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『かつとじ』
それは、カツ丼の上に乗っている具の部分をおかずに白飯をいただく料理。
会社のご近所の定食屋さんの人気日替わりメニューだ。
今日たまたま隣に座った社長は、ご飯の盛られた丼に、いきなりおかずの具を滑らせ全部のっけてしまった。
「オレはいつもこうやって食うんだよ」
「それは邪道ですよ」
と、僕。社長といえども、これは許せん。
それはそうだ。吉野家で牛皿とごはんを頼んでわざわざ合体させる愚行と同様である。
別々だからこその美味しさというものだ。
単なるカツ丼は一気に頬張り流し込む、どちらかといえば飲み物的存在(ホントか?)。いや、これも大好きなんだけどね。
『かつとじ』は、濃い目に甘辛く煮たアツアツの具に歯を立ててかみつく。
今度はフハフハしつつ、真っ白なご飯を放り込む。
この交互の作業が幸せを次第に増幅させていく特別な料理だ。
僕が、この『かつとじ』と最初に出会ったのは高校生の頃。学食にあった『かつ煮ライス』というメニュー。ご飯が盛られているのが丼ではなくお皿である以外は、『かつとじ』と一緒。
それからずっとご無沙汰だったが、久しぶりに再会を果たしたのがこのお店というわけ。
しかも、味噌汁、お新香、小鉢が二つ(今日はヤマカケと黒豆)もついたグレードアップ版だった。
他に誰もいなければ、僕は「あー」「クーッ」「ん~」とか言いながら、毎回最後は昇天しているはずなのだ(ここのがメチャメチャウマイというわけではありません、この別々に食べるスタイルが好きということ)。
実は最近ファミレスのメニューにも見かけるようになった。
採用したのは、あの学食か、この店で食いつけていた者ではないかと僕は密かに思っている。