福谷章子のまちづくり

さまざまな役割を持ちながら暮らす中で、日々出会い触れ合う人々、街、文化、自然、出来事についてつづります。

みんなの文化の落とし穴 社会福祉協議会地区部会総会

2010年05月24日 | 社会福祉協議会おゆみ野地区部会

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23日の午前中は、社会福祉協議会おゆみ野地区部会の総会

今年の総会は意見がたくさん出ました。

こういう状態を、シャンシャン総会に慣れた人たちは「荒れた総会」と呼ぶのでしょうが、実はこれは良いことなのだと私は思います。

しかも私はこの組織の理事ですから、提案者ガワ。

代議員のご意見は真摯に受け止め、改めるべきところは何かを真剣に考えねばなりません。

    

さて、出された意見はどれも正論でした。

  • 民生委員だけが忙しい思いをしている現状を、改善すべきではないか。
  • 福祉の担い手を増やすべきではないか。
  • 民主的な総会運営ができないような会則になっている。
  • この会費の計上方法では、活動以上に予算規模が大きくなり、実態とそぐわないのではないか。
  • 活動費の配分バランスンが偏っている。

冷静に考えてみると、実はどれもこれももっともな意見なのです。

ところが、一生懸命関わってきた人にとっては、これらの指摘は今までの活動を否定されたように感じられるのではないでしょうか。

したがって、その場は徐々に対立が生まれたような雰囲気になり、見かねた代議員の方から「仲良くやりましょうよ・・・」という発言が出るほどでした。

このような対立を生むのは、会則やルールが実態に即していない、民主的手続きで意思決定が行われるようなものになっていないからだと感じます。

だからこそ、ルール作りはそのプロセスが大切なのです。

       

では、会則はどのように作られたか。

行政の都合で作られた団体・・・というと言葉は過激ですが、法律や国の方針に基づいて結成された団体の会則は、そもそもは、準則にのっとって固有名詞を入れ替えて整える、というのが一般的です。

しかし、それでは地域固有の活動にそぐわないので、活動が何となくしにくい。

そこで、数年経過すると、不都合なところを一部改正して何とか組織運営がしやすいように整えていく・・・。

しかし、ルールは一部変えると全体的に齟齬が生じ、辻褄が合わなくなる・・・ということを繰り返すことになります。

     

地域団体の活動は、そもそも地域のボランティア精神に依存した活動です。

営利を追求するわけではなく、競争に勝ち残らねばならないわけでもなく、助け合って仲良く暮らしていこうという文化を支えるものですから、「理」が通らないことも出てくるのは、やむを得ないと感じているところです。

そこを敢えて、運営者に正当性を持たせる観点で改正し続けると、がちがちで真に地域力を向上させようとする活動には著しくそぐわなくなっていくのではないでしょうか。

ならば、いい加減でいいのか?というと、決してそんなことは思っていません。

トップダウンの組織ではなくみんなの組織なのですが、みんなのというところが曲者。

よほど意識をしていないと、みんなのイコール誰かのもの、ということで無関心が蔓延し、結果的に誰か特定の個人にお任せするような組織になってしまうのではないかと感じています。

総会を経て改正してきた手続きに瑕疵はありませんが、総会に出されるまでに、どれだけの人たちが問題意識を持ち、改正のプロセスに関わったか、ということが実は問われているのだろうと、思います。