コツコツ一直線

好きな作品をアニメ・ジャイキリ・牙狼<GARO>中心に感想レビューしています。

Fate/Zero 第16話 「栄誉の果て」 感想

2012-04-22 03:50:36 | Fate/Zero(2011秋-2012春)

  今回でいよいよランサー陣営との戦いに決着が。1クール目からずっと続いてきたセイバーとランサーの戦い、どんな結末を向かえることになるんでしょうか…?原作でも衝撃的なエピソードでしたが、アニメではランサーの断末魔が加わることで、更にあれなことに…。今回観た人皆がこう思ったことでしょう「切嗣、マジ外道」。


※個別感想追記しましたー。


 今回はセイバー対ライダー陣営の戦いの決着まで描かれていきました。この辺の話は2話ぐらいかけてやるのかなと思いましたが、1話で終了。今回はとにかくランサー陣営が無残に散っていく姿、切嗣とセイバーの会話にご注目を。

 キャスターを討伐した晩、それから。そのまま翌日に進むかと思いきゃ、この晩はまだまだ終わりませんでした。ランサーの帰りを恋焦がれながら待っていたソラウ。ですがソラウは舞弥に襲撃され、令呪を宿した右手を奪われ始末され、捕らえられてしまいます…。舞弥もやっぱり切嗣の補佐ですね…。こうしてランサー陣営の悲劇が始まりました…。

 キャスター討伐に協力し貢献した見返りとして令呪を要求するケイネス。切嗣との戦いで魔術回路を失ったりと散々な目に合わされたケイネスですが、どうにか車椅子で移動できる状態まで回復をしました。もうあそこで終わっていた方がよかったのに…と思ったり。
 璃正は時臣を不利にさせるからか、令呪を渡すことを渋りますが、ケイネスの押しに負け令呪をひとつ与えることに。ですが令呪を渡してその場から去ろうと歩き出した時、璃正はケイネスに拳銃で撃たれて死んでしまいます――。突然の璃正の死…驚きでした。
 ケイネスが璃正を殺したのは、他のマスターに令呪を与えさせないため。そのためにこれまで下に見ていた拳銃を使い殺害を。魔術師としての誇りはもうケイネスから失われてしまったようです…。
 
 そして令呪を得て再びランサーのマスターとして、ランサーに厳しくするケイネス。ランサーの過去を持ちだして侮辱したりと、相変わらずの嫌な奴っぷり。ランサーが忠実なだけに、ケイネスの嫌な部分が際立って見えます…。ただこれがソラウへの愛ゆえにと思うと、寂しい気持ちにもなります。あとここのランサーとケイネスの立ち位置、光の演出が印象に残りました。

 そんな中、やってきたセイバーとアイリ。セイバーはランサーとの決着を今ここでつけようとしていました。夜だと更にエクスカリバーが眩しいです~。
 手の呪いが解けたことでセイバーは本来の力を発揮することが可能になっていましたが、セイバーはランサーとの間にある騎士道精神にのっとり、その力をあえて使わずランサーと戦います。ランサーもそんなセイバーの騎士道精神に共感し、戦うことに喜びを感じているようでした。ここのランサーの喜び顔がなんだか見ていて切なく思えました…。

 ですがその裏では切嗣がソラウを使って、ケイネスと自己強制(ギアス)を使った取引しようとしていて…。切嗣はケイネスに聖杯戦争からの退場を条件に取引をしようとしていました。ケイネスのメリットは今後自分達が切嗣から殺されることはないということ。ケイネスはすぐに話を受け入れ、契約をしてしまいます…。
 そしてケイネスはランサーに令呪を使って自害を命令、ランサーはそれに逆らうことができず槍で自分の心臓を突いてしまいます――。突然の出来事すぎて驚く暇がありませんでした…。ランサーはこの状況を作り出した切嗣への怨嗟を口にしながら消えていきます――


