NPO法人さなぎ達ブログ

横浜市寿地区や近隣地域を中心に社会的生きづらさを抱えている人々を対象としながら活動を行っているNPO法人です。

最期

2010年11月04日 | 日記
今回は、さなぎ達の理事長であり、ポーラのクリニックの院長である山中先生のエッセイをお届けします。






涙ながらに「今まで、カタギの女にこんなに親切にしてもらったことないよ。」と。毎日褥創の処置をナースにしてもらってたHさん76歳が、11月2日「さなぎの家」でなくなった。 
元ホームレス、指が何本もないから稼業では何度もドジをふんだに違いない。 
味付けのりみたいな眉の入れズミ、独特の風貌、CHICAGO BULLSのジャンパー。その道の人にしては優しすぎた。優しすぎるゆえの74歳までの路上生活。
さなぎの活動で、孤独死や無縁社会に入ることはなかった。
木パトから、「さなぎの家」、ポーラのクリニックへと、最期の2年、表の社会とつながった人だ。家では、年下の桜井さんを親の様に慕い、孫のような田中陽介くんを信頼しきっていた。
亡くなる前日の夕方、「先生、お礼言いにきたよ。なんだかもう長くない気がする。」田中陽介・川崎に車椅子に乗せられて挨拶に。ガンもなし、腎不全もなし。特に大きな問題はないがなあ・・・。と思いつつ、気になるので採血。 
翌朝検査結果CRP26!、をみて職員に「来院!」と指示したが、行き違い。本人はなんと!自分で歩いて「さなぎの家」へ。入るなり心肺停止となった。QQ搬送後、市民総合医療センターで死亡確認。
毎日来てた。食堂でたべてた。
どんな過去だったかは分らない。しかし、最期の2年は孤独ではなかった。
「さなぎ」創立10周年、当たり前のようにHさんに寄り添えるチームができたことは誇りに思う。
NHK無縁社会でいろんな解決方法が論議されていたが、ことぶきではもう実践されている。ことぶきはやはり10年先を走っている。
Hさんには「さなぎ葬」を計画している。







「自然死」という選択をすると、自分の死期がわかるそうです。
誰かがいてくれるってこと、人の存在の重みを感じます。

わたしは「さなぎ」の一員になって数ヶ月、まだ寿町のことも勉強中の身です。
このエッセイを読んで、山中先生と「さなぎ」の活動に感銘を受けました。

1日も早く、孤独死や無縁社会という言葉を聞かなくなる社会になりますように。



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特定非営利活動法人「さなぎ達」
〒231-0026 横浜市中区寿町3-9-8
TEL&FAX: 045-228-1055(事務局)
E-mail : sanagitachi@nifty.com



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