あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: カヤック仲間との宴 @ EL_COYOTE

2010年04月30日 | 旅するロードスター/アテンザ
2010年4月29日(木) 今日の夜は、気の置けないカヤック仲間が集まり、EL_COYOTEさんの工房で久し振りの宴の予定。 いやあ、これは楽しみだ。

ロードスターの屋根を開け、山陽自動車道を一路西へ。 クルマは多いが渋滞はなく、風は強いが晴れのドライブ。
オーディオのスイッチをOFFにして運転に集中し、ライトウエイトスポーツの爽快なオープンドライブを堪能した。
***
宴は夕方からなので、まだ時間はある。 今日は、前から気になっていた場所に行ってみよう!
狭いクネクネ山道を駆け抜けると、展望が開けてきた。 華山である。
いつも、EL_COYOTEさんの工房から見えていた山。 少し靄が掛かっていたのだが、響灘も見える最高の景色。
 
しばし華山からの景色を眺めた後は、重兵衛茶屋へ。
ここでは、名物だと言う『デンガク』と、『重兵衛そば』を注文。 熱々のデンガクは、味噌が最高に美味い。
そばは、細切りにしたジャガイモのかき揚げが、なんとも香ばく、麺も出汁も旨かった。 ごちそうさまでした。
 
お昼ご飯の後は、狗留孫山へ。 駐車場にクルマを停め、キツい山道を登ってお寺にお参り。 これはなかなか良い運動になったなあ。

再びクルマに乗り込み、近くの温泉で汗を流す。  あー、さっぱりした。
***
夕方、約束の時間にEL_COYOTEさんの工房へ。
 
今日は、EL_COYOTEさん、エクストリームNさん、そして私の3人。 ここ数年、年に1、2度ではあるが、この工房に寄せてもらって宴会を楽しんでいる。

この工房の雰囲気がなんとも好もしく、ここで酒を酌み交わし、バカ話や真面目な話をするのが、なんともいえない充実した時間。 この面子が揃うと、ほんと、楽しいお酒が飲めるのである。
 
エクストリームNさん差し入れの、旨い刺身やサラダを食べ、ビールを飲む。 笑っては飲み、語らっては飲む。
久し振りに再会した、古くからのカヤック仲間との楽しい一時。 いやあ、やっぱり最高だ!
***
翌朝、コーヒーを頂きながら、EL_COYOTEさんと、ボニーベイの状況や最近のカヤッカー事情について話す。 私の場合、飲むと一足早く寝てしまうので、宴の翌朝の語らいの一時が、楽しみの一つなのである。

『いやあ、今回も楽しかったです。 ありがとうございました』 ロードスターの屋根を開け、エンジンをかけて、EL_COYOTEさんの家を辞した。
今日は少し涼しく、弱めのヒーターを入れて、空いている高速道路を快適なオープンドライブ。 呉に戻って給油すると、燃費は16.2km/Lであった。 うーん、これはなかなか。

EL_COYOTEさん、エクストリームNさん、本当に楽しい一時をありがとうございました。

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瀬戸内シーカヤック日記: 瀬戸内らしい離島を堪能_上島町、豊島コミュニティセンター

2010年04月25日 | 旅するシーカヤック
2010年4月24日(土) この週末は、お気に入りの上島町にある豊島へ、一泊二日の旅の予定。 上島町でのシーカヤックツーリングでは、いつも生名島のキャンプ場にお世話になっているのだが、今回はカヤック抜きでの旅。

せっかく旅に行くのだから、これまで行った事の無い場所&宿にしたいと思い、地図を眺め、ネットあれこれ探していたところ、豊島コミュニティセンターがうかんできた。

単なる直感だが、なんだかここが良さそうだという野生の感で、早速予約を入れておいたのである。
***
朝、少し早めに家を出て、まずは尾道へと向かう。 前日の雨で空気は澄み、瀬戸内の海の景色を堪能しつつの快適なドライブ。 尾道でのお昼ご飯は、いつもの朱華園で中華そば。

因島では船の時間までたっぷり余裕があるので、お気に入りの展望台へと向かった。
 
今回の旅のお供は、ロードスター。 もちろんオープンドライブである。 そしてもう一つのお供は、二人分の荷物を詰めた、リモワ/RIMOWAのトランクケース。
一泊二日の二人分の荷物がピッタリ入り、ロードスターのトランクにも余裕で収まる、ちょうど良いサイズなのである。
***
 
