労働者のこだま(国内政治)

政治・経済問題を扱っています。筆者は主に横井邦彦です。

持続不可能な時代の向こう側

2009-10-18 23:29:41 | Weblog
 40兆円に満たない税収しかないのに、95兆円の予算を組むという“非常識”な国家が存在するというのは一つのサプライズだが、もっと驚いたことには単年度で130兆円もの財政赤字を生みだす国家が存在するということだ。

 しかも、この2ヵ国はGDP世界第2位(この地位はもうすぐ中国に取って代わられる)と第1位の国で、ヨーロッパ諸国も同じように財政赤字に転落しており、東欧諸国のなかには国家の破産がすでに現実のものになりつつある国まで出始めている。

 この世界各国の財政悪化をもたらしているものは、いうまでもなく昨年の世界的な不況の過程で、金融機関の保護や不況対策として財政支出が膨らんでいるからである。

 つまり、昨年の世界的大不況は現在では、それぞれの国家の財政赤字の拡大へと姿を変えつつあるのである。

 もちろんこういった巨額の財政赤字を計上し続けることは、アメリカのガイトナー氏が言うように、持続不可能な事態であり、世界はいわば緊急避難として現在の政策をとったのであった。

 しかし、最近になって明らかになりつつあることは、こういった緊急避難的な財政膨張政策は景気の急速な落ち込みを一時的に緩和をするが、それ以上のものではないということだ。

 したがって世界は、持続不可能な政策をしばらく持続しなければならないという不条理な世界に落ちこんでしまいつつある。

 この先にどのような世界が広がっているのかは、想像にかたくないが、世界にそれを一番最初に見せてくれるのは日本資本主義であろう。

 なぜならこの国の民主党政権は、こういった政策が持続不可能であることをまったく理解しておらず、現在の財政膨張政策を恒常的な政策として行おうとしているからである。

 ある政策が持続不可能であるということは、それを強行して持続すれば、持続できない経済的な強制(弊害)が出てくるということでもあるが、それは日本では世界に先がけて姿を現してくるであろう。  

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