短歌：ウサギ（閏）

赤オニの面を被って野ウサギに豆鉄砲を放つ如月




Hail Sathanas.

短歌：新幹線（閏）

電脳がミューテーションの概念を学び自力で描いた｢さくら｣




Hail Sathanas.

短歌：遠（閏）

根気よく通えど平和そのものな遠野トンネル前の電話機





Hail Sathanas.

短歌：ダム（閏）

早朝に滝畑ダムを通るたびフロントガラスにつく指の跡




Hail[ Sathanas.

短歌：髪（閏）

野球部でずっと伸ばした長髪を丸めて移る株式投資部




Hail Sathanas.

短歌：片（閏）

枝々に淡く煌めく走馬灯東片端の交差点にて





Hail Sathanas.

短歌：前（閏）

黒ずんだホームの淵を直視した昭和末期の相武台前




Hail Sathanas.

短歌：印（閏）

人生初カメラ係のブレブレに印象派だと姪の力説




Hail Sathanas.

短歌：押（閏）

押上で降りると想う将門の結界の穴となりの鬼門




Hail Sathanas.

短歌：胡麻（閏）

病欠の多い次長の献立の７割超が胡麻のカロリー




Hail Sathanas.

短歌：灯台（閏）

誰も居ぬトロント島の灯台を捲く跫音と麦酒の香り




Hail Sathanas.

短歌：鏡（閏）

直らない寝癖に顔を顰めても笑い続ける鏡の自分




Hail Sathanas.

短歌：杖（閏）

税関で止められ泣いた若き日を顧み自作する仕込み杖




Hail Sathanas.

短歌：信（閏）

壁の絵の横の字だけが夢で読めない信濃町ホテルセリーヌ




Hail Sathanas.

短歌：列（閏）

雪のように白い乙女に随行し森で列なす七人ミサキ




Hail Sathanas.