【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫

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佐々木スレ9-289 小ネタ

2007-06-08 | 佐々木×キョン×ハルヒ

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/24(木) 20:31:41 ID:O24zZlp/
俺がこないだ幻視したエンドの一つとしては


30ぐらいの佐々木とハルヒがキョンの墓参りでばったり再会して
そのまんま、高校時代の関係者で年末の忙しい時期に宴会を
するというものだった。


国木田「いやはや、キョンも罪な男だよ。こんな美人を二人、いや
もっと居るかもしれないけど、行かず後家にしちゃうんだからね・・・・」


331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/24(木) 21:30:35 ID:bYLUo7ZR
>>289
似たようなネタを考えてた。

 大型連休に入ったばかりの土曜、私は彼に電話で中学時代によく立ち寄った公園に呼び出された。

「色々考えたが、佐々木、お前の話を受けてもいい。ただし、俺のやり方で、という条件付きなんだが」
 彼が中学時代にそうしていたように公園のベンチに腰を下ろしたままそう口にしたとき、私は自分の耳を疑った。
 橘さんにけしかけられてはみたものの、これまでの彼~キョンの行動からすれば、
 涼宮さんの力を私に移すなどということは考えられなかった。
 正直、嬉しかった。恋人にではないとしても、私を選んでくれたことにはかわりない。
 努めて普段と変わらない態度を取ろうと試みたが、成功していたかどうかはわからない。
 心拍数は普段の二割り増しだった。顔に出ていなければいいが。

 だが、いつになく穏やかで優しい眼をしたキョンの話を聞くにつれ、
 一度は顔に集まった血液が地の底に吸い込まれるのを感じた。
 間違いなく真っ青になっていただろう。
「急性骨髄性白血病だそうだ、俺は」
 晴れ渡った五月の午前の空を見上げてキョンは確かにそう口にした。
 言葉が無かった。いや、それが現実に言われたことだと認識できなかったのかもしれない。
「このところ、嫌に疲れやすくてな。病院にいって検査を受けて、昨日そう伝えられたんだ」
 そこでキョンは私の方を見た。私の好きな瞳に真剣な光を宿して。
 それで私は否応なくそれが事実であることを理解させられた。
 キョンの言葉がどんなニュアンスを含むのか、中学時代から手に取るようにわかっていた。
 昔は誇らしかったそのことが今このときには憎くてならない。
「ハルヒがこのことを知ったら、またぞろ無意識にでも世界改変をおっぱじめるかもしれん。
 ……だから佐々木、万一の時にはお前にハルヒの世界改変を止めてもらいたいんだ」
 キョンはなんでもないようにそう続けた。

「キョン!」
 悲鳴のように私の口から漏れた声に、キョンは困ったような笑みを浮かべた。
「佐々木、頼む。話は最後まで聞いてくれ」
 キョンの手が私の方を包む。キョンはいる、ここにいるとても病気には見えない。そう自分に言い聞かせる。
 キョンの手を感じることで、わずかに脳に血液が戻ってきた。
「俺はハルヒにあいつの力のことを話そうと思うんだ。あいつだってバカじゃない。
 話せばわかってくれる。何だかんだ言って俺はそう信じてる」
 そこでキョンは照れたように頭をかいて表情を改めた。
「だが、あいつだって人間だ。時には思い違いもする、馬鹿なことだってやるだろう。だから」
 ──お前が支えてやってくれ。あいつの友達になって馬鹿なことをしでかそうとしたら止めてやってくれ。

 キョンは真剣な顔でそう言った。
「……なぜ、僕に……?」
 ようやく私はそれだけを口から絞り出した。
「他の奴らじゃダメだしな。それに」
 ──お前ならハルヒの親友になれるし、それはお前にとっても、ハルヒにとってもいいことだと思う。
 キョンはそう口にした。

「いきなり変なことを頼んで悪かったな。悪いが、これから他の奴のところ
 ──ああ、SOS団の面子なんだが──の所を回らなきゃならん」
 ──真っ先にお前の所に来たからな。
 何一つ口に出来ないままの私にそう言い置いて去っていくキョンを私はベンチに根が生えたように見送った。

……ここまで書いて鬱になって没にした。
世界改変しないでハルヒと佐々木が親友として生きる。
最後のセリフだけは考えてある。

「残念ながら、私たちは恋愛という名の精神病には免疫ができてしまったらしいね」