昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

恵方詣り

2018-01-05 01:01:08 | 俳句

松陰神社に行ってきた。かーたんとである。家から若林経由で、歩いて行った。
我々はキリスト教徒なので初詣というわけではないが、金がかからない近所の遊覧地と言えば、寺社仏閣しかない。
松陰神社を遊覧地と呼ぶのもどうかと思うが、実のところ、オカブは吉田松陰のことをよく知らない。
松下村塾を開いて幕末の志士を育成したところまでは、かろうじて知っているが、具体的に何をやった人なのかは全く知らない。
ましてや、なんで刑死したかの理由など、知ろうとしたこともない。
まあ、偉い人だったのだろう。
享年30歳とある。
人間30までに名を成すのは大変なことである。
しかし、それでも松陰には興味がない。
松陰神社の神域は清浄だった。
人が賑わって雑然とした雰囲気はあったが、基本、神社のシンプルな清潔感は保たれていた。
学問成就というか、要は受験に受からせてくれ、という絵馬がたくさん捧げられていた。
松陰は学者だったから、学問の神様と見做されているのだろう。
しかし耶蘇教徒の我々からすると、人間が神になるという考えは、どうにも理解できない。
しかし、立ち止まって考えてみれば、キリスト教・ユダヤ教・ムスリムの「神」と日本の「神」とでは、根本的に概念が異なるのかもしれない。
だから、神社が偶像崇拝だのと騒ぎ立てる耶蘇教徒が大人げないのではないか?
昼飯に、なんか食おうということで、世田谷区民会館の食堂が御用始めで営業していたので、覗いてみたら、えらい高い!
敬遠して、世田谷通りを歩いていたら、『東鮨』という店の前に、サービスランチ860円也という看板が掛かっていた。
迷わず入る。
ビールも頼んでご機嫌!
この『東鮨』、ランチにはマジお勧めです。夜も機会があれば来たい。世田谷通りの世田谷駅近辺です。
昼飯を食い終わって、ボロ市通りに出る途中『鶴屋吉信』の店が出ていたので、菱葩(ひしはなびら)を買い求める。
店員は、頑として「葩餅」と言い張るが、この菓子の正しい名称は「菱葩」である。
これは、餅、白味噌、牛蒡、小豆で作られた、京雑煮の具材の菓子である。
初釜をはじめ、正月の茶席には欠かせない。
それから、大場代官屋敷と、世田谷郷土資料館に寄った。
かーたんは興味深そうに展示物をじっくりと観ていた。
世田谷通りの、小さな珈琲屋でお茶を飲み、三軒茶屋経由で帰宅した。
家では、件の「菱葩」でささやかな初釜をやった。
母も高齢で、炉も開いていないし、そもそも、茶室ではなく、ダイニングでの「立礼」だし、釜から柄杓でではなく、電気ポットから茶碗に湯をジャバジャバと注ぐ点前だが、何よりの一服にありついた。
今年は、神社にも詣でたし、こうして初釜もできたし、厄が落とせるであろう。

我が春に松の覆うを恵方かな   素閑

江戸っ子のまんなおしぞと恵方拝   素閑

去る年も目出度きことなし恵方拝   素閑

流し目で恵方詣りの若乙女   素閑

富士の方恵方と信じ走りゆく    素閑

来たる日も恵方恵方で母過ごし   素閑

いずこかにあるや恵方の花尽くし   素閑



また飲んでます!


俳句・短歌ランキング