湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

科学未来創造塔

2009-03-04 23:06:27 | あんな物こんな物


事故が起きたのは、嵐の夜だった。
大きな波と風により海から突き出た塔が倒壊の危機に晒されている。そこには作業中の研究者が二名、取り残されていたのだ。
まもなく、吹き荒れる雨風を切り裂くように、銀色のロケットがその巨体を現す。
サンダーバード1号である。
続いて緑色のメタボな船体は2号。腹のコンテナから吐き出された4号が、うねる海に黄色いボディーを沈めていく。
国際救助隊である。

いつも、そんなシーンを想像させる波浪等観測塔は、平塚の海岸線から1キロ沖の海面からニョッキリ顔を出している。波高、波浪、風速、風向き、潮の流れや速さ、潮位の変動など海の貴重なデータをリアルタイムで伝送しているという。
塔自体は国の所有財産で、独立行政法人防災科学技術研究所が運営し、所轄官庁は文部科学省、データを発信しているのは神奈川県(笑)。すでにその役目を終えたということで譲渡先を探していたが、先ごろ東京大学が手をあげたのだそうだ。これで当分は、あの見慣れた風景はそのまま残されることになった。
初めて見た時は、美しい海岸線に立つ人造物に違和感を覚えたものだが、なくなったらなくなったで、きっと寂しい風景に違いない。
ちなみにあの塔、観測室にはエアコンも付いているというが、トイレはないらしい。
取り残されたら、大変だ。臭い救助隊を呼ばねば!

ちょっと振り返ってみたら、雪の日夕暮れのシーンも。

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