅然たる態度でのぞむべきだと思っています。法律上は日本の「調査捕鯨」には正当性があります。

 しかしこの日本の「調査捕鯨」を支援、応援して「調査の結果、商業捕鯨を許可する」案に賛成してくれる国は今のところどこにもありません。仮に認められても、これまでの実績からして商業性は全くありません。

  私は、この「調査捕鯨」に反対です。いつまでも、税金を垂れ流し、世界中から非難され続けることは賢い判断なのでしょうか?クジラを食べるために8億円も毎年、税金を投入するのが本当に国民の皆さんの意思なのでしょうか?

 また、日本の捕鯨は伝統だと言われる方も多いでしょう。そこで方針を変えて、日本近海の沿岸漁業者にのみ「民族性の維持」の観点から捕鯨を認めるようIWCに働という案はどうでしょう?

 実は、デンマークやアイスランドでは民族性維持の観点から、少数社会集団に特有の捕鯨があり、IWCで捕鯨が認められているのです!

 日本でも、和歌山県や高知県の沿岸で古来からクジラ漁が続いています。風土的な捕鯨文化を守るという目的だけなら、IWCで応援してくれる国が増える可能性があります。それなら数が圧倒的に少なくなりますので需給のバランスが変わります。零細な漁民にとってもビジネスのチャンスになりえるはずです。

 日本の伝統を守りながらも、世界から見て日本がどう見られているかも戦略的に考える。そして味方になってくれる国を増やしていくことも大事なポイントではないでしょうか。

 皆さんはこの「調査捕鯨」についてどう考えられますか?
 

 参照文献 「WEDGE」2009年2月号 慶応大学教授の谷口智彦氏の論文を参考にさせていただきました。

             私たちのために。
             私たちの子どもたちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。


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15 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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反対です! (fupenguin)
2010-03-21 08:59:25
調査捕鯨の意味自体がわからないし、私が住んでいる地域で鯨の肉は売ってません。逆に昔給食でまずいイメージがあって食べたいとも思いません。イルカも食べたことがありません。地域性もあるかもしれませんが。最近映画でも話題になってましたよね。
マグロは食べられないと困りますが・・・
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賛成 (bosporus)
2010-03-21 09:15:11
はじめまして。
国民の半数以上が鯨肉を食べた経験がないのに、食文化だと言ってるのが理解できません。百頭でも多いと思うのに、千頭なんて商業捕鯨そのものです。余った一部の肉を海上に捨てているとの報告もあります。
是非、民主党政権で調査捕鯨廃止を!
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勇気あるご意見に感謝 (N)
2010-03-21 18:29:13
この問題に関しては、水産庁と外郭団体が科学の名目で推し進める公海調査捕鯨と、零細事業者による沿岸捕鯨とが、一体視されたままで議論がなされがちですね。
また、政治家や著名人の方々のご発言も、国益上のバランスに対する配慮、「戦略性」がしばしば不足しているように思います。
そんな中で、冷静で客観的な視点に立った貴重なご意見をお聞かせいただきました。
国際社会の反発を買いながら国策事業に税金を投入され続けるより、郷土の文化と自然をいつまでも守る道を探るほうが、和歌山県民の皆さんにとっても大切なはず。
和歌山は知名度の高い世界遺産・熊野古道やダイバーにも人気の串本の海など、海外にアピールできる豊かな観光資源にも恵まれています。
海外の市民との相互交流を深め、共に発展していくうえでも、南極の自然にまで欲張って手を伸ばそうとせず、身の丈にあった地産地消の「風土的な文化」に対する理解を求めていくのが、最善の道ではないかと思います。
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捕鯨について (MG Type62)
2010-03-22 02:55:54
賛成も反対も非常に難しい問題ですよね・・・

