さて、先日江津湖で、水中カメラを用いてとある調査を行っていました。
調査の終わり際に、お散歩中だった方が声をかけて下さったので、調査を終えて、一緒に川の生き物を観察しました。
気づけばお散歩中の方が次々と足を止めて下さり、小さな観察会のようになっていました。
今回は、そのときに観察した生き物の写真を載せます。
↑川の中の様子です。砂地に、こぶし大くらいの石からやや大きな石、また小さな石がありますね。石にはちょっとした藻類なども付いています。
↑さて、観察を始めて最初に獲れたのは、
ヨシノボリの仲間です。
この個体は、繁殖期に出る"婚姻色(こんいんしょく)"が鮮やかに出ていました。背びれに青と黄色が見えますよね。
手に載せてしまうと非常にわかりにくいですが、水中で撮ったものにはまともな写真がありませんでした…そこで2月末に撮ってtwitterでつぶやいた写真を流用します。
↑これがその写真。2月末にtwitterにはアップしたものです。このように、背びれの先は伸び、それぞれのひれが鮮やかな色で縁取られます。場所にはよりますが、川をのぞくとけっこういるので、川底や石の表面などをじっくり見て探してみて下さい。
↑腹側も見てみましょう。腹びれに注目です。次に腹びれを拡大した写真を載せます。
↑これです!以前お話ししたように、多くの魚の腹びれは左右1つずつですが、ヨシノボリの仲間では丸い1つのひれになっています。これが吸盤のようになっていて、石などにくっつくことができるんです。詳しくは(それほど詳しくないですが)、過去の記事"
突如始まった魚の観察会♪"をご覧ください。
このあと、タカハヤやカワムツが獲れました。そしてその次に獲れたのが……
↑
オヤニラミです。全長10cmちょっとくらいの個体でした。在来種の肉食魚で、一生を淡水域のみですごす魚です。
セイジャンババやヨツメなどとも呼ばれています。このように、多くの魚には、図鑑などに正式名(標準和名)として載る名前以外にも、いろいろな呼び方があります。そちらの名前の方がよく知られていることもあり、日本の人たちの魚とのつながりの強さ(?)を感じます。
さて、オヤニラミという名前の由来はというと…とこれはちょっと長くなる(というか図を作るのがちょっとめんどくさい…)ので次の機会に(または後日加筆します)。
ちなみに、江津湖のオヤニラミは、もともと人の手で日本の他の場所から持ち込まれたものだったかと(分布の南限より南??)……
環境省カテゴリーでは絶滅危惧IB類、熊本県では絶滅危惧II類に指定されています。
↑と、魚はこんな感じでした。いくつか割愛していますがご了承ください。さてお次は魚以外の生き物たち。
川の中にはたくさんの…てこのフレーズ何度使ったことか……笑
ちょっと長くなってきたので、あとはサラっと流します。
↑
サイゴクコツブムシです。ダンゴムシみたいに丸まります。
海に住んでいる生き物の仲間ですが、この種はここ湧水の淡水域で見つけることができます。
湧水環境は栄養が乏しく………ナベブタムシが………これも長くなるのでやめときます。直接お尋ねください(笑)
↑このブログではそろそろおなじみ(?)の
ヒゲナガカワトビケラの幼虫です。
糸を吐き出し、その糸を使って大きな石に小石(大きめの砂利も)をくっつけ隠れ家にするだけでなく、石と石の間に網も張ります。その網に引っかかった食べ物を食べます。川の流れに耐えられるだけの網であることからも、この糸が強力なものであるとわかります。
その網の様子は、過去の記事"
久々の餌釣り"をご覧ください。
↑こちらは、
グマガトビケラの仲間(グマガトビケラでOK??)です。
こちらは、ヒゲナガと違って、まるでミノムシのような巣を小石をつなげて作り、それを身にまとって生活します。
↑
コオニヤンマのヤゴ、つまり幼虫です。まるで落ち葉のような形。
薄っぺらい体をしていますが、触ると実はけっこう硬いです。
↑全部でこんな感じでした。小一時間の即席観察会でしたが、前回以上に盛り上がりました。毎度ご好評いただきありがとうございます。
それでは、水中カメラで撮影した動画の中からキャプチャーした画像をいくつか載せます。
↑オオカナダモの陰に流下してきた
オイカワ。実はここ、流れがけっこう早くて、オオカナダモがぐわんぐわん動いていて、動きの激しい映像でした(笑)
↑右と真ん中あたりにいる、体に黄色い斑紋があるのは…そう、
アユです。
そして、左側に見える、体の中央に黒い線の入った魚が
カワムツです。いろいろいます。
以上、調査後即席で行った観察会、オヤニラミも出ていつも以上に盛り上がり、楽しい小観察会となりました。
最終的には5名の方が最後まで残ってくださいました。ありがとうございました。
江津湖に行くと毎回観察会を開いているような………笑