Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.454:きれいな閉校は可能か?

2012年05月21日 | オープニング
本号より、隔週発行が始まりました。

隔週になったことで少しだけ生活に余裕ができました。その余裕をメルマガ
の面白いネタ探しに活用できればと思っていたのですが、その時間をダラダ
ラと浪費してしまいました。うーん。残念。

さて、今回のオープニングでは、東京女学館大学の閉校問題について取り上
げたいと思います。このニュースはGW中の4月30日に報じられたので前号で
取り上げても良かったのですが、あまり状況が分かっていないのに、個人的
な憶測だけで「あーでもない、こーでもない」と書き綴るのもいかがなもの
かと思い、取り上げるのをためらっていました。しかし、最初の報道から半
月が経過し、色々な方がこの問題をBlog等で取り上げ、それらを読むことで
コガの中でも大分整理できてきたので、少し遅くなりましたが触れさせてい
ただきます。

まず本問題について、かなり深く考察しているのは、常見 陽平 氏の以下の
Blog記事です。

東京女学館大学閉校が物語るもの(4月30日)
東京女学館大学閉校は「権力の暴走」であり「詐欺」である。(4月30日)
東京女学館大学閉校問題のその後 美しい撤退とは?(5月12日)


また、桜美林大学院時代のコガの恩師である高橋先生も、この問題について、
熱く語っています。
東京女学館大学の募集停止に関して思うことを小規模大学応援団員の一員と
して熱く語りました。


東京女学館大学の募集停止について、2チャンネル的視座からではなく、
THINK BIGに人口学的見地からも考えることが必要です。


東京女学館大学の募集停止に関するウエッブ情報は、新聞情報だけを鵜呑み
にした野次馬的発言が多く残念でなりません。


東京女学館大学については、以前本メルマガでも取り上げさせていただいて
おります。
vol.348:卒業成長値を高める『10の底力』~学内FD研修会~

小規模大学ならではのきめの細かい指導、受験難易度は決して高くないもの
の、出口(就職)では優れた成果を出している事等から、コガとしては注目
している大学の一つでした。なので突然の募集停止についてはかなりビック
リしたのが本音のところです。

今回の募集停止の最大の問題は、大学のステークホルダーに対する説明が十
分になされないまま、経営陣側が募集停止に踏み切ってしまった点にあると
コガは考えます。特に最大の関係者である「学生」「保護者」「卒業生」へ
の説明は後手に回っている点は、致命的であったと言えます。

下記は東京女学館大学の学生さんと思われる方のTwitterのつぶやきです。

https://twitter.com/#!/Honmoku9025

「先生たちを見てるのが辛すぎる もう楽しかった学校生活は二度と送れな
いのかな 東京女学館大学が あんな人らがなんで教育のトップにいるわけ?
【5月8日】」

そして、漸く5月12日に開催された保護者や学生を対象とした説明会の記録
もこのtwitter上に生々しく残されています。

「カメラ、署名などしたら処分されるんだって。なんで?北朝鮮なのここ
は?【5月12日】」

「あー完全に戦意喪失してるー時間の無駄な説明会に行く意味がわからなく
なってるよ どしたらいいんだろ【5月10日】」

「なんで今日在校生全員来てくれないの?【5月12日】」

「なんか疲れたな もう嫌だな 誰もわかってくれない どしたらいいかわか
んない 怖い 何かが崩れていくのがわかる これが大人になるってこと? 誰
か助けて いろんなことがいっぺんに来すぎてるよ 解決の見込みもない 人
が信じれない こんなはずじゃなかった 助けて【5月14日】」

そんな厳しい統制をくぐり抜け、説明会の模様の動画をYou TubeにUPしてく
れた方がいらっしゃいました。



また、同説明会での卒業生の方の発言もUPされています。


彼女のつぶやきや、これらの映像から、我々大学人は多くのことを学ばなけ
ればいけないと痛感しました。

現在日本には570を超える私立大学が存在します。日本私立学校振興・共済
事業団の調査によると、そのうち約4割の大学が定員割れ、また赤字の私立
大学法人も4割ほど存在しています。少子化が進行する中、今後募集停止と
なる大学が増加することは間違いありません。「きれいな引き際」というの
は理想論なのかも知れません。しかし、学生や卒業生に対し真摯な姿勢で対
応し、情報を隠さずに公開していくことが、まずは第一歩だと痛感した次第
です。

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