展望台に上がると、眼下にはいつも漕いでいる上島町のエリアが一望できる。 生名島、岩城島、鶴島、亀島、弓削島などなど。 旅派のシーカヤッカーなら垂涎ものと思われる、箱庭の様な多島美。
うーん、まさにこれぞ瀬戸内、これぞしまなみ。
***
展望台から降りるとフェリーで弓削島に渡り、クルマを駐車場に停めて、船で豊島へ。
 
港で船を降りると、目の前には大きなクルーザー。 そしてその横にはシーカヤック。 なるほど、これがウワサの。。。
 
***
当然ながら、私たちの宿は超高級の方ではないのだが、それでも港には、豊島コミュニティセンターの方が迎えに来ておられ、『どうぞ、このクルマに乗って下さい』と声を掛けていただいた。 なんと送迎付きである。 ありがたいことだ。
部屋に案内されると、そこはオーシャンビュー。 『今日は、他にお客さんはないので貸し切りですよ』との事。

なんとも贅沢な、そして最高のシチュエーション。 荷物を置くと、しばし散策。
 
展望台に上がり、港に降りてみる。 それこそ本当に何もないが、私たちにとってはこれ以上素晴らしい場所はない。
 
この瀬戸内らしい景色、澄んだ空気、そしてゆったりと流れる時間。 これ以上何が要る?
***
夕方6時。 夕食前がちょうど日の入りの時刻となった。 食堂に向かう前に、ちょっと外に出て美しい夕日を眺める。 至福の一時。 
 
食堂に行くと、宿の方が居られた。 『いやあ、夕日がきれいですね。 ほんと、この宿にして本当に良かったですよ』と言うと、『今日は本当にきれいですね。 こんなきれいな夕日、夕焼けは久し振りじゃないですかね』との事。

昨日雨が降ったから空気が澄んで、景色を眺めるにはちょうど良かったのだろう。
 
『でもね、こんな夕日もいいですけど、風が吹いて荒れたら荒れたで、目の前の海が一面白波で覆われて、それはそれでスゴい眺めなんです』 『なるほど。 春夏秋冬、この海は様々な顔を見せてくれて、それぞれが別の意味で魅力的なんでしょうね』
***
食卓に付くと、ズラリと料理が並んでいる。 これはスゴいなあ。 まずはビールで乾杯。
 
目の前には、たっぷりの刺し盛り。 妻の好きなサザエも一人一個付いている。
しばらくすると、刺し盛りとは別に、烏賊刺しが運ばれて来た。 『今日は、良いイカが有ったんで、追加しときました』 『え、ありがとうございます』
 
『あとね、アコウがあったんで、煮付けにしました』 『アコウ! 幻の魚と言われているアコウですか。 食べた事ないんですよね。 うれしいなあ』 『いやあ、ほんと、タイミングが良いですよ。 今日はなんだか、いろいろと準備しておかないとって、朝から予感がしてたんですよね』 『そうですか。 ありがとうございます』

アコウを食べてみると、しっかりと締まった白身は旨味がたっぷり。 『うん、美味い』
 
『天婦羅もありますから』 揚げたてアツアツの天婦羅に塩をパラリと振り、パクリといただく。
『タコはシャブシャブでどうぞ』 『あ、これですか。 これは炊き込みご飯です』 うーん、スゴいボリュームと品揃え。
***
途中からは、若い支配人さんとのお話をしつつ食事を楽しむ。 お話を伺ってみると、その方も海が好きでこの仕事に付かれたのだとか。 しばしお話ししながらビールを飲んだ。

瀬戸内の島々の話、シーカヤックでの海旅の話、ダイビングの話。 日本海の事、太平洋の事、そして瀬戸内の事。
沖縄の旅、屋久島の旅、ミクロネシアの旅。 豊島での生活の話、次世代を担う子供達への文化の伝承や教育の話。
そして、瀬戸内海洋文化の復興、創造そして継承を実践する場としての『旅する櫂伝馬』の事などなど。

ビールを飲みつつお互いの経験や知識を共有化し、焼酎を飲みつつ想いを語る。 気が付くと、午後9時を回っていた。
食事をはじめてから、なんと2時間半。 『いやあ、遅くまでスミマセンでした。 ほんと、おいしかったです。 ごちそうさまでした』

