小林美希の取材日記(つぶやき)

取材を通して思う素朴な疑問や、日々の出来事を紹介します。 

今週のエコノミスト・編集後記

2006-05-22 18:38:32 | Weblog

 今週のエコノミストでは、編集後記を書いている。ブログとかぶるところもあるが、記者としての原点というか、初心にかえる思いで編集後記を書いた。

 編集後記でも、たまに読者からハガキや投稿をいただくことがある。が、インターネットでも、当たり前だが、ほとんど誰にも知らせていないブログに、知らない人からの反応。少し驚いている。

 これからも、少しづつでも、ブログを更新してみようと思う。

 今日は、薬害肝炎の弁護をしている弁護士に取材をして、概要を教えもらった。やはり、こういった誰にでも起こり得る、しかも生命・生活にかかわる問題を見すごしてはならないと思った。

 遅ればせながら、取材を進めていきたいと思う。

 

 


薬害肝炎

2006-05-18 11:20:13 | Weblog

 出産や手術の際の止血剤として使われた血液製剤血液製剤「フィブリノゲン」などでC型肝炎ウイルスに感染したとして、患者らが国と製薬会社に損害賠償を求めている薬害肝炎訴訟。昨日、全国5地裁の原告が、東京で国会議員に被害の早期救済について、問題を理解してもらうために事前のアポなして議員会館の各部屋を回った。6月21日に大阪地裁で初の判決が言い渡される。

 国側は、弁論で「血液製剤は出産時の突発的な大量出血から多くの産婦を救った。感染の危険性を超える有効性があった」と陳述したという。

 命にかかわる問題と雇用問題を比べることは難しいが、非正規雇用が増加した背景について、「失業者が増えるよりはマシだった」という机上の論理と全くもって同じ気がしてならない。

 薬害肝炎は、私たちの親世代に起こった事件だが、出産時の危険性というものは未来永劫、普遍的なもの。私たちに関係ないとは思わないで、この事件やニュースは、気に留めていかなければならないと思った。

結婚の不思議

2006-05-14 02:44:05 | Weblog
 ある女性の話である。

 このほど、結婚を決めた女性がいる。私生活も仕事でもハッピーなのだが、結婚をキッカケに、かなり、素朴な疑問と制度への憤りを感じたことがある。

 それは、彼女本人もごくごく当たり前のように思っていた、彼の姓を名乗ること。

 「結婚=男性の姓になる」当たり前のように彼女もそうなると思っていたし、彼もそう思っていたから、なんの話合いも持たずにいた。

 彼女もバリバリ働いていて、業界では名も通ってきた。社内の既婚の女性の先輩たちは皆、旧制を名刺にしていたので、そうすることが当たり前。仕事にも別に支障はない。仕事も「デキル」ほう。旧制のまま仕事をすることも誰もなんら疑問も持たずにいた。

 しかし、彼女はふっと思ったのだ。

 「ん?ちょっと、待て。なんで私が女だからって、姓が変わらなきゃならないの?なんか、おかしくない?」

 男女雇用機会均等法が成立・施行された頃、彼女はまだ小学生。男女差別って何?ということができる幸運な世代だ。
 はっきり言って、高校受験だって大学受験だって学生生活だって仕事だって、やる気と努力で、なんの問題もなく活躍してきた。

 男だ、女だ、なんていってるほうがナンセンスな世代なのだ。

 なのに、いざ、結婚するとなって初めて味わう、姓が変わることの不条理というべきか、非合理的というべきか、意味が分からない制度に巻き込まれた気分。社会人としての成績も、男女で比べることなんてレベルが低いくらい、ベテランの先輩をも数字で明確に抜いている彼女にとっては、「女だから」ということで何かが強制されることに屈辱さえ感じる。

 別に、彼が私の姓を名乗ったっていいじゃない。

 話をすると、彼も別にこだわらないという。しかし、よくよく話をすると、彼は「親がなんというか」「社内でも婿入りした人はいるけど、相当、好奇な目で見られる。その覚悟を俺にしろっていうのか」という。

 その時、彼女は一瞬、「そんなこと言う奴と結婚なんてできない」と思った。

 最終的には、彼女はどちらの姓を名乗るなんてこだわってはいなかったのだ。
 ただ、自分の素朴な疑問と、彼の反応に、なんとなく嫌気がさした。

 彼女は彼に「女にしてみれば、きっと嫌なことなんだろうね。いいよ、そんなの。俺が違う姓になったって」と言って欲しかっただけなのかもしれない。

 結果がどうあれ、そういってもらって自分の姓が変わるのと、そうでないのとでは、気持ちのうえで、相当、違うものだ。
 その後、彼とは話合い、わだかまりはなくなったという。

 しかし、なんなんだ。女って面倒くさい
 ふつーに、やってたいんだけど。。。。

 こんなこと、結婚に直面しなければ気づかないことだ。 

 晩婚化が進み、キャリアも積めば、自分の名前は学生時代とはまた違った意味で大きな意味を持つ固有名詞。
 30年近くもの間、名乗った姓名は、アイデンティティそのものだ。
 それを法律で強制的に捨てろだなんて、個人の尊厳を剥奪しているのと同じだ。

 夫婦別姓に一票!

