43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/30(月) 15:13:39 ID:1jzIXaWW
『佐々木さんならだいじょーぶ』
医学的には全く説明のしようがないが最近のキョンからは凄まじいフェロモンが出ているらしい。
らしい、というのも僕はそのフェロモンを感じはしないし、異変も起こらない。
しかしそのフェロモンが厄介なものだ。キョンと半径3メートル以内に存在する人間は男女問わずに絶頂を迎える。
「キョ…ンさぁんんんっ!お、お願いですからぁ…ぁああんっ…あ、あたしと、へいさくふぅっ!閉鎖空間に…イッて…ください…」
ほら、また一人…橘京子もダウンした。橘さんはこれで58回目かな?
藤原さんは耐えているらしい。ただ、目が虚ろになった直後に変な臭いが漂ってくるのは何だろうか。
九曜さんはパンツに手を入れている。ここまでくるともうどうでもいい。
「なあ佐々木、最近こいつら変じゃないか?」
全く、変なのはキミの方だよ…とは言わない。
「さあ?どうしたんだろうね。暑さにでもやられたのではないだろうか。ところでそちらの集団の方はどうだい?」
するとキョンは苦虫を噛み潰したような顔をしてこんな事を言う。
「実は俺以外の4人もこいつらみたいに最近おかしいんだ」
うん、その原因はキミだから。きっと狭い教室かどこかで活動しているんだろう?
なぜ僕がキョンのフェロモンに対して如何なる反応もしないのかというと、やはり中学3年時に過ごした1年間にあるんだろう。家に居るとき以外は常に一緒だった。つまりは抗体みたいなモノが出来ているんだろうと推測する。
「今日なんかハルヒの髪の毛にゴミが付いていたのを取っただけだぜ?それだけで涎垂らされながらビクビクされちゃさすがの俺もショックだ」
「そうか。それは災難だったね」
バタン!
音がした方を振り向くとウェイトレスが震えながら地に伏せていた。今日これで4人目のウェイトレスだ。髪の毛が綺麗な黄緑色をしているけど、床につけると汚れてしまうじゃないか。
「はぁぁぁ…」
キョンは大きな溜め息をつく。
「今日はこれで194人目だな。地球温暖化の問題もなかなか深刻だ」
僕にとってはキミの方が大問題さ。
でも…
みんなキミから絶頂を受けているんだろう?
ちょっとだけジェラシーを感じちゃうよ…
バタン!
先ほどのウェイトレスとは違う床に倒れ伏す少女。
髪は蒼く、手には物々しいナイフが握られていた。