“一人で歩いてきたつもり
だったが
心眼を見聞いてよく観たら
同行二人一人ではなかった
水先案内人がそばを歩いていた“
「オレは自分の力でここまで
やってきたんだぞ、他人に遠
慮する必要なんか何もない」
と、若いときは力んだものだ。
意気盛んなことはよいことだ。
だがよく見たら、一緒に歩い
ていた人がいた。気づかなか
ったのは、無知か、
まわりを気づかうゆとりが
なかったからだ、と考える
ようになったのは、ほんの
この前だ。
その水先案内人がいなかっ
た、間違った道を歩いていた
かもしれない。平凡な道で
はああったが、人並に今日
まで歩いてこられた。
同行二人、それが親であった
か会社であったか神か仏で
あったか。
これからも胸を張って二人で
歩こう。