とても食べきれないと思っていたボリュームたっぷりの夕食も、しっかり腹に収まっていた。 そしてこの料理で一泊二日、二人で1万7千円。 なんとリーズナブルな、驚きのプライス!
胃袋も心も、そして肝臓も幸福感に満たされ、快い眠りについた。 『おやすみなさい』
***

翌朝。 少し風は有るが今日も晴れ。 日の出前の朝焼けが妖しい美しさ。
 
7時に起き出し、近くの神社まで散策した。 少し風が冷たいが、空気が凛と引き締まって心地良い朝である。
 
朝8時から朝食をいただく。 おいしい海苔、イカナゴ、干物。 『ごちそうさまでした』
食後はコーヒーをいただきながら、弓削民俗誌を拝見する。 うーん、これは面白い。 次回訪れた時には、じっくりと読ませてもらおう。
***
外から呼ぶ声がするので行ってみると、空を指差して『あそこ。 あの小さい影はハヤブサですよ』との事。
小柄だが機敏な飛翔をする小さな影。 なるほど、あれがハヤブサか。 『あの展望台の上の方に時々居るんですよ。 でも、ハヤブサが飛んでいるのを見るのも久し振りです。 ほんと、運が良いですねえ』
 
部屋に戻り、荷物を片付け、船の時間が近づいたので宿を辞す。 『タケノコ、持って帰りますか?』 『ええ、遠慮なく』
という訳で、お土産までいただいた。
『ほんと、今回はこの宿にして良かったですよ。 景色も料理ももてなしも最高でした』 『また自分の別荘だと思って遊びに来てください』 『ええ、是非また来ますよ』
***
桟橋に降りると、一隻のボートが入って来た。 その船長の後ろ姿に見覚えが。 あれはMさんである。
『Mさーん』と声を掛けると、しばしこちらを眺め、ようやく気づいた様子。 ボートに近付き、しばし会話。 いやあ、最後にMさんにも偶然出会えて良かったなあ。
***
豊島コミュニティセンター。 お世話になりました! これで、お気に入りの上島町に、また一つお気に入りの宿が増えた。
それにしても瀬戸内は、ほんとうに奥が深いなあ。 まだまだ私の知らない素晴らしい場所がたくさん残っているのだろう。
これからも、瀬戸内の『あるくみるきく』を堪能していきたいな。

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瀬戸内シーカヤック日記: 春限定『たけのこ』のおでん_おでんの『あわもり』

2010年04月24日 | Weblog
2010年4月23日 金曜日の夕方、ガラリと引き戸を開けて暖簾を潜る。 店内を見渡すと、まだ早いので数人のお客さん。
目の前に、いつもの常連さんが居られたので、ニコリと挨拶を交わし、『横、いいですか?』 『おお、ええよ』

椅子に座り、『キリン、大瓶で。 あと、皮ください』 『はいよ』

***

20年位前、結婚した当初は家でも瓶ビールだったが、十数年前から酒の安売り店が増え、そして発泡酒が主流になった今では、瓶ビールを家で飲む事が無くなった。 『瓶ビール』を持ち、コップに注ぐ。 久し振りの重みが心地良い。 『トクトクトクトク。 シュワワワワー』

いただきます! 『ゴクリ、ゴクゴク。 プハーッ』 うーん、美味い!

皿に、緩く溶かれたカラシを取る。 『あ、あと一味もらえますか』 『ほい』
『あわもり』名物、おでんの皮にはパラリと塩を振り、カラシをつけて口にいれる。 コラーゲンたっぷりで、独特の歯応えがたまらない。

皮は冷めるとまずくなるので、最初の注文は皮だけと決めている。 これを食べ終わるまでは、次の品は注文しないのが私の流儀。

***

『それにしても今年は変な天気ですね。 暖かくなったり、急に寒くなったり』 『ほんまよ。 この前テレビで言いよったで。 こんな寒いんは、六十数年ぶりじゃと』 『それによう雨が降りますね。 まるで梅雨みたいですよ』
横の常連さんと話しながら、ふとその方の皿を見ると、『たけのこ』が。

『おー、たけのこ、出たんですか!』 『ほうよ、入っとるで』
あわもりでは、春のごく限られた期間だけ、たけのこのおでんが供されるのである。 これが、ここ数年の楽しみの一つ。
そして、いつからいつまでと決まっているわけではないので、月に1~3回程度しか通わない私は、頃合いを見計らうのが難しいのだが、幸運な事にここ数年は、たけのこに会うことができている。 ラッキー!

