016年07月26日 共同通信の配信です
正社員と手当差、一部違法
有期契約、同一の立場否定
労働条件、初の高裁判断
運輸会社に有期契約で雇用され、滋賀県内の支店で運転手として勤務する池田正彦さ
ん(54)が、正社員との賃金体系の格差は違法として是正を求めた訴訟の控訴審判決
で、大阪高裁(池田光宏裁判長)は26日、正社員との間に格差のある手当の一部に当
たる計77万円の支払いを命じた。労働条件に関し「正社員と同一の地位にある」との
主張は一審に続き退けた。
パートや派遣社員らの待遇改善を目的として2013年に施行された改正労働契約法
は、有期契約者と正社員の労働条件の違いを「業務の内容、責任の程度などの事情を考
慮し、不合理であってはならない」と規定し、この解釈が争点だった。
原告側によると、具体的な賃金体系についての司法判断は、高裁レベルで初めて。政
府が進める「同一労働同一賃金」の議論にも一定の影響を及ぼしそうだ。
池田裁判長はまず、労働条件が正社員と同一かどうかに関し、異動や出向がある正社
員の地位は「社の中核を担う人材として育成される立場にあり、有期契約の社員とは異
なる」と判断。
その上で正社員だけに支給される7種類の手当を検討し「通勤手当」「無事故手当」
「給食手当」など4種類は雇用期間の定めの有無にかかわらず支払うべきだと指摘した
。住宅、家族、皆勤の3種類の手当支給や一時金、退職金、定期昇給は認めなかった。
昨年の一審大津地裁彦根支部判決は通勤手当のみ「不合理」と判断し1万円の支払い
を命令。双方が控訴していた。
会社は浜松市に本社がある「ハマキョウレックス」。判決によると、委託先の従業員
だった池田さんは08年、雇用期間を半年として同社に採用され、以後更新を継続。滋
賀県の支店で配送業務を担う従業員30人のうち、有期契約は9人いたが、正社員と区
別なく同じ出勤表や担当表で管理されていた。
正社員と手当差、一部違法
有期契約、同一の立場否定
労働条件、初の高裁判断
運輸会社に有期契約で雇用され、滋賀県内の支店で運転手として勤務する池田正彦さ
ん(54)が、正社員との賃金体系の格差は違法として是正を求めた訴訟の控訴審判決
で、大阪高裁(池田光宏裁判長)は26日、正社員との間に格差のある手当の一部に当
たる計77万円の支払いを命じた。労働条件に関し「正社員と同一の地位にある」との
主張は一審に続き退けた。
パートや派遣社員らの待遇改善を目的として2013年に施行された改正労働契約法
は、有期契約者と正社員の労働条件の違いを「業務の内容、責任の程度などの事情を考
慮し、不合理であってはならない」と規定し、この解釈が争点だった。
原告側によると、具体的な賃金体系についての司法判断は、高裁レベルで初めて。政
府が進める「同一労働同一賃金」の議論にも一定の影響を及ぼしそうだ。
池田裁判長はまず、労働条件が正社員と同一かどうかに関し、異動や出向がある正社
員の地位は「社の中核を担う人材として育成される立場にあり、有期契約の社員とは異
なる」と判断。
その上で正社員だけに支給される7種類の手当を検討し「通勤手当」「無事故手当」
「給食手当」など4種類は雇用期間の定めの有無にかかわらず支払うべきだと指摘した
。住宅、家族、皆勤の3種類の手当支給や一時金、退職金、定期昇給は認めなかった。
昨年の一審大津地裁彦根支部判決は通勤手当のみ「不合理」と判断し1万円の支払い
を命令。双方が控訴していた。
会社は浜松市に本社がある「ハマキョウレックス」。判決によると、委託先の従業員
だった池田さんは08年、雇用期間を半年として同社に採用され、以後更新を継続。滋
賀県の支店で配送業務を担う従業員30人のうち、有期契約は9人いたが、正社員と区
別なく同じ出勤表や担当表で管理されていた。