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国会議員の二重国籍(重国籍)がなぜ問題なのか

2016-09-09 04:03:02 | Weblog

民進党の蓮舫参議院議員の二重国籍問題がこじれまくっている。私はもちろん、国会議員が二重国籍、または多重国籍(重国籍)を持つことには大反対だ。現時点では国会議員が重国籍を持つことは法的には禁止されていないが、機関誌差別さま(自称 朝日新聞)などが、社説や天声人語などでワンワン騒いできたように、

道義的責任

というものが存在する。私はこの責任を「道義的責任」ではなく、「危機管理」という角度から展開するが、この点は構成上、後でまた詳しく述べる。

 

ところが、ツイッターを見ていると、現役の弁護士までが

「二重国籍は法律的には問題ないので、蓮舫の二重国籍疑惑問題に関してワーワー騒ぐ方がおかしい。」

という主旨の発言を平気でしている始末。

「モトケン(元検事 弁護士)」
『二重国籍自体は目くじらをたてるような話じゃないと思います。批判に対する対応のほうが問題。』


一応補足しておくと、この「批判に対する対応」というのは、蓮舫自身の対応のことである。つまり、モトケン氏は、「二重国籍自体は問題ない。しかし、蓮舫が、『二重国籍を持っているのでは?』とマスコミから質問されたときの対応が問題だ。」と主張している。

 

「野村修也(弁護士)」
『一般論として、私は、重国籍の方も日本人に違いないので、国会議員になることに何ら問題はないし、たとえ外国籍の除籍に関する努力義務を果たしていなくても、事情を開示していれば、容認できると思います。ただ外交に関わる公職に就く場合は、努力義務を履行すべき要請は高まるのではないでしょうか。』

 

「弁護士 野田隼人」
『この点は同意。違法適法論ではなく、あんまり上手くなかったねという話で。便乗批判の人達は絞り込めずにレイシスト宣言になってる人達が沢山いて、私は基本的にそこを問題にしています。』

 

政治家が二重国籍を持つことの問題に対して、比較的まともな記述をしている順に並べてきたが、この野田隼人という弁護士の発言はひどいね。政治家が二重国籍を持っていることを批判することを「レイシスト宣言になってる」などと、また、何の合理的な根拠もつけられずにレッテル貼り。民主党、民進党を少しでも擁護しようとすると、どうしてもこういう「レッテル貼り」にしか逃げられないというのは、昨年、安保法制をめぐる国会の議論で安倍総理自身が野党に対して「レッテル貼りはやめていただきたい」とハッキリ言ったことときれいに重なる。

 

ツイッター界ではすでに、「あのアホの孫崎享」と同じレベルのバカという称号をほしいままにしている、自称脳科学者の茂木健一郎大センセイも、期待にたがわず、きれいにかましてくれている。

 

「茂木健一郎(自称脳科学者)」
『今回の「二重国籍」騒動、日本の一部の人たちの「田舎根性」を露呈しただけの話のような気がする。相変わらず洗練されていないどころか、ますます「愚鈍」になっていく。テクニカルに、実質に即して考えることができない人たち。』

 

まあ、ツイッター上では、小中学校で、各クラスに配られたサッカーボールのように、多くの人達のおもちゃとして遊ばれているのが逆に気の毒になるくらいだ。私がリツイートしたものとしては例えばこれ。

 

「オフィス・マツナガ」
『脳科学者のわかりにくい用語。

「田舎根性」「洗練されていない」「愚鈍」「テクニカル」

やはり、この人はただの馬鹿だった。

(僕』

 

で、私としては、この茂木健一郎大センセイの発言を使って、冒頭の話を続けたいわけだ。すなわち、茂木大センセイの言うところの、「テクニカルに、実質に即して考える」という作業をすればするほど、結局、蓮舫のような国会議員が重国籍を持つことは、国籍法で禁止されていようがいまいが、極めて問題になるということだ。

 

茂木大センセイが言うように、「テクニカル(技術的)に、実質(国会議員に重国籍を認めると、実際にどのような問題が生じるか)に即して考えると、以下の可能性が、無視できないほどに、明確に存在する、ということになる。

step1 国会議員が重国籍を持っていると、
step2 日本の立法権者(立法する資格を持つ者)として、日本で法律を制定できる。
step3 その法律を制定する際に、日本の国益をあえて大きく毀損する(破壊する)法律にわざとしておき、
step4 のちに、そのことが明らかになる前に、その国会議員は、重国籍のもう片方の国に移動する。その国の国籍を持っているのだから、政治亡命などよりはるかに簡単に、速く、その国に入国できる。

以上である。この4つのステップを踏むことで、刑法81条の外患誘致罪に勝るとも劣らない、内側から日本のあらゆる意味での防衛力を、合法的に破壊できるのだ。

刑法第81条(外患誘致罪)
外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。

このように、「必ず死刑に処する」という主旨が明記されている。これは、殺人罪の記述よりも明確に、より重い記述だ。

刑法第199条(殺人罪)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

 

現役の弁護士であるならば、司法試験を通るために、この条文とその意味と意義を理解していない、ということは絶対にないだろう(それならそれで、逆に大いに問題にしなければならないが)。だとするならば、国籍法にその規程がないからと言って、刑法81条に明記されている外患誘致罪に準ずる行為が平気でできるのが、重国籍を持つ国会議員であるということも、現役の弁護士ならば容易に想像ができるはずだ。にもかかわらず、上に貼った現役の弁護士諸氏は、この可能性を全く想像しないどころか、野田隼人に至っては

>便乗批判の人達は絞り込めずにレイシスト宣言になってる人達が沢山いて、私は基本的にそこを問題にしています。

などと、このことを批判することを「レイシスト宣言」などと言いかえている始末。これでは、

「このバカは、なぜに司法試験を通ったの?司法試験実施者側のミスでは?それとも、昨年実際にあったように、出題者から問題の一部でも教えてもらったのか?」

と、必然的に推測せざるを得ない。

 

国会議員という立法権者が重国籍を持っていると、その外国と通謀して、いくらでも内側から、その立法行為によって日本の防衛力を落とせる。この可能性は、よく機関誌差別が騒ぐような

「道義的責任」

の問題ではなく、システム(現行法)上、当然予想できる

「危機管理」

の問題として、明確にその責任を追及しなければならない。

 

しかし、おそらく蓮舫は民進党の代表に選ばれるだろう。民進党代表選の選挙権を持つ者にとっては、こういうことはどうでもいいことであろうからだ。問題は、蓮舫が代表になってからの国会論戦の中で生じてくるだろう。

維新の会が、人気取りの意味も含めて、国会議員の重国籍を禁止する法律を制定しようという動きに入った。この審議過程で、蓮舫が代表となっている民進党がどういう発言をするか。そこを、われわれ有権者は、厳しく見極めなければならない。

 

茂木健一郎大センセイ、今日もバカでかいブーメランをどうもありがとう。センセイのおかげで、文章をわかりやすく書くことができた。今後もがんばって、ブーメラン投げにいそしんでいただきたい。期待している。


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