星降るベランダ

めざせ、アルプスの空気、体内ツェルマット
クロネコチャンは月に~夜空には人の運命の数だけ星がまたたいている

「太陽の箱」

2006-11-24 | 劇空間
兵庫県立芸術文化センター中ホールで、近畿高等学校総合文化祭が開かれている。
ドキドキわくわく感を味わおうと思ったら、高校演劇は最高。
特に生徒脚本の作品は、何が出てくるか、楽しみ。
演技力のつたないものでもそれなりの楽しみ方があって、最後までどう展開するか、はらはらしドキドキしながら観れるのだ。頑張れーってどうしても気合いが入る。

しかし、近畿大会である。地区予選を勝ち抜き、県大会を勝ち抜いて、稽古不足であっても、ここにくるまでに、2回は、大舞台を経験した強者が集まっているのだ。特に今回は、兵庫県立芸術文化センターという、素晴らしいホールの大舞台である。

その大舞台のトップバッターとして、登場したのは、兵庫県立西宮今津高校演劇部の「太陽の箱」。~高校生の枠を超えた華麗な舞台であった。高校3年生の春山昌紀君の作・演出・主演である。

冒頭から、オペラの楽曲にあわせて白塗り・白装束の舞。音楽も舞台装置もいい。中央には赤い太陽、その赤さと紙で作ったと思われる白い衣装のコントラストが相乗効果を上げている。時折、黒子の操る蝶々が舞う。

時は南北朝末期、太陽の箱とは三種の神器を示す。春山君が演じるのは、悩める南朝の帝。偽りの北朝に三種の神器を渡すまいと画策する内侍役の加藤綾香さんはセリフも立ち居振る舞いも宝塚級である。帝が神ではなく人間であり、太陽の箱の中には何も入っていないことになれば、日本の歴史は成り立たない、という立場の、三島由紀夫も登場。最後に春山君は蝶々を愛するヒロヒトさんも演じる。「あ、そう」なのだ。

演劇界での「春山ワールド」の誕生に立ち会った気がする。次は入場料払って見に行きますよ。

近畿大会は次の舞台を準備する幕間に、今演じた部の紹介がある。会場内からの質問に応える楽しい演出である。白塗りの化粧には1時間近くかけたという。とにかくお疲れさ~んでした。素晴らしい舞台だったよー。
ロビーの彼らは最高の笑顔だった。

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