中東で起こっていることを考える。
2011-02-16
http://ameblo.jp/toshi-yoshii777/entry-10802328857.html
吉井としみつ氏のブログ転載です
アラブ諸国で起きている一連の政変。
日本は、対岸の火事とみているようではいけません。
チュニジアのデモから、
エジプトの政変、そしてさらに、
このうねりはイラン、イエメンなどにも広がっています。
エジプトに対するアメリカが
ムバラク政権への態度は、
アラブ諸国の親米国家にとって、衝撃が広がっています。
なぜなら、アメリカの中近東へのODA分布をみてみると
1位はイスラエル。
そして2位はエジプトなのです。
いわば、見捨てたかのような印象を与えています。
アメリカの中東政策は、
①イスラエルの安全保障
②石油資源の確保
を主眼にしているといわれています。
この前提の上で、親米的な民主化を主導を考えています。
しかし今回の、エジプトのムバラク政権の崩壊による
国民投票では、事実上の最大与党は、イスラム教を背景とする
ムスリム同胞団も控えており、
エジプトの民主化の方向性がどうなっていくかいまだ不透明です。
ただ、アラブ諸国の「民主化ドミノ」から
2つの流れが生まれるのではないでしょうか。
①反米的な民主化ドミノが広がる場合、
イスラエルとアラブ諸国との戦争が起こりうる。
②今回の政変は、貧困や高い失業率に対する不満が背景にあり、
SNSやツイッターのIT革命とも言われており、
民主化の流れが、アラブ圏を超えて、
中国や北朝鮮への波及も想定されます。
日本としては、どうするべきか。
まず、イスラエルとアラブ諸国との戦争が起こらないように
石油やオイルマネー投資を、日本に呼び込む戦略などで、
アメリカとアラブ圏の仲介をすることが、
大国としての責任ではないでしょうか。
それは、日本を守ることにもつながります。
もし、戦争が起きた場合、アメリカの注意が中東に移り、
その隙に中国・北朝鮮も来るかもしれません。
※もちろん、ロシアへの対応も必要です。
(詳しくは、こちらのブログに↓
○ブレない「外交の軸」の重要性(1)
http://ameblo.jp/toshi-yoshii777/entry-10775309531.html
○ブレない「外交の軸」の重要性(2)
http://ameblo.jp/toshi-yoshii777/entry-10777114305.html )
ただ、いずれにせよ、情報獲得の自由から、
民主化路線が広がることは、これからのトレンドになることは、
ほぼ間違いないと思われます。
現在、アラブ圏で、起こっていることに対する、
日本政府の見解も発表するべきだと思います。
国際世論を日本からつくっていくべきではないでしょうか。
それが、日本を守ることにもなります。
日本としては、民主化トレンドを、
各国の国民の幸福に資する方向で活かしつつ、
日本を守り、国益にかなった、
外交を展開していかなくてはなりませんね!
。