一期一会

日本には四字熟語っていうのがあるんだよ。

そう話して漢字を一生懸命勉強しているアルゼンチンの研修生に教えてあげた一期一会。

人との出会いは一生に一度だからとても貴重で大切な物だよね！

そう話して思い出した開業したての頃。

あの頃僕が1番欲しかった物は仕事。

それまで当たり前の様にあった仕事がない事に仕事の有り難さを思い知らされた6年前。

あれから月日が経って、いろんな人達との出会いがあり、その出会いの度に僕の仕事も少しづつ増えていって。

僕らしく誇りに思える仕事をしたいなんてプライドも少しづつ持てる様になりました。

本当にありがたいなぁと話しながらそう思い、アルゼンチンの研修生の女の子との出会いも一期一会だよねってそう話し、いつも元気いっぱいな彼女が泣いてた日の理由を聞きました。

アルゼンチンのおじさんが肺癌だって連絡がきて、あと1年ぐらいしか生きられないって事がすごく悲しいって話に僕は返す言葉が見つからなくて、慰めの言葉の代わりに一期一会のもう一つの意味を教えてあげました。

それはいつも会っているとても親しい人との時間だって、その人との一つ一つの瞬間は一度きりしかないのだから大切にしなくてはいけないっていう意味。

アルゼンチンに帰ったらおじさんと沢山の大切な瞬間を作ってあげて、それを忘れない様にしてあげる事がきっとおじさんは1番嬉しいんじゃないかな。

そう話して、当たり前なんて物は無いって事に気がつきました。

僕達が当たり前の様に過ごしている毎日は一度きりの貴重な時間。

それは仕事の時だって、プライベートの時だって、新しく出会った人とだって、ずっと前から知っている人とだって同じ事。

当たり前だなんて思わないで、一度しかないその瞬間を大切にして、その瞬間を共有出来る人達に感謝しなくちゃいけないな。

一期一会っていう漢字の意味に、僕はアルゼンチンの研修生に教える事で仕事の事、プライベートの事、いろんな事をもう一度考え直す事が出来ました。