徐仙日乗 読書 月別まとめ
5月の読書メーター読んだ本の数:12
読んだページ数:3534
ナイス数:734
人名の世界地図 (文春新書)の
感想ヒトの名前ってのは恐らく社会の成立と共にあったはずで、その考察、記録は膨大な量にのぼり、その中に分け入って、大きな傾向のようなものを紹介している。結びの「人種とか民族、宗教が異なり、それが問題になった時には、名前は先鋭的な意味をもってくる」なる一文に集約されている。印象に残る記述、生まれたばかりの子供には悪い名前をつけて悪霊とかに取り憑かれ無いようにする(西欧以外で多く見られるらしい)。ユダヤ人の苗字には当時の領主から買い取った由来の物がある。続く
読了日:05月22日 著者:
岳飛伝 3 嘶鳴の章の
感想岳飛伝はよしておこう、と思っていた。そりゃ読めば面白いに決まっているし、水滸伝時代からの思い入れを刺激してくれるし。ここまで読んで主人公の岳飛が楊令を継承して軍人として雄飛していくことが予想できる。新しい時代になり水滸伝の子供達が其々の新しい道を歩み始める。南方の開拓なんてのもあるし、放浪の笛吹きとか親達が目を回すような展開も。強大な敵が無いということは、軍人組織もそれなりの在り方が求められるってことなのだろう。
読了日:05月20日 著者:
北方 謙三あの戦争から遠く離れて 私につながる歴史をたどる旅 (文春文庫)の
感想良書にして労作。満州残留孤児でその後帰国を果たした父親のことを娘が描いたノンフィクション。重くて劇的なテーマだが、それだけに距離の取り方が難しいと推測できた。父親に聞く娘、娘に話す父親って関係だけでも一筋縄では行かないのが分かる。「人を得た」ことによってこういう貴重な記録が残されたってことは言える。全編金持ちも都会も全く出てこない。逞しい草の根の記録、記憶が抑制された筆致で淡々とつづられている。例えばチャイナ・文革の記録とか少し前の旧満州の田舎の描写とかが印象に残った。どちらも庶民目線からの物。
読了日:05月20日 著者:
城戸 久枝帝都物語〈9 喪神篇〉 (カドカワノベルズ)の
感想執筆は昭和の後期。昭和天皇がかなりヤバイ方法で長寿を保っているって設定が面白いというか酷い。世紀の変わり目辺りで践祚、遷都が実行され「東京」は捨てられるって芳ばしい計画が権力者の側からチラリホラリ。この小説は各巻書下ろしなので、途中で崩御があったらどうするつもりだったのだろう。結果としては昭和の内に完結したのだが、その二年後に昭和は終わる。色々と想像を刺激する話ではないか。
読了日:05月14日 著者:
荒俣 宏帝都物語〈8 未来宮篇〉 (角川文庫)の
感想とうとう執筆当時を追い越してしまったみたい。今読むと、想定された時代すら昔になってしまい、しかも近未来というか近い将来なので、執筆当時の歴史を確認・思い出しながら読み進めるという屈折した読書となった。オマケに通俗的に言うと「内輪受け」のノリもかなりあり、屈折は更に角度が大きくなる。帝都を滅ぼそうって話なので、終末感が漂うわけで、例の「ノストラダムスの大予言」も入っていたのだろう。ネタバレだが三島の将門の夢の対決もさることながら、東京がスラム化する設定と理由がユニーク。作者の好きそうなテイストに脱帽。続く
読了日:05月09日 著者:
荒俣 宏岳飛伝 2 飛流の章の
感想図書館本。三巻も借りたが4以降は他人様に貸出中。取り敢えずガシガシ読み進める。
読了日:05月09日 著者:
北方 謙三岳飛伝 1 三霊の章の
感想図書館本、図書館にて。コメントはある程度まとまってから。最後まて行くかも分からないし。
読了日:05月09日 著者:
北方 謙三リング・リング・リング―女子プロレス純情物語の
感想図書館本。70年代後半から90年位までの つかこうへいの勢い・ブームをリアルタイムでに見てきた世代なので、懐かしさは当然としても、破壊力のある言葉遣いを改めて確認出来た。芝居側だった人間としては「小劇場の雰囲気」が心地良い。映画、小説よりやはり劇場で鑑賞するべきって気がする。本作は多分、当時全盛の女子プロレスラー長与千種とのタイアップの様な企画から生まれた作品だと思うが(映画を見た様にも思うが感心しなかった)、まぁ酷い描き方は目を覆うばかり。続く
読了日:05月07日 著者:
つか こうへい帝都物語〈7 百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)篇〉 (角川文庫)の
感想三島由紀夫の出番が多い。三島事件がスキャンダラスだっただけに出版当時は大丈夫だったのだろうか。美輪明宏風も出てくるし。十数年しか経っていないのだ。現代だったらアウトかもしれない。あと臆面も無く角川親子が活躍するのも「出版社にヨイショしているww」って感じで反発したのを覚えている。本編の白眉は最強の敵に立ち向かうヒロイン・恵子の悲壮美とグロテスクな描写。こちらもミーハーモードに切り替えてニタニタしながら読み進めた。南方熊楠本を下敷きにして「効き目のありそうな物を総動員」は考えてみれば笑える。続く
読了日:05月05日 著者:
荒俣 宏帝都物語〈6〉不死鳥篇 (カドカワノベルズ)の
感想この巻は終戦後の被占領時代。冒頭で屍解仙・若返り?の術が出てくる。この言葉、小生はゲームで知った。ホラー趣味満載で好みではないが好きな人はそれなりに。東京の各地に建つ銅像(西郷さん・楠木正成とか)が巨大な悪霊を鎮めていたって設定が面白い。日露戦から戦前にかけて銅像が沢山作られ、それが供出とGHQによりあらかた消滅したって経過は初めて知った。ヒロインの住む同潤会江戸川アパートが飯田橋の近くにあったってのも初耳。江戸川区だと思っていて「なんであんな田舎に」って長い間疑問だった。戦前のハイカラの象徴。
読了日:05月02日 著者:
荒俣 宏帝都物語〈5 魔王篇〉 (角川文庫)の
感想この巻は226事件。北一輝が法華経の題目によって霊力を発揮して日本の革命を画する。隠し味で関東大震災以降に建造された「軍艦ビル」群(これ知っていたけれど、誰の本だったか)と謎の海外組織・フリーメイソン?の暗躍が有る。対抗する人物として石原莞爾。法華経繋がりだけどこの人は霊力を持っていない。ここら辺の人選が面白い。寺田寅彦のように理性・合理の人って区分けがあるようだ。
読了日:05月02日 著者:
荒俣 宏ミドリの衝動の
感想いやぁ、面白かった。毎回、楽しみにしております。まぁ「みどりの日」ってのも考えてみれば意味深。「平成」とセットで改称された筈。
読了日:05月01日 著者:
ヒデキング読書メーター