「赦さん…断じて貴様らを赦さんッ!
 名利に憑かれ、騎士の誇りを貶めた亡者ども……
 その夢を我が血で穢すがいい!」


 ここの目から血を出しながらそう叫ぶランサー、凄い迫力でした…。緑川さんの叫びがまた素晴らしかったです。そうして大事にしてきた騎士道精神を踏みにじられた形で、


 ランサー=ディルムッド退場…。


 昔と同じように死に追い込まれてしまったというのがまたやるせないです…。惜しいキャラがまた一人いなくなってしまいました…。

 その直後、ケイネス・ソラウも舞弥に遠くから狙撃されて死亡。


 切嗣には殺せませんが、舞弥なら…。切嗣、外道すぎです。

 こうしてランサー陣営は完全に退場…。

 キャスター陣営に続き聖杯戦争から脱落していきました。ケイネスの性格とランサーの過去的にこの結末は予想はできたものの、やっぱりいたたまれないものがありました。まあこれこそが聖杯戦争なのかもしれませんが…。とにかくランサーの勇姿は忘れません!


 その後、切嗣を問い詰めるセイバー・アイリ。切嗣はアイリ越しにセイバーへ自分の決意について語ります。ですがやっぱりセイバーとは相いれず。セイバーと切嗣の関係はまた悪化していきます…。
 しかもアイリもまた謎の苦しみに襲われて、セイバーも初めてそのことに気づくことに。負の連鎖が続いていく聖杯戦争…これから一体どうなっていくんでしょうか。

 今回は虚淵節炸裂!という感じで、ランサー陣営の不幸・散りっぷりがエグく描かれていて驚かされました。皆の薄幸ぶりに泣ける…。そして切嗣の外道ぶりがまた際立っていて…ランサーのセリフがいつか振りかかってきそうでなんだか怖いです。


 以下個別感想ー。今回アーチャー、ライダー陣営の出番はお休みです。


・衛宮切嗣(セイバー/アーサー王)(アイリ、舞弥)

 今回ランサー陣営の弱点をとことんついて、死まで追い込んだ切嗣。自己強制(ギアス)を使い、ケイネスと契約したかと思えば、その直後パートナーの舞弥に命令して、その契約者を殺すというとんでもない行動に出ました…。制約でケイネスを殺せないとはいえ、この一言は

「悪いがそれはできない契約だ」

 切嗣まさに外道。切嗣のそういう部分が作中を通して一番それを感じるシーンがここだと思います。
 そんな切嗣のやり方に遂にキレるセイバー!

「衛宮切嗣――
 今ようやく貴様を外道と理解した
 道は違えど目指す場所は同じだと、
 そう信じてきた私が愚かだった……」

 セイバーと切嗣、これまで戦い方・考えの相違などから別行動で行動してきた2人。そんな今回、二人の会話が遂に実現することに!アイリを介して話していたので、会話と呼べるかはちょっと謎ですが、セイバーと切嗣がお互いの考えを言い合うシーンが見れてよかったです。

 そしてセイバーは切嗣に何故聖杯を求めるのか問いただそうとするのですが、切嗣の信念は変わらず。


「答えろ切嗣!貴様は妻すらも
 虚言で踊らせてきたのか?
 万能の願望機を求める理由は何だ!?」

「正義で世界は救えない
 そんなものに僕は興味はない」


 セイバーと切嗣、戦場に関しての認識は異なっていました。
 これまで切嗣に対して憤怒していたセイバーですが、この会話で切嗣に憐れみの気持ちを持つように。切嗣にこそ救済が必要なんじゃないかと。セイバーも切嗣がどういう思いを抱いているのか気づき始めます。


「――衛宮切嗣
 かつて貴方が何に裏切られ、
 何に絶望したかは知らない。
 だかその怒りは、嘆きは、
 まぎれもなく正義を求めたものだけが懐くものだ

 切嗣、若き日の本当の貴方は
『正義の味方』になりたかったはずだ
 世界を救う英雄を誰よりも信じて、求め欲していたはずだ
 違うか?」

 
 そんなセイバーの言葉にセイバーを一瞬睨みつける切嗣…。これまでセイバーを無視し続けてきた切嗣でしたが、その言葉を無視することはできなかったようです。
 車に乗り、その場から去ろうとする切嗣。ですがセイバーには切嗣にまだ言うべきことがあり…