***

そうこうしているうちに、おばちゃんも店に出て来られた。 いつものように笑顔で『あ、いらっしゃーい』
『今日はタケノコがあるんですね』 『ほうなんよ』 『一つもらえますか』 『先の方と根元の方、どっちがええ?』 『じゃあ、先の方を』

美味そうなタケノコのおでん。 溶きガラシに少し醤油を垂らして一口。 サクリとした歯応えと、独特の香ばしい味。
『いやあ、おいしいなあ。 これを食べると、春が来たって感じですよ』

『スジもらえますか。 脂スジを』 『こんにゃく下さい』 『お、ロールキャベツ、復活したんですか。 一つ下さい』

おばちゃんは、私の横の常連さんを見て、『あ、大瓶飲んどるね。 珍しい。 風呂にでも入ってきたん?』 『そうよ。 風呂上がりのビールは美味いわ』 『実はわしも銭湯に入ってきたんですよ。 地元の銭湯でサッパリしてからきました』と私。

『みんなええねえ。 風呂に入ってビールを飲んで。 仕事しよるのは私らだけじゃが』と、おばちゃんは笑う。

おっちゃんと俺は、顔を見合わせてニヤリ。 そしてビールをゴクリ。 

***

ガラリと戸が開く。 見ると、これまた常連さんだ。
『こんにちは』 『おお、久し振りじゃのう。 どうしよったんか』 『いやあ、毎週海に行ったり、旅に出たりで忙しかったんですよ』

すると笑いながら、『他の店に浮気しよったんじゃないんか』 『いやいや。 わしゃあ、酒を飲むいうたら、家か浜か、この”あわもり”だけじゃけん』

『おっちゃんこそ、いろいろええ店に行きよってんじゃないんですか』とニヤリと笑うと、『呉の店か? わしゃあもう当分前に卒業したよ。 いっぱい授業料払うたけどのう』と笑う。

***

『あわもり、大で』 『氷水ももらえますか』 『平天ください』

『たまご一つ』 『あ、もう一回たけのこお願いします』

他愛のない四方山話をつまみに、泡盛を飲み、おいしいおでんを食べて、また泡盛。

店に入ってからちょうど1時間。 そろそろ引き揚げるとするか。 『すみませーん。 いくらですか』 『はーい、串何本?』 カチャカチャと算盤で計算された勘定を払い、『ごちそうさまでした』 『また来てね』

今年も幸運な事に、季節限定の”たけのこ”のおでんを楽しむことができた。 良い週末が始まる予感。

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瀬戸内シーカヤック日記: 一泊二日+車中泊、春の島根半島ツーリング

2010年04月18日 | 旅するシーカヤック
この週末は、久し振りとなる島根半島でのツーリングの予定。 風が吹くと荒れる日本海。 まだまだ天候が不安定なこの時期なので、風と波次第で漕げない可能性もあるが、駄目元で訪れてみることとした。

特急の仕事が入り、金曜日の有給休暇は残念ながらキャンセルとなってしまったが、それでも夕方には家に戻り、ニヤックを積んだアテンザワゴンで山陰へ。
途中でお気に入りの温泉をゆっくりと堪能した後は、再びクルマに乗り込んで夜9時過ぎ、とある海沿いの駐車場にクルマを停め、ビールを飲み、お弁当を食べて車中泊。
***
2010年4月17日(土) 朝目覚めると、今回の目的地である海水浴場へ。
今日は少し北西寄りの風が吹いており、波がある。 うーん、この風だとここからは厳しいかも。 まあ今回は、幸い時間だけはたっぷりと余裕があるので、クルマで移動し、様々な場所の状況を確認しながら出艇場所を探していく。

でも、やはり最初の目的地が一番状況が良さそうである。 お昼ご飯を食べ、風待ちして、タイミングを見計らう。
『うん、いまなら少しは漕げそうだ』

シーカヤックを浜に降ろし、安全装備だけを積み込んで出艇。 ほんとうにきれいな海。 沖縄の海を彷彿とさせるエメラルドブルーの海に漕ぎ出した。
 
湾を出て、お手軽だがお気に入りの岩礁地帯に入ると、そこは波が遮られてまったく静かな世界。
透明度は驚くほど高く、癒しの景色である。
***
今日は残念ながら風が上がってくるばかりなので、早々に浜に戻り、宿泊施設へ。
ここの眺めが、これまた私のお気に入り。