 日本よ、早く、普通の国になれ!


 

憲法記念日

2006-05-03 23:28:03 | Weblog
 今日は、59回目の憲法記念日だ。

 私は神戸大学時代、護憲派の憲法学者である浦部法穂先生のゼミで学んだ。ゼミでは、どんな意見でもなんでもありの和気藹々とした雰囲気のなか、同期や先輩にも恵まれ、学んだ、というよりは楽しんだ。

 そんなわけで、自由な時間を過ごした憲法ゼミ。先生は、いつも黙って私たちの議論を聞いていて、ゼミの終わりに、一言二言、核心をついた言葉を発して私たちを諭した。

 言葉少なかった先生の教えは、それぞれの解釈で心に残っている。
 
 私の解釈はこうだ。

 憲法は、というか、憲法9条は変えてはならない。

 恒久平和が奇麗事かもしれないが、奇麗事でいいじゃないか。

 理想に向かって努力するのが国家であり、政治であり、行政である。

 政治は、政治のプロがいうような「まぁ、まぁ、まぁ」ができる者だけが担ぎ上げられる世界でいては、いけないのだ。

 世界が平和である、平和に向かって努力する――。これを間違いだという人がいるとすれば、戦争が起こることで利益が出る人だけであろう。
 権力者は、安全な場所に逃げられる。しかし、安全なところにいる権力者が起こす後ろ向きな事態に巻き込まれるのは、いつも、普通に生きている人なのだ。

 私たちジャーナリストも、意見の違いはあろうとも、自分の歩いた現場を直視し、その問題について自分の信念を貫いて強く戦っていくことが使命だ。

 奇麗事だと思われても、私たちが求める理想があるなら、それに向かって努力ししていくしかない。
 こてさきで、逃げ道を作る法改正は、憲法だろうと、労働関係法だろうと、見過ごしてはいけない。

 憲法ゼミだった一員として、なんとなく、一言発しておかなければいけないと思ってしまった。  

スタート

2006-05-03 00:30:45 | Weblog
 先日の読者(大学生の母)からの電話をキッカケに、本の執筆に本気になった。
 今日から少しづつ、原稿を書き始めた。
 雑誌の原稿と違って、当たり前だが、本は、長い・・・。
 だけど、今度こそ、読者のために、ちょっと頑張ってみようと思う。

失敗

2006-05-02 00:32:41 | Weblog
 ブログのコメントをもらって、返事を出してみたら、自分のブログにコメントしていたことに気づいた
 そして、ブログの修正の仕方が分からず、そのままになってしまった。
 まったくネット音痴の私であった。。。

素朴な疑問

2006-05-02 00:25:44 | Weblog
 日記というよりは月記か週記のペース。なかなか、更新できていないのがお恥ずかしい限り。。。

 それはそうと、かなり前から疑問に感じていることがある。

 電車に乗ると、派遣会社の広告がやたら目立つ。それ自体は、不思議なことではない。ただ、「ずっと働くなら派遣」のようなフレーズにおおいに疑問を感じた。ずっと働くなら、正社員じゃないのか?????

 もちろん、出産や子育てで一時キャリアが中断され、その後の働き方として派遣を選ぶとかなら話は分かる。自分の意思でいったん仕事を辞め、ひと段落してからまた働き出したり、昼は時間きっちり働いて夜は勉強したい、など、そういった動機で派遣を選ぶのは、本来の派遣のメリットでもあるし、醍醐味でもある。そういった意味に限っては、「ずっと働くなら派遣」なのだろう。

 ただ、主な派遣労働が3年が上限となった今、少なくても「ずっと」同じ会社で働くとはいえない。

 そして、派遣社員の平均年齢が下がり、企業も新卒採用時点から派遣や契約社員で採っている。

 3年で切られてしまうのに、「ずっと」なのだろうか?

 20歳そこそこで、3年働いたくらいで、「ずっと」企業を渡り歩くことができるキャリアを作れるのだろうか。

 電車に乗って派遣の広告を見るたびに「ホントかよ~!」と思ってしまっている。

 その意味で、人材ビジネス会社のトップインタビューを行う大きな意味がある。
 
 
 いくら正社員採用が増えたからといっても、それは一部のこと。非正規雇用化は進み、その流れは止まらないだろう。

 だったら、派遣業界が健全に成長するために、少なくても大手にはプライドを持ってしかり業界をリードしていって欲しいと願っている。