太極の家

太極拳から入る、東アジア精神文化の探求

鄒氏の形意拳

2014-04-29 17:54:41 | 太極
形意拳を見せた時だけは、なぜか余り笑われなかったのである。 それで、いくつかの点で指導を受けたが、跟歩のタターンというリズムと明るい響きが、深く印象に残っている。 驚いたのは鄒氏の劈拳で、かかってゆくと、こちらの手が触れる前に飛ばされてしまうのであった。 これも、やはり五祖門の whip punch のお陰である由。 鄒氏が形意拳も出来ることは、知らない人が多いとのことであった。
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鄒長泉氏の見性

2014-04-29 17:39:27 | 太極
鄒氏が、仲間数名と一緒にタイの僧院を訪ねたときの話。 指導者は、高名な老僧で、一日中いわゆる体育館坐りでじっとしているのだが、そこへ質問者が行列を作っている。 質問者には、政治家なども多かった由である。 修行方法は日本の僧堂と似ていて、坐禅と経行を繰り返すのである。 鄒氏の仲間は、鄒氏の言によれば知識が災いして、余り真剣に取り組まなかったが、鄒氏は言われたとおり夜も寝ずにやったので、そのお陰で、ある体験をした。 指導者に確認を求めると、証明してくれたとのことである。 外国人を積極的に受け入れている僧院なので、通訳はいたはずであるが、指導者自身はタイ語以外は話せなかった。 鄒氏もタイ語は解さないのであるが、証明してくれたことは確かに分かったとのことである。
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鄒長泉氏の功夫 (獅子吼と鶴声)

2014-04-27 14:54:28 | ホームページ
鄒氏は最初に獅子吼と鶴声を教えられ、これが何よりも大事だと仰るので、てっきり黄氏太極のメニューの一部かと思ったのである。 石堂先生もまた、そのように思っておられたらしい。 その後大分たってから、獅子吼は五祖門白鶴の基本で、鶴声も黄氏とは異なる白鶴に由来するものだと知った。 

獅子吼は、両手の強烈なバイブレーションに激しい呼吸と、内臓の上下動が伴うので、一見したところ、内家拳らしからぬように見えるのであるが、鄒氏に言わせると、これが内家拳の起源であり、この方法のお陰で大いに得るところがあったとのことである。

一方、鶴声は、喉からの発声と共に両掌を揚げ、発声の続く間は両掌が空中に浮かんでいるのだが、つぎに完全に脱力すると、空中に支えられていた両掌が突如ものすごい勢いで落下し、パン!という大きな音と共に両腿を強く打つのである。 つまり、上達して脱力が進むほど、両腿を強く打つので、それだけ痛くなり、あざもひどくなるという寸法である。

これらの練習方法を最初に教えるというのは、全く鄒氏の見識である。 太極拳には、若干失伝した部分があり、それを補うという意味と、信じられないほどの功夫を生み出すという意味もあるかと思われる。
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鄒長泉氏

2014-04-13 20:00:07 | 太極
かつて1994年頃、雑誌「武術」で紹介され、ミスター・チャオとして有名になってしまったが、当時は長権という本名で知られていた。その後、香港の水墨画の師匠のホウ氏から、長泉という雅号を勧められ、以来この雅号を通称として名乗っておられる。

雑誌の報告文(石堂雅禎先生による)では、鄒氏の超人的な功夫に焦点が当てられていたために、一般にはそのような人と思われたのである。実際、上記のホウ氏は、もともと朱天才氏の内弟子だったのであるが、鄒氏が偶然、ホウ氏の経営していた画材店に立ち寄ってからいくばくも無く、黄性賢太極拳に換え流したことからも、鄒氏の功夫が推測されるわけである。

しかし、鄒氏の関心は、仏教による一般の人々の救済にあり、太極拳はそのための一つの入り口と考えておられたのである。 初めて来日された時、太極拳をやるよりも、お経を読んだ方がよいと言われて、意外に思うと同時に、深く感動させられ、そのために今に至るまでお付き合いが続いているのである。

タイの叢林で見性されたときの話は、大変具体的で、印象深いものであった。
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