風呂に入って潮抜きをし、少し早めのビールを飲みながら日本海の雄大な景色を堪能する。
 
ここでは、水平線に日が沈んでいく。 時々刻々と色を変えていく夕日を眺めながら、のんびりまったり、贅沢な一時。
***
2010年4月18日(日) 朝起きると、昨日の風は収まり、静かな日本海。
ケータイを取り出し、天気をチェックすると、海は穏やかで波は1mだが、昼からは曇りになり、風も上がる予報。 今日は朝早めに漕ぎ出す事にしようか。

クルマで出艇地に移動し、漁師さんに了解をもらってクルマを停め、スロープから出艇させていただいた。
 
少しだけうねりはあるが、この時期にしては最高に穏やかで絶好のツーリング日和の日本海。 いくつもある洞窟を潜り、穏やかな湾に入って一息いれる。 『いやあ、遠いけどやっぱ来て良かった!』
 
冬の波の壮絶さを感じさせる断崖絶壁や、ぽっかりと浮かぶ小さな島を回り、再び海蝕洞へ。
 
洞窟の奥深くまで漕ぎ入り、シーカヤックがぎりぎり通れる狭くて長い洞窟を漕ぎ抜ける。 最高の一時。
***
洞窟巡りを終えると、場所を変えて半島の北側を漕ぐ。 そうこうしていると、なんだか海の表情が変わってきた。
ほんとうに微妙な変化であり、なんとも説明しにくいのだが、風が上がってくる気配が漂っている。
チキンな私は、常に海の顔色を窺いながら海を漕がせていただいている。 そして海の微妙な顔色の変化を感じる事が、私にとって最大の安全対策だと信じている。

今日は、1時間半のツーリング。 きれいな海と、洞窟巡りをたっぷりと堪能した。
シーカヤックをスロープに揚げると、漁師さん達との会話を楽しむ。
 
『この網で何が獲れたんですか』 『ヒラメよ。 この水槽に入っているよ』 『へえ、大きいですね』 『なーにが、こんなんは小さい方よ。 大きいのは座布団くらいあるわ』

『カジメを採って帰ったらどうや。 あっちの方にあるで。 小さく刻んで味噌汁に入れたら、とろとろの粘りが出て美味いわい』

『ここらじゃ、ウミウシも食べる。 採ったら開いて、ウミウシが出すムラサキ色の汁を全部出して持って帰る』 『食べたら美味いで。 大阪辺りの人は、珍味じゃいうて買いにくる人もあるくらいよ』

片付けていると、次第に風が強くなってきた。 空には雲も広がり、遠くの景色は霞んでいる。 『いやあ、本当にピンポイントで最高の時間に漕いだなあ!』
その後もいろいろとお話を伺うと、今年は荒れて波が高い日が多いらしい。 今回は、運良く二日とも漕ぐことができて良かったなあ。 今年、16、17日目の海旅は島根半島となった。
瀬戸内とは違う海の色と波、そして雄大な景色。 毎年漕ぎに来る島根半島だが、何度来ても飽きることはない。 天候が安定する季節になったら、再び漕ぎに来よう!

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瀬戸内シーカヤック日記: 快晴の日帰りツーリング_横島&黒島

2010年04月10日 | 旅するシーカヤック
2010年4月10日(土) 昨夜は、出張を終えて家に戻ったのが深夜24時。 さすがに朝目覚めると、少し疲れが残っていた。
いつもより少し遅めに起き出し、朝食を摂りながら天気予報をチェックすると、今晩は雨が降る予報。

妻とのドライブ旅行や『旅する櫂伝馬』の打ち合わせなどで、ここ2週ほどキャンプツーリングに出ることができていないのだが、この天気じゃキャンプを楽しめそうもない。 今週末もゆっくりと過ごす事にして、キャンプツーリングは別の機会にしよう。
***
とは言え、空を見上げると、曇りではあるが晴れそうな感じである。 ちょっと日帰りツーリングにでも行ってくるかな!

