正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

環境が変化するときに魔が襲う

2005-11-21 | 手引書⑩

 信心は、環境の変化に襲ってくる魔を、適切に扱っていく術を身に付ける大切な修行です。人生は何時如何(いついか)なる時に、魔が襲ってくるか予測が付きません。魔の出現に備えて、信心では常に、心の準備をするのです。他の人が経験し、現実に起きている様々な状態を、自分の身に置き換え、勤行唱題の折には、自問自答することが大事です。即、その気持ちが自行化他の糧に変わります。
 「環境の変化」とは、新しい人生の出発があります。楽しいことであれば問題ありませんが、不安を抱えた人生の出発には、様々な心の葛藤があります。緊張感で気持ちが落ち着かず、神経が敏感になり、期待と不安が右往左往します。この時、魔が付け入り人生を揺さぶります。事前に魔の働きに耐えうる精神が出来ていれば問題ありませんが、順境に浸り、逆境を全く経験したことのない人には、心に強烈な重圧を感じることがあります。
 信心では、心の重圧を転重軽受の法門で和らげることが出来ます。不安なときや緊張したときに生まれる、心臓の鼓動を落ち着けることが、戒定慧の三学という「定」によって出来ます。それが、御本尊様に向かうことで、自然と御本尊様の功徳に浴し、不安や緊張を解消するのです。御題目を声に出して唱えることが大事です。そして、一時的に不安や緊張感に向けられた集中力を、違う方に向けることが大事です。不安なことに集中しすぎている結果、気持ちが安定を失います。
 勤行唱題では、不安への集中力を分散させ、適度な緊張を保つことが出来ます。この適度な緊張が、自分自身を成長させる大切な肥やしになり、成仏に大事な因となるのです。そして、日蓮大聖人の御精神に近づくことが出来ます。
 具体的に、環境が変化するときに襲う魔とは、人間関係や新しい環境になれるまでの気持ちの動揺です。三障四魔という姿で襲ってきます。それぞれの因縁により、魔の働きは異なります。時として現実に実際起きていないことを、妄想的に考えて、自分の気持ちに魔の働きを作ることもあります。現実と非現実の違いを明らかに御本尊様に向かって見つめ直すことが必要でしょう。
 環境の変化には、人間関係も変わります。穏やかさを失わず、柔軟な気持ち「柔和忍辱」が大切です。柔和さが、対人関係を円滑にするはずです。相手も初対面の人には、警戒し不安があります。このことを忘れずに、相手の不安を柔和な表情で和らげることが大事です。これは折伏でも非常に重要なことです。後々の人間関係を大きく作用します。気難しそうな人の場合には、好印象を期待できませんが、付き合い難さを和らげることは出来ます。また第一印象で判断出来ない部分もあります。観察眼や洞察力を勤行唱題で磨きましょう。
 生活環境の変化には、以前の生活リズムと変わるため、新しい生活リズムを速く掴むことです。御本尊様に御題目を唱える習慣を忘れずに、設計することが必要で、一日に必ず現実を落ち着いて考えられる時間を持つことを心がけましょう。その時間が、御本尊様に向かう姿勢です。朝夕の勤行唱題を習慣付けることが一番の理想となり、勤行唱題で環境が変化した時に襲う魔に、左右されない気持ちを養うことが出来ます。そして、月に最低一度は、日蓮正宗の寺院に参詣し、新しい環境で心に染み付いた垢を、洗い流すことが大切です。