湘南つばさの家 ブログ

神奈川県茅ケ崎市にある自立援助ホーム。

一年が終わります。

2014年12月31日 | 日記
一年ぶりのブログ更新です。


色々ありましたが、今年は何と言っても、児童養護施設を退所した青年たちを支える相談所「あすなろサポートステーション」を7月に開設したことが大きなことでしょうか。

神奈川県の委託事業で、辻堂駅前に事務所を構えました。

施設を退所後、つばさの家に入れない青年たちは沢山います。

親元を頼れず、この社会で生きていくのは容易なことではありません。

それでも縁あって出逢う大人が、彼らの人生を少しでも応援できたら・・。

そんな想いをもった関係者が力を合わせ、児童養護施設等のアフターケア事業が創られました。

細々としたスタートではありますが、支えを必要としている青年たちの就労支援、生活支援、訪問などを行い、「繋がり続ける大切さ」を伝えていけたらと思います。


さて、つばさの家の青年たちは、ホームにいる間、皆仕事を続けて着実な歩みを続けています。

ある青年は仕事を続けながら高卒認定に合格し、自動車免許に奮闘していたり、

ある青年は長く続けた仕事を思い切って転職し、やりたかった職業に就くことが出来ました。


皆つばさに辿り着くまでは、過酷な環境を生き抜いてきました。

そしてつばさの家で、少しでも温かな暮らしが心に沁みていけばと共に日々を過ごす。

ゆったりだけど、確実な変化や成長を目の当たりにし、人は出逢いや環境で変わっていくのだと実感します。


今日、大みそかには多くのOBが連絡し、顔を出してくれました。

ある青年は奥さんと子どもを連れて来てくれました。

ホームにいる間は枠にはハマらない青年でしたが、子どもの存在が何よりの喜びで、満面の笑みで子どもをあやしていました。


みな幸せになってほしい。

育った家庭や出来事で、辛い思いをしたかもしれない。

生きたくないと思うときもあるかもしれない。

それでも訪れる幸せの瞬間に、「今まで生きてきて良かった」と思う場面が来るかもしれない。

そんな時を迎えるまで、そして迎えたときも、側で「良かったね・・」と聴ける場所と存在でいること。

つばさの家は彼らの「生きる拠り所」として、これからも在り続けたい。


今年もたくさんの支援者皆さまに支えられました。
頂いたご寄付は年末年始の食費や、OBの子育て用品、自転車、スポーツ用品などに充てさせていただきます。
ぱそこんどーじょー様、元気フォーラム様はじめ、各団体、個人の皆さまに厚く御礼申し上げます。




年末年始

2014年01月09日 | 日記

自立援助ホームにとって大切にしているもののひとつに、「帰れる場所」というものがあります。

ホームを退居したOBたちにとって、帰省できる場所があることは、心の拠り所になります。

その意味で特に年末年始は「お正月の家」として、OB達に広く声をかけていきます。

毎年多くのOBがホームに宿泊したり、来所してご飯を食べたりするのですが、
今年はサービス業に努めている少年も多く、元旦から仕事など忙しく泊れないOB達もいました。

それでも何人かのOBが来所し、ご飯を食べたり、泊ったりしていきました。

大晦日には皆で鍋をつつき、年越しソバを食べ、カウントダウンでは近くの神社で初詣をして
朝方には初日の出を見に行き、元旦はおせちを皆で食べる。

支援者の方から頂いたご寄付の一部をお年玉として渡し、普段社会人で頑張っている少年たちに、お正月の雰囲気を味わってもらう。

この様な体験が、彼らの心に温かい経験として残り、いずれ大人になり家族を持ったときに思い出してもらえたら嬉しく思います。


つばさの家で提供していることは「暮らし」、そして「人の存在の大切さ」です。

安心できる暮らし、心温まる暮らしを大人と一緒に積み重ね、人の存在が心の支えに繋がることを、つばさの家で実感していけば良いと願うのです。



※年末に「元気フォーラム様」はじめ、支援者の皆さまから頂いたご寄付は、年末年始の経費で活用させて頂きました。
また今月の成人式を迎えるOBへのスーツ代や会食、記念品贈呈に活用させて頂きます。ありがとうございます。



働くということ

2013年06月24日 | 日記
つばさの家に入居するためには、「働くこと」が前提となる。

生活していくために、働かなければならない。
この事を納得することが求められる。

世間の多くの十代は親元で暮らしているのに
親と暮らせず、働くという選択肢を選ばざるを得なかったことを
彼らは無理やり納得しなければならない。

「仕方ない・・。」 そう心の奥で思っているだろう。

それでも仕事内容が楽しかったり、周りから必要とされれば意欲的にもなれる。
自分の力で働いて、給料を得て、初めて欲しいものを買えたときは、こう思うかもしれない。

「自分で稼ぐことができたんだ」

その喜びを素直につばさの大人に伝える子もいれば、言葉に出さず噛みしめる子、別のストレスに心奪われ実感がない子もいる。


眠い目をこすって、それでも自主起床して出勤する少年たち。
昨日の疲れが回復せず、それでも休まず行こうとする少年たち。
職場に着けば、自分の出来る限りで精一杯頑張る少年たち。

「まじ、やってらんねー。」
そう呟きながら、それでも働いて月日を過ごす少年たち。


働くということが、自身の自己実現につながるには、ずいぶん長い道のりがあるかもしれない。
でも、縁あって出会った職場や人や仕事内容を通し、
自分を高めるチャンスは沢山埋まっている。


日々の想いを聴かせてくれているとき、こう思っている。

「頑張ってる姿を側で見ているよ。 想っているよ。」

彼らの未来が、少しでも幸せなものになりますように・・。




つばさの歩み

2013年06月06日 | 日記
家庭の事情で親元で暮らせず、十代で社会に出て生きていかねばならない少年たち。

彼らのために、何か力になれれば・・。

未来や生きることに、希望を持てるような
少しでも喜んでくれるような

そんな「何か」をしていきたい。

つばさの家を支えて下さっている方々から伺う想いである。


そしてこの様なお声も頂く。
「何かお役に立ちたいのだが、何をして良いか分からない」
「ホームの様子が分かると、もっと協力もしやすいのだけれど・・」


少年たちの未来が、生きやすい社会になっていく様に
彼らの声を社会に伝えていく。

その想いに応えてくださる方々の生きる姿を、少年たちは見つめている。
少年たちは人生の様々なモデルに触れ、未来をイメージしていく。


目に見えない想いを、目に見える形に繋げていくため、
自分に出来ることは何か。

そんな想いを込めて、ブログを始めてみました。

少年たちのかかわり、ホームの運営、対外機関との業務・・
日々に追われて更新はたまにしか出来ないと思いますが、
時折、覗いて頂けたら幸いです。

宜しくお願いいたします。


ホーム長 前川礼彦


※このブログは「NPO法人パソコンどーじょー」様のお力添えをいただき、
実現に至りました。ありがとうございます。