昨日(12月8日)も米国株は高値を更新、ダウは大統領選挙以降13回目の高値を更新した。
USA TODAyに5 reasons why stocks are in melt-up modeという記事が出ていた。
Melt upは「相場に乗り遅れることを恐れる投資家が買いに入り相場を押し上げる」現象を表す相場用語だ。
同紙によるとMoonshot(月ロケットの打ち上げ。「壮大な挑戦」という意味がある)と呼ぼうが、トランプラリーと呼ぼうがメルトアップ相場は現実だという。
同紙がメルトアップ相場になっているという5つの理由は次のよおりだ。
- ベンチマークとパフォーマンスを競っているファンドマネージャーが相場に乗り遅れまいと株を買っている。
- 国債売りで長期金利が上昇していた(10年債利回りは7月の1.32%から1%上昇)が、12月に入って上昇に歯止めがかかった。長期金利の上昇は借り入れコストを上昇させるので、株価のマイナス要因だが、金利の過度の上昇懸念が弱まった。
- 大量の資金が債券投信から株式投信に流入している。
- トランプ効果。ビジネスフレンドリーな政策やインフラ投資増加予想から、UPSや鉄道株が高値を更新している。
- 物流株の上昇は「株の買いシグナル」という相場格言がある。
まさに買いが買いを呼び相場を押し上げているのが、大統領選挙以降の米国株相場だ。そして円安効果もあり日本株にも上昇のはずみがついている。
株価の上昇および上昇機運は財布の紐を緩めるので、良いことづくめなのだが、バリュエーションの急上昇はコレクション(株価の急激な調整)を起こす可能性が高い。
Melt upを解説しているFT.com/Lexiconは Gains caused by melt ups are usually followed quite quickly by melt downs.と結んでいた。
「メルトアップ相場の儲けの後には通常急速なメルトダウンが起きる」
相場に携わっている人なら誰しも知っていることだが、「自分はメルトダウンの前に売り抜くことができる」と信じているから、メルトアップ相場に乗るのである。かく言う私もメルトアップ相場に乗っているのだが。
ただしポートフォリオの半分程度は自動的にリバランスするファンドに資金を置いている。これは株価が当初設定した時価割合を越えたら自動的に当初の時価割合まで株を売却し債券を購入するファンドだ。
欲はほどほどが良いと私は考えているのだが・・・