正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

我滅度後 後五百歳中 広宣流布 (薬王菩薩本事品第二十三)

2005-11-15 | 妙法蓮華経並開結 略要旨私考

 『法華経』の「薬王菩薩本事品第二十三」(法華経522)に説かれる、
「我滅度後。後五百歳中。広宣流布。於閻浮提。無令断絶。(我が滅度の後、後の五百歳の中に、閻浮提に広宣流布して、断絶せしむること無けん。)」(法華経539)
という経文は、日蓮大聖人だけが身に読まれ、日蓮正宗において末法万年といわれる未来に、正しい仏法を伝えていくという意味があります。非常に有名な経文です。意味は、釈尊滅後の第五番目の五百年(末法時代)において、御題目の南無妙法蓮華経が世界に広く流布され、血脈相承によって断絶することがないことです。この経文を正しく実践している宗派が、日蓮正宗であります。
 「薬王品」の大要は、薬王菩薩が過去世に一切衆生憙見菩薩として、日月浄明徳仏に法華経を聞いた恩を報ずるため、臂を焼いて供養した因縁を述べ、法華経受持の功徳を説いています。これを「焼身供養」といいます。これは不惜身命の精神を顕わしたものです。
 十喩という法華経が諸経の中で最も勝れていることを示す、十の譬喩があります。それが「薬王品」の、宿王華、譬えば一切の川流、江河の諸水の中に(中 略)此の経も亦復是の如く。諸経の中の王なり。」
と説かれるまでが十喩になります。十喩とは、水喩・山喩・衆星喩・日光喩・輪王喩・帝釈喩・大梵王喩・四果辟支仏喩・菩薩喩・仏喩です。
 その十喩の後「薬王品」に、
  「充満其願。如清涼池。(其の願を充満せしめたもう。清涼の池の如く)」(法華経535)
という信心をすれば私達の心の願いが満たされ、それは清涼の池のようなものであるということが説かれています。つまり「抜苦与楽」です。
 その結果として「薬王品」に、
  「能令衆生。離一切苦。一切病痛。能解一切。生死之縛。(能く衆生をして、一切の苦、一切の病痛を離れ、能く一切の生死の縛を解かしめたもう。)」(法華経536)
と釈尊が説かれています。つまり、生まれれば必ず経験する四苦八苦から逃れることが出来るのです。その文証が「薬王品」に、「此経則為。閻浮提人。病之良薬。若人有病。得聞是経。病即消滅。不老不死。」(此の経は則ち為れ、閻浮提の人の病の良薬なり。若し人病有らんに、是の経を聞きくことを得ば、病即ち消滅して不老不死ならん。)
と明らかに説かれています。即身成仏し常寂光土へと、私達は行くことが出来ることを意味しています。
 『御義口伝』には、「薬王品六箇の大事」(御書1786)が説かれ、「第一 不如受持此法華経乃至一四句偈の事」「第二 十喩の事」「第三 離一切苦一切病痛能解一切生死之縛の事」「第四 火不能焼水不能漂の事」「第五 諸余怨敵皆悉摧滅の事」「第六 若人有病得聞是経病即消滅不老不死の事」という、六つの大事が説かれています。
 今現代が、釈尊滅後の後五百歳になります。大法を広める使命が地涌の菩薩にあり、日蓮大聖人から仏勅を被り折伏することであります。