できるだけごまかさないで考えてみる-try to think as accurately as possible

さまざまなことを「流さずに」考えてみよう。"slow-thinking"から"steady-thinking"へ

さっきまでの朝生について1 どのくらいの放射線が安全なのかは結局わからず

2011-04-30 06:30:41 | Weblog

仕事をしながらだったので、とりあえずは断片的な話から。

まずは改めて、出演者の紹介。

 

2011年4月 朝まで生テレビ! 

「激論!東日本大震災から50日! ~今、何をすべきなのか?~」

司会:     田原 総一朗
進行:     渡辺 宜嗣・村上祐子(テレビ朝日アナウンサー)

パネリスト

大塚耕平(厚生労働副大臣、民主党・参議院議員)
平野達男(内閣府副大臣、民主党・参議院議員、被災者生活支援特別対策本部事務局長、岩手県選出)
★小野寺五典(自民党・衆議院議員、党水産部会副部会長、宮城県選出)
齋藤健(自民党・衆議院議員、党政務調査会事務局長、元経産官僚、千葉県選出)

飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
★石川正純(北海道大学医学部教授<放射線治療>)
★石川迪夫(日本原子力技術協会最高顧問)
★荻原博子(経済ジャーナリスト)
香山リカ(精神科医)
高橋洋一(嘉悦大学教授、元財務官僚)
長谷川幸洋(東京・中日新聞論説副主幹)

 

★をつけたのが、ざっと見て今回のキープレイヤーと思われるパネリストだった。特に、石川迪夫は、日本の原子力行政を引っ張ってきた大物とのことで、老獪な立ち回りで、批判派がそもそも糾弾できないようにさせていた。(以下、画像はテレビ朝日から)

 

 

小野寺は、いかにも「私は素人ですが」という語り口で、被災地の現場を回って見聞した驚くべき話を率直にぶつけ、議論全体をリードしていた。この自己演出のうまさは、上の石川迪夫をも上回っていた。

 

 

ただ、さしあたって、最も気になるのが、どのくらいの被曝量なら許容範囲かということで、石川迪夫としては「もう放射線もほとんど出ていないので大丈夫」という発言をし、一方で小野寺は「政府の参与だった人物でさえ、年間20ミリシーベルトの被曝では危険だという考えで辞任をした」と政府・民主党を攻め、いろいろ話が出てくるうちに結局まとまらなかった。

 

 

北大の石川正純が、その疑問に答えようとした。特に甲状腺被害のリスクが高い乳幼児についてである。しかし彼も、明確な答えを出せなかった。唯一、「新しいモデルを使って実験結果を近似し直せば、被曝できる放射線量はもう少し緩められるかも知れないという結果が出る。しかし、染色体への異常が出る確率が上がることは確認されている。これをどのくらいのリスクとして考えるべきか」という趣旨の発言だけが、専門家の発言として、最も正確なものであったと記憶している。

しかし、この発言自体が、専門家から見ても、どうにも判断のしようがないと言っているのに等しいわけで、パネリストたちも困っていた。視聴者の私はなおさらである。

 

それ以外は、例によって荻原博子が一般主婦のように不安がり、騒ぎだし、せっかく北大の石川教授が社会的合意についての話を切り出したにもかかわらず、CMに入ってしまい、社会的合意についてその後議論されることはなかった。この点が極めて残念である。

 

というわけで、ここまでを「その1」としておく。

その2はこちら



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