古民家SHIKIORI日記/Homenaje Project

アジア・アフリカ・ヨーロッパ、古民家SHIKIORIを舞台につながる音楽。
コントラバス奏者、松永誠剛のブログ。

寄稿 デビッド・マシューズ「ジャズとは何か?」

2014-10-06 19:01:43 | Weblog
今年から始まった宜野座村の国際交流音楽祭、
第一回はMJQの御大デビッド・マシューズを迎え、コンサートを開催。
その後、アンダーシュ・ヤーミーンAd Lucem、
南アフリカのカイル・シェパード、イスラエルのヤロン・ヘルマン・トリオ、
そしてアルメニアが生んだ神童、ティグラン・ハマシアンと世界各国から、幅広い世代のミュージシャンがコンサートを行い、
沖縄の小さな村が日本・アジアの音楽シーンの中で一つの文化拠点になろうとしている。

そんな中、デビッド・マシューズがカイルの音楽に対して、そしてジャズについて温かい文章を送ってくれたので、ご紹介したい。



What Is Jazz?

「ジャズとは何か?」

「カイル・シェパードの音楽はジャズではない」そんな言葉を聞いた。
そんな言葉を言う人々に私は聞きたい、「ジャズとは何か?」
この質問に答えられる人は誰も居ないと強く感じる。

私が初めて「これはジャズではない」という言葉を聞いたのは高校生の時だ。
そして、多くの人が「これはジャズではない」言ったレコードはマイルス・デイビスとギル・エバンスによる「Quiet Nights」だった。
その当時、ジャズを愛する友人たちとこの作品がジャズなのか、ジャズではないのかという議論を数ヶ月間続けた、そして辿り着いた結論は「この音楽がジャズかどうかは分からないが、美しい音楽だ」という答えだ。

年齢を重ね、音楽と共に経験を重ねた私にとって、
音楽の「銘柄」について話をする時間はない。
そしてそれは意味のないことだ、
世の中には感動する音楽か感動しない音楽か、しかない。

カイルの音楽がジャズかどうかは分からない、
確かなことは音楽に真摯に向き合っているクリエイティブな音楽家が生み出しているグルーヴィーで深い即興演奏という事だ。
もし、これがジャズではないのなら、僕はもう一度聞きたい。

「ジャズとは何か?」


デビッド・マシューズ

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