夜長姫と耳男

忌野清志郎を愛し、路上生活者支援NPO・TENOHASIの事務局長Sの日記

KI・MA・GU・RE

2010年03月13日 | Weblog
先日、某有名大学の学生さんの社会学実習で、「ホームレス問題に関わる支援者」へのインタビューを受けて、そのまとめと分析結果が送られてきた。

「あなたにとってこの活動は?」と聞かれたので「レジャーです」と、いつもの答えを返してその理由も説明した。
それに対して学生さんたちは「D氏は、自分の生活は変えたくないという姿勢を見せている」という意味の分析をしていた。

うーーん、全然違うんだな。
やっぱり、相手に共感するベースがないと、いくら説明しても伝わらないんだな。

子供の頃から不思議に思っていた。
60年代の末、日本中の学生が「革命」「造反」とか叫んでいて、その世代がやがて社会の中心になったのに、どうしてこの国は変わらないんだろう?

自分が学生になって、いろいろな活動家に出会った。
自分たちだけが正しく、自分たちだけが真の革命のために献身しているのだ、と主張する、ナルシシズムとエリート意識がぷんぷんにおうタイプがたくさんいた。
「ホームレス」問題に関わるようになったときも、「自分だけが苦しんでいる人たちの理解者で、寝食を削って献身しているんだ」と声高に言う人がいた。

そういう人はだいたい長続きしないんだな。
世界を変えるつもりで始めたが、やがて疲れ果てて燃え尽き、
「こんなに頑張っているのに、愚かな大衆は理解しない。報われない」と恨んで、どこかに転向してしまう。

自己満足のためにやっていたのに、自分がその活動に依存していたのに、それに気がつかず、誰かのためにやっているのだと思いこんでいる愚かさ。

そうはなりたくない。
だから、「この活動は自分の楽しみのためにやるレジャーです」と言っている。
それは、動機が自己満足であることを確認し、そこに依存しないように、燃え尽きないようにするための仕掛けだ。
言い換えると、長期的に持続可能な活動を行うための心理的な装置。
自分の生活の中に、きちんと活動を位置づけること。
成功も失敗もきちんと楽しむこと。
おかげさまで、TENOHASI事務局長も5年目になりました。

学生さんにはそういう話をしたつもりだったが、冗談交じりだったのが悪かったのかも知れない。相手に伝える技術がたりないな。

さて、清志郎の新譜が出た!!!!!!
”Baby#1"
21年前に録音されていたんだと!
すごくいい!!!!

中でも、この”KI・MA・GU・RE”はジュリーに提供した曲だそうで、初めて知った。
”気まぐれ Yeah
 笑わせないでよ、ママ
 くすぐらないでネ
 眠れないよ ママ
 まさぐらないでね”

清志郎の毒全開。
CHABOのギターがうねり、金子マリのコーラスがからみつく。
カッコイイゾ=
 



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3 コメント

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少し・・・・ (にぼし)
2010-03-22 11:46:23
唐突で失礼します。

ほんの少し、わかるような気がします。

自分ができる範囲で、本当に些細な些細な寄付活動を
ひっそり何年か続けています。人に聞かれることがあると
「趣味だから」と答えます。
自分が送ったものが役に立つ可能性があると想像するだけで
楽しいのだからこれはわたしの自己満足で趣味だと思うのです。

勝手に共感して書き込んですみません・・・
返信する
その通りだ! (むらまや)
2010-03-23 23:25:20
けんじぃさんの言うこと、よく、わかるよ。

わたしの「活動」も、娘からは「ママの趣味でしょ」と見破られてる。

そう、好きでやってるの。
「なんで こんなことやってるんだろう」
と思ったこともあるし、

どうして世間の人はもっとわかってくれないのか、と思ったことも何度もあるけれど。

自分に関して言えば、好きだから、面白いからやってるんだ、としばらく前に気づいたよ。
返信する
Unknown ()
2010-03-29 21:56:42
私の敬愛する鶴見俊輔が
「善人が一番怖い。自分が正しいと思って盲目的に悪を行う。悪人の方がずっといい。損得を考えるから、悪も限定的だ」という意味のことを書いていた(ような気がする)。
すごくわかります。
何百人・何万人も虐殺するなんて、自分が善人である・自分が正しいと盲目的に思わなくては出来ることではありません。
自分は悪人でありたいと思います。
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