読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

朝井リョウ「ままならないから私とあなた」~便利なことが「大切」だと思う薫と上手くいかないもどかしさを「愛おしい」と思う雪子

2017-09-04 03:05:56 | 
朝井リョウ「ままならないから私とあなた」読み終わりました。




「レンタル世界」と「ままならないから私とあなた」


短編2編だよ^^




どちらの作品も



便利になることがいいの?


・・・と問われる作品でした。




「レンタル世界」では



なんでもレンタルできちゃう世の中になってきた。



ついに!



友達や恋人や家族もレンタルできる時代に




前にテレビでも「レンタル友達」っていうのを


見たことがあって。



友達をレンタルするのってどうなの?


・・って思ったんだけど



「気を遣わずにいろんなことを話せる」



ってレンタルした人の話を聞くと・・


なるほどなぁ~って思えた。



自分の生活圏で


なかなか「友達」って作るのが


難しかったりする。



うっかりしたことを話すと


あとで


どこから漏れるかわからない。



だけど「プロ」にお金を払って


「友達」になってもらえば


そういうことも気にせずに


その時間を楽しめる♪



なんか分からなくもないよなぁ~って。



レンタル友達なら裏切られることもないしね^^





雄太は


会社の先輩の結婚式で


新婦側に友人として出席していた


「ヨウコ」に一目ぼれする。



そして


後日・・


偶然「ヨウコ」に再会




すると


「ヨウコ」は実は


「芽衣」という名前で


新婦とは



「レンタル友達」



なのだという。




新郎側との出席者の数合わせで


レンタルされた


その日だけ



お金で雇われた友達なのだと。




雄太はそのことに違和感を持つ。



その場だけ取り繕って



そんなことをして


何の意味があるのかと。




しかし


芽衣に惹かれている雄太は


芽衣を「レンタル恋人」として雇い



仲良くしてる先輩の家に遊びに行く。




そこにいる



料理上手で



美人の奥さん☆




しかし!



その人は・・


芽衣によれば



レンタル家族だと




信頼していた先輩に



裏切られた気になる雄太




そして・・


先輩の


衝撃の真実を知る!!





真実を悟られたら



生きにくくなる世の中。。




「情」だけでは生きていけない世の中




自分を作って



生き抜いていく!!




友達も家族もレンタルできる時代



いいことなの?



そこまでしないと生きにくい世の中って~(^-^;







「ままならないから私とあなた」



小学生から親友の「雪子」と「薫」




薫は



理数系が得意で



運動は苦手



一方、


雪子は


逆のタイプ



自分が


「必要ない」と判断したものは


省こうとする薫




どんなに苦労しても


回り道でも


努力しようとする雪子




ままならないことに


「便利さ」で片づけようとする薫



ままならないことを


「愛おしく」思う雪子




そんな2人の間に



ささいな「違和感」が募っていく。




薫と雪子が好きなアーティスト



「あんなふうにピアノが弾けたら」


雪子が言っていたことを


薫は


自分が発明したもので実現させようとする




そして・・



その発明で



雪子の願いは叶う?!





しかし・・



雪子が望んでいたのは




そいういことではなかった



好きなアーティストに近づこうと



努力すること☆




それにこそ



意味がある



そう思う雪子





できないことができるようになっていくなんて、

 もちろんワクワクする。


 世の中はどんどん便利になっていくし、


 目標の達成に費やす時間や手間だって大幅に省ける。


 だからといって、これは意味がないから、これは無駄だから、


 とあらゆるものを削ぎ落としていったら、


 そこに残るのは、誰にとっても必要なもの、


 誰にとっても意味があること、それだけだ。


 たったそれだけを身に付けた私たちは、


 確かにあらゆることが無駄なく遂行できるようになっているかもしれないけれど、


 きっと、心も体も同じ形をしている。



 そうなると


 重なりあったところで


 何の発見も


 影響も


 与え合うことができない。



 自分自身では引き起こせない感情の揺らぎに、


 出会うことができない。






そんな雪子の気持ちに共感した



薫は薫なりに



自分の考えで



「雪子のために」と思ったことは間違いないだろう。



だけど


それは


「雪子の求めていたこと」



では



なかった。




そういうこと。




同じ方向を向いているつもりが・・



目は


全く違うものを見ていて。。




その目線は


交わることがない。。



そういうことって


あるんだよね~。




話したところで・・



自分の気持ちが



寸分違わず伝わるなんてことはないわけで。



「どうしてわからないんだろう?」


そう思ったりするけど



それは


初めから


計る物差しが違うから・・



当たり前のことなんだよね~。




相手は自分の思うとおりにならない。



なんていうのは



当たり前のこと。



だって


自分自身だって


自分の思い通りになんていかないんだから。




ままならないこと。



でも



それだから面白いのかもしれないよね




共感はできない相手



でも



その考えに耳を傾けるのも



何かの役に立つかもしれない



それは


反面教師的なことでかもしれないけど














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