白鳥は、龍ヶ崎市の「市の鳥」であり、現在、牛久沼を中心に30羽程度がいる。
春になると、冬の間、北の国から渡ってきていたオオハクチョウやコハクチョウが
北国へ旅立つと、5月初め頃にいくつかの番から子が生まれ、再び賑やかになる。
白鳥は数カ所に分かれて生活しているが、大勢いるのは、牛久沼の水辺公園である。
5月中旬頃、牛久市の城中の先の芦の中で生まれた5羽の子を持つ家族が、
水辺公園の餌場にやって来て、そこに住み着いた。
6月5日、子は小さいが、ちゃんと自力で泳いでいた。
約一ヶ月後の7月3日には、子もかなり大きくなっていた。
子を持つと親は強くなり、他の白鳥が近づくと追い払ってしまう。
しかし、人々からボスと呼ばれている大きな番にはかなわない。
一般の白鳥達は追い払われて、しばらく、餌にありつけない。
7月11日朝、子供達は、いっそうたくましくなっていた。
数年前から、旧小貝川に住み着き、毎年、子が生まれる番もいる。今年は、福祉センター近く
と、ポンプ小屋近くの二カ所で子供が生まれた。当初、いずれも4,5羽居たらしいが、いつの間
にか減り、現在では、1羽ずつになってしまった。どうしてかはわからないが、カラスにやられた
のでは、という人もいるし、さらわれたのではという人もいる。どうもわからない。
福祉センター近く : 草むらでくつろいでいた
ポンプ小屋近く : パンをなげてやると喜んで食べていた。
牛久沼へ流れ込む川のうちの最大の谷田川の上流、茎崎橋近くの森の里団地の近くで
は、4羽が生まれた。親の背中に乗ったりして、可愛かったが、7月2日、1羽が水中に残され
ていた釣り針に引っかかり、命を落としたそうである。誠に残念だ。下の写真は6月25日、
4羽とも元気であった時の泳ぐ様子である。
西谷田川が牛久沼に流れ込む付近の入り江で生まれた4羽の子は、7月6日現在、
元気であった。
一度、一家で水辺公園まで来たことがあったが、その後は生まれたところから遠くへは離れな
いようだ。
7月11日朝、水辺公園へ行くと、一家はそちらへ来ていた。今年、生まれた中では一番たくま
しくなっていた。
前日の朝、見ることはできなかったが、一家が3回目くらいに水辺公園へ来たそうである。
心配していたことであるが、そこには前から住み着いていた5羽の子供がいる一家がおり、
子供がいる家族同士がぶつかったらどうなるか、懸念されていた。猛烈な喧嘩になったそうで
ある。
まず、5羽組の父親が、4羽組の子を突いたが、それを見た4羽組の父親が5羽組の父親に
襲いかかり、2羽は激しく、突いたり噛みついたりしあったようである。しばらくして大ボスが割っ
て入り、2羽の争いは中断したそうである。
両者の体には、いくつも傷が残ったようで、特に首のあたりは、翌日も羽が乱れていた。
子供思いの親がぶつかると、引くわけに行かず、大変な争いになるようである。
なお11日は両家族は、離れていたので、まだ争いにはなっていなかった。
その後、7月25日、4羽の子のいる家族の1羽の子が死亡しているのが見つかったそうで
ある。なぜかは目撃者がいないのでわからない。何かのはずみに、子持ち同士の喧嘩に巻き
込まれたのかも知れないが、このところ、一線を越えないようにしていたので、そうとも言い切
れない。
牛久市から牛久沼東北隅のあたりに流れ込む根古屋川の根古屋橋近くでは、毎年、数羽の
子が生まれていた。
しかし、今年は沼の水位が例年より高くなり、温めていた卵が水に浸かってしまったらしく、
途中で巣のかさ上げをして、その後も温めていたが、ついにあきらめたようである。
5月30日の抱卵の様子
6月21日にはあきらめたようで、巣を放棄したようであった。
牛久沼から小貝川に流れ込む排水機場近くには、いつも番が泳いでいる。子が生まれた年
もあるが、今年は生まれなかったようである。最近、牛久沼も、小貝川もかなり水位を上げて
いる(水田に引き込むためにそうしていると思われる)ようで、抱卵が始まってから水位が
上がると、だめになることもあるようである。
白鳥は、多くの市民により愛されているが、迷惑を及ぼす場合もあるようである。
そのあたりを考えて、今後も白鳥と仲良く共存できればと思われる。