oregonian way of life. 

オレゴンでの学生生活から南下して社会人生活へ。IT産業でホットなサンフランシスコ・ベイエリアで地味~に文系の仕事してます

「ベジタリアン」という言葉の問題点

2005-11-03 | 
わたしは、世間一般から見るとベジタリアンということになるのでしょうが、この言葉は個人的に好きではありません。この言葉は、肉が食の中心で、肉を食べる人(meat eaters / carnivores)が今の世界の基準であり、ベジタリアンは「普通ではない」という含みがある、ということがまず一点。それに、単純な二極分化(dichotomy)にも疑問を感じます。肉を食べる人が「普通」で、肉食をしない人をベジタリアン(菜食主義者)とよぶこと自体、この世には肉と野菜の二種類の食べ物しかないのか、という感じがします。また、肉を「食べない」からベジタリアンだ、という「否定的」な言葉の含蓄にも疑問です。積極的に野菜を「食べる」ことを奨励する、という「肯定的」な含みでベジタリアンだというなら分かりますが。わたし自身は、「肉を食べない=積極的に野菜を食べることを奨励している」わけではありません。野菜よりも穀物(grain)や果物(fruit)のほうが好きですし。

それに、「肉を食べない」ということを強調すると、禁欲的な苦行僧のような・・・。。下の、映画『チャーリー~』の記事でちらっと述べたように、肉は豊かさの象徴。その豊かさをあえて拒否し、禁欲的に生きるベジタリアン・・・。少なくともわたしに、禁欲的に生きているという自覚はありません。某日系航空会社のホームページの機内特別食の一覧表に、ビーガン食の人は「厳しい菜食主義者」と書いてあったので、去年その航空会社に苦情を言ったのですが、訂正されていません。ビーガンをどう表現するにしても、書いた人の主観を含む「厳しい」という形容詞をつけられるのは不快です。英語の「strict vegetarian」という言葉をそのまま訳したのかもしれませんが。少なくともわたしは、自分が厳しく食事制限をしているとは思っていません。肉食をしている人からみると、そうみえるのかもしれませんが、そんな方の見方を押し付けられるのはごめんです。

じゃあ、ベジタリアンに代わる言葉は?いい言葉があったら教えてください。

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7 コメント

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Unknown (Miho)
2005-11-04 00:38:11
小学校ですでに弱肉強食なんて四文字熟語を教えられちゃいますしね。古代は自給自足でどうしても強い人間が獣を倒せてその肉を食べられるって意識が私たちのDNAには植え込まれているのかなーって思ったりします。でも私は小さい時から肉と魚が苦手だったので、「こんなに美味しいものを食べられないなんてカワイソウ」って言われたことが何度もありますが、所詮嫌いなモノなので気にした事もありません!肉好きな人が肉を食べる。食べたくない人は食べない!それだけの事なので呼び方があるのは確かに不思議ですね。
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共感しました! (gachakoo)
2005-11-04 11:20:41
はじめまして!私もベジですが、



「この言葉は、肉が食の中心で、

肉を食べる人が今の世界の基準であり、

ベジタリアンは「普通ではない」

という含みがある、ということがまず一点。」



この言葉に激しく共感を覚えました。



本当にそのとおりですね
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Unknown (しんのすけ)
2005-11-05 03:31:09
gachakooさんのブログも拝見させていただきました。おかしいと思うことに関しておかしいと声を上げることは、大切なことですね。人間はそうやって歴史を変えてきたわけですから。
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「ベジタリアン」に代わる言葉? (シルバーバーチャン)
2005-11-14 20:05:24
 sensible eater とか normal eaterは?



 余り日本語にしたくないのですが、sensibleは理に適ったとか賢明なとかいうような意味です。normalはそのままでいいでしょう。



 イギリスにはbeef eater という単語があります。

直訳すれば「牛食い」、意訳すれば「共食い」ってところですかね。



 日本でセンシブルイーターといってもセンシブルという単語がカタカナ英語ですら定着していないのでノーマルイーターのほうが早く定着するかもしれません。



 センシブルはセンシティヴと間違えられやすいですしね。

(sensitive は 神経質な、傷つきやすい、敏感な、のようなネガティヴな響きを持っていますから。)
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Unknown (しんのすけ)
2005-11-16 10:36:48
肉食の人は分別がなくてアブノーマルだということですね。個人的には賛成ですが、肉食の方からは思いっきり反発をくらいそうです。ビーガンの方だったら「compassionate eater」という言葉を使うかもしれませんね。
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本当ですね!! (シルバーバーチャン)
2005-11-17 14:47:38
 結局、ベジタリアンに代わる言葉をどう考えても、肉食者からは「浮き」ますね。compassionate eaterといっても肉食者はcurel eaterかよ?と、これも反発をくらいそうです。

 一番良いのは○×eaterとか○■主義者という境界がなくなることですね。

 動物を殺して食べることに全員が傾くか、菜食に全員が移行するかということになれば、菜食で健康に暮らせて、動物を殺さなくて済むむ方がどう考えてもいいのですが・・。

 肉食者ですら、殺さずにすむなら殺したくないと思っていると信じています。ただ、残虐行為をしてでも肉を食べたいという利己に"まだ"勝てない人たちなのでしょう。肉を食べたいという欲望を詭弁するための動物性蛋白質健康論は論外としても、健康のためには肉を食べなければならないと本気でそう信じている人にとっては、肉食をしないことは恐怖なのです。まあ、これも自己の健康しか視野にない利己ですけどね!



 compassionateは利他の一部を形成する大変いい言葉ですね。

 compassionate eaterとわざわざ言う必要のない世の中をベジタリアンがまず先頭を切って造っていかなければと思います。

 
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Unknown (しんのすけ)
2005-11-19 13:45:17
一番無難なのは、「わたし、肉アレルギーなんです」でしょうか?「わたし、肉食べないんです」だと、何かお坊さんみたいですね。何はともあれ、日本も早くベジタリアンが市民権を得られるといいですね。
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