普通のカツ丼と不自然な顔

「なんか不自然ですよねぇ、顔が～」
運転免許証の更新の手続きで、書類に貼った写真を見て警察署の窓口の女性が言う。
「はぁ、そうですかね。そう言われても…」
すると、考え込んでその方、
「もしかしたら、これでは通らないかもしれません。10日以内に連絡が行くかもしれないので、そのときはまたお願いします」
そのときはまた…と言われても、10日やそこらで顔は変わらないと思うんだけど。
確かに、写真屋さんやスピード証明写真機で撮ったものじゃなく、会社で撮ってもらったものだけど。でも、だからといって顔自体は変えようがないよ。どうしたものか。
というわけで、今日は会社をお休みしてまずは免許の更新。それから、平日なので市役所の食堂へ。
ショーケースのカレーライス（430円）にもひかれたが、今日はナイトゲームが控えていることもあって、カツ丼（520円）を（昨日、隣の人が食べていたのを見て、実はカツ丼モード全開ではあった）。
まず、フタ付きが嬉しい（プラスチックだけど）。
開けるときのワクワク感がたまらない。
ん～いい色だ、湯気だ、香りだ、おっとかなりツユだくだ。
ハフハフかっ込む。ひたすらかっ込む。最後は丼の縁に口をつけたまま流し込む。せっかく身につきつつある正しい箸の持ち方も忘却のかなた。
どこにでもある普通のカツ丼、昔ながらのカツ丼、あぁ安心のカツ丼である。
古い建物の、懐かしいままそこにある公共食堂で食する。そこに価値がある。
惜しむらくは、たくあんが黄色くなかったことかな。余計なシバ漬けまで付いていた。
さあ、腹ごしらえは済んだ。本屋へ行ってからいつものコーヒーも飲んだ。あとは家にやってくる下水関係の高圧洗浄の立会いが終われば夜は競技場へ。そう、今日も“不自然な顔”で向かうのである。