河童橋からの風景で思う

2020年06月04日 | 写真

写真は昨年の1月に撮影したもの。
冬の上高地はピリっとした冷気に満たされ、人を容易に近付けない威厳がある。
つい最近、河童橋からのライブ配信を見た。最近の度重なる地震の影響か、明神岳の山肌が一部崩落しているのが見える。
自然のこととは言え、崩れた山肌は痛々しい。穂高へ続くルートも恐らく荒れているに違いない。

山好きの小生としては、本来今頃は登山への往復と写真の編集で忙しい時期なのだが、残念ながら自宅で河童橋のライブ配信を見ている。
登山者がいない河童橋の風景を見ながらふと思った。
都会では緊急事態宣言が解除され、再び「密」の状態が戻ってきている。経済活動の再開も大切なことだが、ウィルスとの闘いも手を緩めることはできない。
バランス感覚を持った難しい判断を突き付けられている。
しかし、私達が生きてきた社会は、本当に災害に強い社会作りをしてきたのだろうか。
たまたま災害の少ない時期に運よく廻り合わせただけに過ぎないのではないか。
そんな平和な時期に構築した経済や社会システムなんか、不測の災害には極めて脆弱なのは自明の理であろう。
地震、水害、強風、ウィルスなど人類の生活を脅かす多くの障害を想定して、今一度あらゆるところを点検し、災害に強い社会に作り直す必要があるのでないか。

北アルプスの山群と比較すると人間なんて大河の一滴にしか過ぎない存在だが、目に見えないウィルスで右往左往している人類の姿を山の神はどののように見ているのだろう。
ライブ配信で物言わぬ穂高の姿を見ながら、いま無性に現地で山の神の声を聞いてみたくなった。

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