周平さんと同じ和歌山県民ですので、小学校の時には給食に鯨がでていましたし、太地に行ったときにはいろいろと食べました。

じゃあ、今鯨の肉を食べるかと言えば、数年間は食べたことがありません。捕鯨の地元和歌山ですらそうですから、そういう意味では捕鯨を廃止にしても問題はないと思います。

ただ、捕鯨の文化を廃止してもいいのか、それはまた別の問題として考えなければいけない問題だと思います。

先日の映画ザ・コーヴでも、捕鯨がいかに悪いものかを訴えていました。ですが、鯨に限らず、私たちは命のあるものを殺して食べているのです。動物だけでなく、植物ですら生命です。それを考えることなく、「鯨は頭がいいから」などというばかげた理由や、「日本人が困るから」などというもっとばかげた理由で捕鯨を反対する意味がわからないのです。

デンマークやアイスランドだけでなく、アラスカでも食用のために捕鯨がされていることを知っている人は世界中にどれだけいるのでしょうか。同じアメリカ人のことですが、反対している人たちはあまり触れないですよね。

欧米系の自分たちの考えを押し付けてくる方法、これは昔の侵略時代から一切変わっていないと思います。自分たちの範囲を広げ、そこにいる人たちに自分たちの考えを強要する。抵抗するなら攻撃する。今はさすがに銃や大砲を持って攻撃することはなくなりましたが、そこを知力と財力で攻撃していると思います。

私は周平さんの言う国内沿岸付近での先住民生存捕鯨捕獲枠だけでもいったんはいいとも思うんです・・・
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Unknown (Unknown)
2010-03-22 13:23:31
鯨を捕る名目がどうこうという話は置いといて、鯨はある程度捕らないとダメだと思います。鯨を捕ってはいけない正当性のある根拠は今のところ見つからないし、鯨を誰も捕らなくなると鯨が増殖して小魚を食べてしまい、生態系に悪影響が出るんじゃないですか?
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Unknown (Unknown)
2010-03-23 12:47:28
>「調査捕鯨」という名ですから、一般の方々は、調査をしているだけだと思われている方が多いのではないでしょうか?
>実はそうじゃない。1000頭近いクジラは、レストラン等で食べるために売られているのです。

売るために捕鯨しているように言われてますが、これは違います。
調査後の副産物として鯨を売っているので、商業目的という批判は該当しません。
また、調査結果はIWCにも報告しており、高い評価を受けています。
調査捕鯨に関して、調査目的については触れずに一方的に商業目的と決めつける批判はよくないです。参考文献が偏った視点で書かれているのではないですか?
そして、世界中から非難されているというのも間違いです。欧米の国々は反対していますが、IWC加盟国の半数以上は日本の捕鯨資源の利用に賛成しています。
和歌山県選出の国会議員が軽々しく捕鯨に反対など言ってほしくないです。

参考文献が少なすぎます。
もっと多くの参考文献を読んで勉強してください。
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小魚を食べる? (bosporus)
2010-03-23 20:06:28
「鯨を誰も捕らなくなると鯨が増殖して小魚を食べてしまい、生態系に悪影響が出るんじゃないですか?」

南氷洋でクジラが食べている餌は小魚じゃなくて、オキアミです。
また、今は約7千頭になっているシロナガスクジラは30万頭いました。小魚を食べ尽くしてしまうという論から行くと、その頃に小魚がなくなっていたでしょう。

沿岸捕鯨はいいと思いますが、ここで問題なのは食物連鎖で沿岸のイルカやクジラは水銀を含んでいることです。
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調査捕鯨には大反対 (イケ)
2010-03-24 11:41:34
鯨のから揚げ大好きです。でも税金使ってまで取って来た鯨を食べたいとは思っていません。
近海で少量取ればいいと思います。
税金投入の調査捕鯨は見直す時期に来ていると思います。政権が変わったのですからぜひ議論してください。
また、税金使った中国産トキの飼育にも反対です。数年前日本最後のトキが絶滅した時点で佐渡トキ保護センターの役割は終わってます。中国トキ輸入してまで飼育する必要無し。
この2つの問題は根本が同じだと思います。
ぜひ、オープンな議論を国会でお願いします。
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事実誤認があるのでは? (サエキ)
2010-03-24 22:09:03
私は持続的捕鯨推進派の者です。原則として鯨類資源に問題が無いのであれば南極海の商業捕鯨は認められるべきだと思っています。また、調査捕鯨に(万が一)改善すべき点があったとしても、調査そのものの必要性がゼロだとは思えません。さらに、沿岸の捕鯨と南極の捕鯨を取引するのは、これも原則は違うと思いますが、ただしこの件については国民的要請があるのなら、それもひとつの政治的決断でしょうから、民主党政権がそのように舵を取るのなら、まずは見守りたいと思います。

