労働者のこだま(国内政治)

政治・経済問題を扱っています。筆者は主に横井邦彦です。

共産党支持率が半減

2009-03-27 18:46:15 | Weblog
 共同通信社が実施した世論調査によれば、政党支持率は、自民党28.6→29.7、民主党27.4→28.4、公明党4.0→2.7、共産党3.3→1.5、社民党1.2→2.2、国民新党0.6→0.9、支持政党なし32.6→32.1となっている。

 今回の世論調査が重要なのは、西松建設事件の発覚と小沢氏の公設秘書の逮捕・起訴を受けた最初の調査であり、この結果が今後の政治動向を見るうえで重要だからである。

 結果はかなり意外であるとともに、味わい深いものになっている。おそらくこの傾向がもうすぐ行われる総選挙に反映されるものと思われる。(支持政党なし層が現象しているのはすでに政治が総選挙モードに入っていることを意味している。このことは総選挙の時期を聞いている質問に、4月、5月と答えた人が過半数に達していることにも現れている。)

 第1に、自民党であるが、確かに小沢民主党の“敵失”で支持率は増加はしているが、その増加は微増であり、根本的な信頼回復にはなっていないことを示している。これに反して内閣支持率は7ポイント増の23%に達している。この点についてはわれわれが前にいったように、麻生内閣の支持率低下は自民党内の激しい分派闘争の結果であり、小泉純一郎氏のクーデターが失敗して、分派闘争が終息しつつある現状では当然の結果といえよう。(もっとも内閣支持率が自民党の支持率よりかなり下回っているのは、自民党内紛の火種が依然としてくすぶっていることも表している。)

 第2に、これはまったく意外なことだが、民主党の支持率は事件後かえって増えている。これをどのように解釈すべきなのだろうか?おそらく、待ちに待った選挙近しという有権者の意向が強く出ていると考えるべきであろう。だからむしろこの珍現象は、有権者がもうすぐ行われる総選挙をどのようなものとして迎えたいと思っているのかを表している、と読むべきであろう。

 第3に、公明党と共産党の凋落である。最近の公明党は影が薄くなっている(なにを考え、何をやろうとして有権者にとって不鮮明な)のでそれほど意外感はないのだが、共産党にとって事態は深刻だ。

 社民党の支持層が1ポイントも増加しているのは、明らかに、共産党支持者の一部が社民党に流れていることを意味する。

 もちろんこれはいつものことだが、このような結果は社民党がよりよい政党であると人々が見なしたということではない。政党としての社民党はつねに人畜無害、有名無実の党であるがゆえに、共産党支持者の避難場所とされてきたし、今回もそうであろう。

 だから問題は、あくまでも、なぜ共産党の支持者が共産党から離れたのか?なのである。

 このような不可思議な結果が出た理由として考えられるのは、小沢秘書の逮捕の対応しかないのだが、この点からするなら共産党は一貫して小沢氏の金権腐敗体質を批判してきた。

 このような態度はまったく正しい(調査対象者の66%の人も小沢氏は代表を辞任すべきだと考えている)のだが、この事件はそれだけではないはずだ。それはわれわれがこの間、何度もこのブログで指摘しているように、この間の検察の態度は果たして正しいものであったのか?という問題である。

 この問題について、今回の世論調査で、有権者は一つの答えを出したのである。それは共産党のように、単に小沢氏の金権体質を批判するだけで、検察の暴挙を見て見ぬふりをすることは正しくない、という点である。(民主党の支持率が増加したのも同じ理由であろう。)

 共産党が、民主党を攻撃するだけで、検察の捜査(この捜査には、逮捕・拘留という人権上の重大問題も含まれている)については何もいわない、むしろ検察の応援団になっているような感じを与えるのは、いうまでもなく共産党が、ここで民主党をたたいておけば、もうすぐやってくる総選挙で民主党の票が共産党に流れ込んでくるのではないかと、“捕らぬ狸の皮算用”をやっているからだが、有権者はこういう共産党の党利党略優先の態度に嫌気がさしているのである。

 今回の世論調査から共産党が学ぶところがなければ、次回の総選挙で共産党は歴史的な敗北をきっするかも知れない。

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