小平だより

月・火・金・土の午前9時〜11時が通常診療 午後は第三金曜のみ4時から6時です。感染症は11時以降の電話予約制です。 

肉の扱い

2010年07月27日 12時17分43秒 | 重要な医療情報
牛・鶏・豚などの生肉の刺身を提供する飲食店が後を絶ちませんが基本的に、東京都内で安全な生肉を出荷している市場は存在しません。全ての生肉食はリスクがあります。現在の法体系では事故が起きるまでは処罰対象にならず、営業優先のために放置される傾向があります。

感染事例の一部は単なる下痢症では終わらず、キャンピロバクターではギランバレー症候群のような麻痺が、病原性大腸菌では脳症や腎障害などの重篤な後遺症を残します。

また、夏場は必ず何名かバーベキューによる重篤な腸炎のお子さんが出ます。生肉を触った箸で取り分けてしまった、夕方薄暗いところで焼き方が不十分な肉片を食べさせた、などちょっとしたミスで重大な結果になります。

とくに牛肉は培養をかけると相当な確率で病原性大腸菌が見つかります。一生ものの障害が残らないか、ヒヤヒヤしながら治療しているのが現実です。

焼肉は美味しいですけど、相当な注意が必要です。



減塩と熱中症

2010年07月20日 10時27分58秒 | 重要な医療情報
連日猛暑が続いています。
当院にも熱中症の方がお見えです。

水を飲ませて休ませれば治る軽症から、不整脈や腎機能低下や脳障害を来す重症までレベルは様々ですが、意識障害や胸部の苦しさ、尿量の減少や異常な着色がある時は、受診してください。

高血圧治療中の方は、減塩を指示してありますが、熱中症の際に水や麦茶などの塩分を全く含まない飲み物だけを大量に飲ませながら汗をかきつづけると塩分不足による危険な脱水が進みます。

高血圧治療中でも市販のイオン飲料は非常用としては使用して構いません。もっとも、高血圧などの循環器疾患を発症しやすい持病をお持ちの方が、こういう無理な環境にさらされること自体が危険ですので、避けた方がいいことは言うまでもありません。

また、例年、赤ちゃんをプールや海水浴の熱いテントに一日寝かせて遊んでいる間に重度脱水で危険な状態で救急病院に運び込まれる例が後を絶ちません。パチンコ屋の駐車場に放置するのと同じくらい無謀な行為です。乳児の体温のコントロール力は脆弱です。

長時間の海水浴・スキー・登山といった乳児にとっては過酷なレジャーは控えるべきです。