さて、国内にも様々な意見があり、私の意見と相容れない方もいると思われます。岸本議員が、そうした方々の声を代弁されるのであれば、それも仕方がないと思います。ただ、今回の議員の記事中に、私の知るところでは事実誤認があるのではないかと感じ、以下、その点を指摘させていただきます。私の勘違いであれば陳謝いたしますが、まずはご確認いただけないでしょうか。

以前、野田佳彦議員の発言で、IWCでは日本を支持する国もかなりある。勢力的には拮抗していると見聞したことがあります。また、信憑性はわかりませんがウィキペディアの「IWC」の項目でも2010年1月現在「捕鯨支持35、中間派3、反捕鯨49、不明1」と記載されています。35vs49は勝っているとはいえませんが「どの国からも支持されていません」というには適当な数字ではないのではないでしょうか。むしろ、その内容をみても、冒頭マグロ問題の件で議員自身がおっしゃっている「アフリカやアジアの漁業国や発展途上国が日本の味方になってくれ」ている状況に思えます。

岸本議員がおっしゃっている「一方、日本の捕鯨は、どの国からも支持されていません。世界中から非難されていますね」というのは事実なのでしょうか?野田議員の発言やウィキペディアの記載が間違っているのでしょうか?

また、これは間違いとかではありませんが、気になったことを強いて意見述べさせていただきます。一般個人とはどうしても発言の重みが違ってくる国会議員の方のブログですから「国際捕鯨委員会(IWC)では商業捕鯨を禁止しています」とおっしゃる場合、それが原則としては資源量の回復を待つという意味での一時停止としての「モラトリアム」だということも言い添えるべきではないでしょうか。
条件付の停止を「禁止しています」と安易に言い切ってしまっては、事情を知らない一般の方に予断を与えることになるのではないでしょうか。
私見になりますが、「モラトリアム」の見直しに応じない反捕鯨国の態度と調査捕鯨の内容の変遷との間には関連がある気がして仕方ありません。少なくともモラトリアム後に続く政治的経緯があっての現在だと思われます。鯨食需要変遷の件も含め、モラトリアム後のそうした「歴史」を国会議員としてどのようにお考えなのでしょうか。誠に失礼ながら、少々安易なご発言なのではないかと思いました。
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がっかりです。 (matts)
2010-03-25 14:55:54
国際捕鯨委員会の科学委員会において、日本の調査捕鯨によって得られたデータがミンク鯨資源の動向分析などに使用されていることなどよく理解していないようです。国際捕鯨委員会の国際捕鯨取締り条約の内容もよく理解していないようです。”調査捕鯨”と”商業捕鯨”の違いを理解していないようです。調査捕鯨の目的は利益を出すことではないし、仮に黒字でしたら、国際捕鯨委員会の商業捕鯨モラトリアムに違反することになる可能性が出てくるでしょう。

これは駄目ですね。まず、水産資源の管理について勉強しておいてくださいませんか。

日本政府の急務は、まず商業捕鯨の再開を実現する環境を整えることです。くさいオージービーフではなくて、もっと鯨肉を食べたいです。今でももっと食べたいですが、値段が割高ですし、市場に流通している量が馬肉よりも少ないので、当然めったにしか食べれません。豊富な、または回復してきている鯨資源が存在しているのに、もったいないです。

商業捕鯨が再開される環境が整えてから、調査捕鯨のあり方について考えましょう。そもそも調査捕鯨が必要となったのは、商業捕鯨の中止によって資源管理に有利なデータが得られなくなったからです。
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