白秋ながや文庫

日々の徒然。

白秋の坂

2013年10月26日 | インポート

青春の登り坂は傾斜が急だ。

たとえ獣道でも迷い道でも

全力で挑めば答えはついてくる。

輝かしい幸運や時には分厚い壁の挫折も

走り去るカタルシスである。

朱夏の坂は王道が開けてきたり、踊り場に佇んだり

それでも坂の上にある雲は流れながらも

白く輝き待っていてくれる。

白秋の坂は下り坂だ。

何処が頂上の雲だったのか

振り返った自分の影の上に

雲はゆうゆうと流れている。

 雨に打たれ、冷え切った体に

風は容赦なく嘲笑する。

ボロボロに傷ついた心と身体でも

奮い発たせて歩くしかない。

つまずいて転げ落ちれば

屍と化す。

ふいに振り返った雲の隙間に天使の梯子がさしていた。

 

 


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