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「ぶたにく生姜焼き定食」(850円)の主役であるこの肉。もともとは、もっと大きかったはずである。
しかし、僕たちのカラダのことを考えて、あらかじめお母さんが脂身をぜんぶ削ぎ落してくれたのだ。きっと、そうに違いない。
「関内最古の定食屋」という『佐久良』をインターネットで発見。今日はいつもとは違う別のおっさんと一緒に行ってみた(笑)。
最古だけのことはある薄暗い店内がいい。カウンターも、赤茶けた丸椅子も、メニューが書かれた札も、レジスター代わり木箱も、みんなまるで昭和を模したセットのようだ。おぉ、壁には「創業51年」という貼り紙があるよ。そうか、半世紀だ。東京オリンピックより前じゃん。
そんなお店のお母さんだからこそ、お客さんの健康を第一に考え、ご飯も少なめに盛ってくれているのだろう。たいへんありがたいではないか。食べ過ぎることはないし、カロリーも控えめである。
ところが、僕たちがほぼ5分で食べ終えるころ入ってきた常連と思しきおっさんが言うのだった。
「さんま定食ね。それとご飯少な目で」
常連さんにとっては、すでにこの量でも多めなのである。
なんだか半世紀の重みをずっしり感じる、目が覚めるような一言であった。
あぁ、明日からは腹八分目でいこう。
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聞けば創業からずっとこの場所だというから、ビル自体も半世紀なのかと思ってお店を出て振り返ると、なんと木造家屋だった! ビルが並んだ一帯なので、ここもそうかとばかり思っていたけどね。