鶴舞公園の東北、樹木に覆われた一画に奇妙な形の石碑がポツンと建っています。実はこれは石碑ではなく、愛知県出身の内閣総理大臣加藤高明伯爵を顕彰して建立された銅像の台座なのですが、現在銅像が載っていないのでただの石碑になっています。
銅像は公園内にある普選壇と同時期の昭和3年の建造で、普選壇の青銅版とともに昭和19年、大戦による物資不足のため供出・撤去されました。銅板は昭和42年復元されましたが、なぜか銅像は撤去されたまま現在も台座のみが残されています。
台座は御影石製、当時流行していた表現主義の影響を受けた自由な造形で、まるでロケットを思わせる外観です。設計者は不明ですが、公園のすぐ東にある名古屋高等工業(現名工大)の関係者が携わったものと言われています。
ところで、岐阜公園にある板垣退助の銅像は供出後復元されているのですが、加藤さんもいつか当時の姿に戻る日が来るのでしょうか?
■公園の片隅にひっそりと建つ台座
■銅像建立当時の絵はがき~ちゃんと加藤さんが台座の上に載っています
◆加藤高明像台座/名古屋市昭和区鶴舞1丁目
竣工:昭和3年(1928)
構造:御影石造
撮影:2008/02/10
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