恋の方程式が解けません in goo

よくわからないまま引っ越してみた?

『猫と歩けば』(仮題) 第九回

2017-04-16 22:36:40 | 日記
「え~。今日もお出かけですか~。」

タマちゃんは、呆れながらもベランダにつづく窓を開けてあげる。

「ちゃんと夜には帰ってきてね。もうすぐ、ここも引越しするんだから・・。あ、もういない。」

ミィはタマちゃんの長くなるであろうお小言に最後まで聞くことなく、

ベランダから向かいの塀に飛び移り、トコトコと歩き出していく。

朝の習慣になってしまったミィのお見送りも、もうすぐ終わりなんだと実感しつつも、

一応、水とカリカリの入った器をベランダの隅に置いて、すでに小さくなったミィの後ろ姿を見送った。

タマちゃんの暮らすマンションの二階のベランダの外にちょうどいい高さの塀があり、

ミィのお出かけにはちょうどいい通路になっていた。

ミィの向かう先はこのマンションのゴミの集積所。そして、そこは近所の猫たちの集会所でもあった。


  つづく

『猫と歩けば・・・』(仮題) 第八回

2017-04-15 20:45:19 | 日記
「やばい。かわいい・・・。」

タマちゃんからこぼれた言葉に反応するように、ミィはその場からひょいと床に着地した。

「あー、はいはい。ご飯ね。」

タマちゃんが目を擦りながらベットを降りて台所に向かう姿をミィはあくび一つで眺めている。

聴き慣れた器が床にぶつかる音とその器に流れ込むカリカリの軽く心地よい音。

タマちゃんの呼びかけの声が掛かる前に、タマちゃんの足首にオデコを擦り付けてあげる。

「もうこんな時ばっかり~。」

呆れつつも親愛たっぷりの言葉を貰い、ミィは朝ごはんにたどり着く。

いつもの日常。タマちゃんは学校へ行く準備。

ミィは、窓際に座り、一声鳴いた。

  つづく


※あ~、仕事がヒト山越えた~。さあ、次の山いくべ~。

じゃあね~ヽ(*´∀`)ノ




『猫と歩けば・・・』(仮題) 第七回

2017-04-07 18:23:01 | 日記
く、苦しい・・・

全身に力が入らない・・・

何が起きてるの?私が私でなくなるほどの感覚・・・。

肉体から魂だけが抜け出して、私は意識だけの存在・・・。

でも、それでも、何かのしかかっているような圧を感じる。

やだ、なんで五行山の孫悟空の事なんて思い出したの。

北極のマンモスのことなんか・・・。やだ、やだ、やだ、やだぁ~。

開眼せよ。私。

タマちゃんが全身全霊の力を込めて目を開くと、そこには、

我が愛猫ミィのお尻があった。


 つづく


ん~、雨止まねえかな~。じゃあね~ヽ(*´∀`)ノ

『猫と歩けば・・・』(仮題) 第六回

2017-04-03 18:42:54 | 日記
昨晩、猫の無芸さを悲観したタマちゃんの枕をしっかり奪ったミィは、

カーテンの隙間から差込む柔らかい光に目を覚ました。

横で、タマちゃんが相変わらず目と口を半開きしたまま寝息をたててる。

ミィは少しだけタマちゃんの唇をツンツンしてから、ベッドから抜け出した。

まだ少し眠いのだが、これでもかっというぐらいに伸びをした。

そのまま台所に飛び上がり、昨日、流しに残る水滴を舐めた。

そして、見るとなく部屋の中を見渡す。

(・・・・うん、飽きた。)

ミィは、すぐにベッドに戻り、タマちゃんの上に乗る。

(起きて、暇です。起きて)


つづく。


ではでは。じゃあね~ヽ(*´∀`)ノ