精華よもやま話   佐々木まさひこ議員のつぶやき

京都・精華町会議員佐々木まさひこのローカル日記

教育効果の測り方

2012年03月15日 05時30分00秒 | 各地・分野の動向

 コメントをいただいたので、少し「返信」したい。
 私は、「学習しなくてもいい」「どんな教師でもいい」と言っているわけではない。
 自分自身の経験でも、学校での授業直後に「理解できていない」状況で、直後の試験の結果が悪かったことがある。
 でも、不思議なことに、数ヵ月後、1年後になると、「そういう意味だったのか」「何だ簡単なことだ」と理解が深まることがあった。
 それは、そのことを何度も復習したわけではなく、他の学習、他の理屈、同級生との交流・教え合いなどで「周辺の理解が進む」ことで、解決されたような思いがある。決して1つだけの原因で理解が進んだわけではない。
 その他でも、社会に出てから役に立ったとか、逆に「あの時もう少し真剣に学習しておけば・・・」と反省することも、いろんな方が経験していると思う。
 つまり、教育効果とは中2ならその時の定期試験だけで測れるものではない。それは1つの事実として存在するが、「絶対的価値」でも何でもない。しかも、「学校単位」で測る意味があるのだろうか。
 私の在学した中学は、不幸にも?その町の人口急増期と重なり、同級生が14クラス600人ほどいた。5つの小学校から進学で、3年間でも全同級生の顔と名前は一致しなかった。そして不幸にも?定期試験以外に「実力試験」というものもあり、私自身はほぼ100位くらいのところをウロウロしていた。それは「相対的なもの」でもある。
 もし、英語の試験内容が相対的に簡単なものであったなら、英語の得意な生徒は得点が高くなり、全教科の合計点である順位は「上昇」するだけのことである。
 私自身、上位にいる100人を「ライバル」と思ったことはあまりない。当時は、150位くらいまで張り出されたので、だれが上位かもわかる。
 でも、そこにいる同級生はの多くの将来の目標はバラバラであり、あまり自分の目標とダブる生徒はいなかった。その意味では、ライバルではなく、単に同じ時期に同じ中学に通った「同級生」であり、仲もいい仲間だ。
 もちろん、知的好奇心はあったので、理科が得意な生徒から、得意分野のいろんな知識や知恵を聞いたこともある。それはそれで面白いものだ。
 もし、順位だけを競うなら、要するに橋下市長が言うように「競争」をモノサシとするなら、他の生徒と教え合い、他の生徒が賢くなることをするだろうか。
 また、学校全体が試験の成績ねらいとなれば、試験に出ない分野や問題は授業でも軽視され、いわゆる「試験向け授業」「試験を効率的に解くノウハウ教室」に化してしまう。予備校がそうであるように・・・意味がないとは言わないが、知的好奇心や教養があり人格を高めるということとは必ずしも「一致」しない。

 どうだろうか
 いろんな優秀な学者や経営者がいるが、試験の成績だけで尊敬できるだろうか。もちろん、知的レベルと人格的レベル双方が高い方もいるだろう。そうでない方もいる。
 その人格の形成は、学校だけではなく、人とのかかわり、社会経験などを通して形成されるものだ。ただ、それをどのように形成するのか、人とのかかわりをどのように持ち、良い意味での「関係作り」の基礎が培われるのが、学校の時代でもある。

 要するに、私が言いたいのは、

 教育効果は短期的な理解力だけで正確に測れるものではないこと

 国際競争に勝ち抜く(=橋下市長の教育目標である)人の養成という単一目標が、学校の教育目標ではないということ

 である。

 もちろん、教師以外の政治の責任として、施設整備など教育環境の整備は大切なことでもあるので、私たちもたえず提言や指摘をしている。その意味では、教育に責任を負う立場でもある。また、各家庭や地域もそれぞれの役割があり、それらの相乗効果の結果が、本当の「その地域の教育力」である。ただ、数値的に測定・比較するのは困難かもしれないが・・


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3 コメント

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理想論は結構だが・・・ (一市民より)
2012-03-15 08:00:24
理想論は結構だが、橋下首長が誕生するまで、その理想論で大阪教育委員会は進んできて、惨憺たる有様となっていたという現状認識が欠如しているのではないでしょうか。
また、町議という公職に就く佐々木氏であれば、テレビ、新聞で見聞きしたことだけで、早計に判断せず、多面的な情報を収集してコメントすべきでは。
是非、橋下市長の知事時代のコメントを読むことをお勧めいたします。
http://www.pref.osaka.jp/koho/chiji/221228_kyouiku.html
時代に合わせるべき (事業者)
2012-03-15 11:31:10
現在、あらゆるもの、環境が、明らかにスピードを求めている。
こどもを取り巻く環境もちがう。夕方、住宅街や公園で遊ぶ小学生を見ますか?自分が子供のころと比べその数はどうでしょうか?
おっしゃることは我々の年代の物差しです。橋下氏云々ではなく、物差しを変えないといけないと思います。
その中で変わらないものもあります。それは教師とは?という事ではないでしょうか?

安全な学校にしてほしいとは思います。施設は子供なら勝手に考え遊びます。
私は、政治の責任か?という意味で正しいかどうかはわかりませんが、優秀な人材を廃すことになる縁故採用、パートタイム教師の不採用をお願いしたい。

勉強をさせ、学力を向上させる教師、これも確かに必要ですが、あえてそうではない”優秀な”教師をこの町に登用してくださるようお願いしたい。
「学テ」は・・ (meisinn)
2012-03-19 20:12:14
けっして「学テ」の成績は、「短期的な理解力」でもありません。
いまどきの「マークシート型即答力」測定であって、「理解」できてるかどうかは問題外。

今までの文科省路線もひどいものだったが、H下路線はもっとひどくなる。
「敵の敵は味方」だろうという安易な考えが、H下支持に繋がっているのだと思うが、

支持層の多くが「学力不足」の人たちだと思う。

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