そそくさと着替え、ニヤックをカートップ。 『ちょっと漕いでくるよ』 『はい、気をつけて』
海沿いに住んでいるシーカヤッカーにとって、日帰りツーリングなんて朝の気分と天気で決めるような気軽な海のお散歩。 実際、どこを漕ぐかさえも、出発直前に決める事がほとんどなのだ。

今日は、どこに行くかさえも決めずに家を出てきた。 海沿いにクルマを走らせ、実際の風や波の状態を確認しながら、ツーリングコースを考える。 『うん、久し振りにあそこに行ってみようか』
***
出艇地に到着。 風もなく、まだ薄曇りではあるが穏やかな春の海。 家から持ってきたお茶と、途中で買い込んだお弁当、そして安全装備を準備して出発。
 
***
まずは、横島へと向かう。 このルートは距離こそ短いものの、本船航路を横断する事になり、潮が複雑で、また風が吹くと荒れるエリアなので、今日の様にコンディションが良い日でないとなかなか気が向かない。

ただ、小さな島や岩が点在し、景色が良くて静かな場所なので、日帰りツーリングが主だった昔は、よく通ったお気に入りのエリアである。
 
だんだん島が近付いてくると、タイミング良く青空が広がってきた。 『いやあ、懐かしい景色やなあ。 やっぱここの海は最高や』
 
まるで箱庭の様な景色を堪能し、小さな浜に上陸した。
***
日が射すと温かく、ジンワリと汗ばむほどの陽気である。 気持ち良い。
誰もいない静かな浜に座ってお茶を飲み、お弁当を開く。 晴れた空と穏やかな春の海。 空にはトンビが舞い、海では魚が跳ねる。

瀬戸内らしい絶景を眺めながらの昼食は、たとえそれがコンビニ弁当であったとしても、とても贅沢な食事に感じられるものだ。
 
静かなプライベートビーチで、のんびりまったり過ごすと、再びカヤックに乗り込み、黒島へ。
***
途中にあるお気に入りの干出し浜にシーカヤックを引き揚げ、しばし休憩。
 
ゆったりとした瀬戸内時間を堪能して、出発した浜に戻ってきた。 今年15日目となる今日の海は、漕ぎと休憩を合わせて、ほぼ3時間のお散歩ツーリングであった。

『ああ、ほんまに気持ち良かった。 久し振りにここに漕ぎにきて正解だったなあ』
こんな素敵なエリアがほんの身近にあるなんて、ほんとうにシーカヤッカー冥利に尽きる。 瀬戸内最高! 

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瀬戸内シーカヤック日記: 花見三昧

2010年04月03日 | 旅するシーカヤック
2010年4月2日。 金曜日の夕方、お酒と弁当を持って、近くの公園へ。
この公園は、子供の頃によく遊んでいた、懐かしい場所の一つ。 うちでは、ここでのお花見が毎年恒例となっている。

他の花見客はだれも居らずひっそりと静かな場所。 今日は少し風はあるが、花は見頃で、少し高台にあるので見晴らしも良い。
 
花を愛でつつ、弁当を食べ、ビールを飲む。 ビールの後は、ストームクッカーを取り出してお湯を沸かし、焼酎のお湯割りで中から温める。
 
ああ、今年もここで静かにお花見を楽しむことができた。 なかなか良い春じゃないか!

***

2010年4月4日(土) 朝起きると、まずは天気予報を確認。 次第に風が強くなるようだが、晴れの予報。
朝食を食べると、早速着替えてシーカヤックをカートップ。 今日は、朝が勝負である。

家から30分ちょっとで、出艇予定地に到着。 予報通り、西寄りの風が吹いているが、まだまだ大丈夫だ。
 
風が上がりそうな雰囲気から、今日はあまり長時間漕げそうもないと判断し、お昼ご飯はクルマに残したまま、安全装備とテルモスに詰めた熱い紅茶のみを持って漕ぎ出した。
 
岬を回ると風裏で穏やかな春の海。 所々に咲く桜を楽しみながら、静かに漕ぎ進む。
 
誰もいない静かな海でのお花見ツーリングも、それはそれで乙なもの。
身近だが、普段は余り漕がないエリアでのお散歩ツーリングを楽しみ、浜へと戻る。

岬を越えると向い風。 出たときよりも、明らかに風が強くなっている。 この風裏エリアを選んだのは正解だったなあ。
今日は1時間ちょっとと短いお散歩ツーリングではあったが、春の海を堪能することができた。 これで今年は14日目。

さあ、明日は『旅する櫂伝馬』の打ち合わせ。 楽しみだ!

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