Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.498:豪雪とオーバーアチーブメントのアヤシイカンケイ

2014年02月18日 | オープニング
【本記事は、2014年2月16日発行のメールマガジンバックナンバーです】


<写真は大雪の日の産業能率大学湘南キャンパスのグラウンドです>

首都圏では2週連続で週末大雪に見舞われました。
読者の皆さんは無事でしたでしょうか?

雪を見ると、社会人生活の最初の冬を思い出します。

その冬コガは、山形県の庄内地方で某消費財のセールスを担当し、雪だらけ
の道を毎日200Km近く営業車で走り回っていました。特に庄内から山形に抜
ける「月山越え」ルートは岩壁と道の区別がつかないぐらい真っ白な中を走
らねばならず、いつも身の危険を感じながら営業車に乗っていました。その
頃山形に住む友人に、「だいたい東京の人間はひ弱だ。10センチやちょっと
雪が降っただけで交通網がマヒするなんて考えられない」といったような事
を言われたのを覚えています。私も毎日雪の中営業していたので「うん!そ
の通り」などと納得していました。そして、今でも東京に雪が積もるたびに
その言葉を思い返します。

しかし先週の金曜日に、我がキャンパス伊勢原を襲った吹雪は山形で経験し
た吹雪に匹敵するような凄さでした。それでも大学と駅を結ぶ神奈川中央交
通のバスは止まりませんでした。そして多少の遅れはあったものの小田急も
止まらず運転していました。近所のもつ鍋屋は元気に営業しており、お客さ
んで賑わっていました。2週間連続で大雪に遭遇すると、首都圏の人間であ
ってもそれなりに慣れてくるようです。

しかし慣れるのにも限界があります。120センチという積雪を記録した山梨
県では、ハウスのブドウが全滅。県内至る所で日曜日になっても道路が通行
止めのままだそうです。また東京都でも、奥多摩や檜原村といった山間地は
交通が遮断され孤立状態になり、都が陸上自衛隊に災害派遣要請を行ったよ
うです。これらの地域にお住まいの方のご無事をお祈り申し上げます。

さてさて、来学期のシラバスの作成や後学期の採点も終わり、ようやくひと
段落のはずだったのですが、コガは仕事てんこ盛りの春休みを迎えておりま
す。最大の難題は、3年生対象のキャリア科目の授業内容の設計と教材開発
です。昨年までこの科目を担当していた先生が今年限りで本学を去ることに
なり、来季から科目の責任者を担当することになってしまいました。とある
事情から前年度までのテキスト等は使えず、新規に科目を開発するのに近い
状態です。さらに、この科目が複数の教員で担当することと、大学キャリア
センターの就活支援活動と連携しなくてはならとないことが、教材開発まで
の道のりを難しいものにしています。

この教材開発以外にも「ラーニングコモンズ」に関する調査報告を3月末ま
でにまとめたり、大学の情報システムの整備に関するプロジェクトに巻き込
まれたりと、やることてんこ盛りなのです。何にも悪いことしていない筈な
のにどうしてここまで仕事を抱え込まざるを得ないのだろうと雪の中で嘆き
悲しんでいます。

そんな中、内田樹さんが「アカデミアと親密性」という記事の中で書いてい
たことを思い出しました。

>>>>>>>>>>>>以下引用>>>>>>>>>>>>
教職員のうちの20%は給料分の仕事をしていない。60%は給料分働いている。
20%は給料分以上の仕事をしている。この比率は世界中どこの国のどんな組
織でも変わらない。
その20%のオーバーアチーブメントが組織を「前に進める」駆動力を提供し
ている。
だったら、給料分の仕事をしていない20%を検出して、きびしく考課し、脅
しつけたり、萎縮させたりする時間と手間があるなら、それをオーバーア
チーバーたちに「気分よく働ける環境」を提供することに使う方がよほど合
理的である。
>>>>>>>>>>>>引用終わり>>>>>>>>>>>>

他者から見て、コガが給料分以上働いているのだろうかという点と、もしそ
うだとしても「気分よく働ける環境」を享受しているかという点が気になり
ますが、組織を前に進める駆動力となっていると信じ、3月までガンバルこ
とにします。<文責 コガ>

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