「切嗣……解っているのか?
 悪を憎んで悪を為すなら、後に残るのも悪だけだ
 そこから芽吹いた怒りと憎しみが
 また新たな戦いを呼ぶだろう」

「世界の改変、ヒトの魂の変革を、奇跡を以て成し遂げる
 僕がこの冬木で流す血を、人類最後の血にしてみせる

 そのために、たとえ“この世全ての悪”を
 担うことになろうとも――構わないさ

 それで世界が救えるなら、僕は喜んで引き受ける」


 それを分かっていながら世界を救うため“この世全ての悪”も受け入れるという切嗣…。セイバーと切嗣の会話は今後の展開を暗示しているかのようで、なんだかビクビクです。セイバー陣営の戦いの果てには何が待っているのでしょう…。

 また切嗣が去った後、アイリがセイバーの前で倒れてしまい…。話が進むごとに悪化していくアイリの体調…。一体どんな謎が秘められているんでしょうか。

 

・ケイネス(ランサー)(ディルムッド)(ソラウ)

 ここまで割と出番の多く、セイバーとの絡みも多めだったランサー陣営ですが、いよいよ退場してしまう時がきました…。皆自滅して死亡と、ランサー陣営にとって最悪な形での幕引きに…。しかもソラウに至っては死ぬ時のセリフすらないという…。とにかくランサー陣営、切嗣と相性悪すぎです!
 出てきた当初から心配はしていましたが、まさかここまで不幸な終わり方をしてしまうとは…虚淵さん恐るべし。きっと虚淵さんはこの辺生き生きして書いていたんだろうなーとか思ったり。

 ケイネスはもう魔術を捨て拳銃を使って璃正を殺したりと、破滅に向かってまっしぐらすぎて返って清々しさを感じました。魔術が使えないとはいえ、あれは…。まさかここまで落ちてしまうとは…恐ろしいです。アーチボルト家はこれからどうなってしまうのやら。その辺、いつか公式でやって欲しいです。

 ソラウは最期までランサーへの愛を貫き通しますが、舞弥に令呪を宿した腕を取られ壊され、銃で狙撃されて死んでしまうと、最期までやっぱり報われることはなく…。しかも最期の一言もないって…。

 ランサーは前半はケイネスから侮辱されつつも、セイバーと騎士道精神にのっとり戦ったりととても輝いて見えました。セイバーと戦っている時のランサーの爽やかな表情がもう~。この先の展開的に見ていてとても切ない気持ちになりました…。
 ですが後半では、マスターのケイネスから自害を命じられてしまいます…。そしてランサー退場。ランサーが自害するシーンはあっけなさすぎてもう驚く暇がありませんでした。

「聖杯に呪いあれ!その願望に災いあれ!
 いつか地獄の釜に落ちながら、
 このディルムッドの怒りを思いだせ!」


 まさか戦いじゃなくて、マスターに殺されてしまうとは…。ランサーもやっぱりついていませんでした。なんでこうランサーのサーヴァントは皆自殺を強いられてしまうのでしょうか…。
 とにかく聖杯戦争に参戦してから何だかついていないランサー陣営でした…。ランサーももっと波長のあうマスターと組めたら、結果は変わっていたのかなと思ったり。とりあえずランサー陣営、お疲れ様でしたー。


・言峰 綺礼(元アサシンのマスター)(璃正)
・間桐雁夜(バーサーカー)

 前回雁夜を始末するはずだった綺礼。ですが雁夜を治癒して家の前まで送り届けると、逆に雁夜を助けてしまいます。ここの雁夜が妙に気合入れて描かれていて驚きました。
 そんな自分に戸惑いつつも、興奮していることに気づく綺礼…。綺礼は一体雁夜に何を期待しているのか気になります。

 ですがその頃、綺礼の父・璃正が教会でケイネスによって殺されてしまい…。時臣を聖杯戦争に勝ち残させようとしていた璃正、ここで呆気なく退場です。読んでいるときは綺礼が璃正を殺すのかな?とも予想していたので、この展開は意外な感じがしました。
 今はまだ父親が死んだことを知らない綺礼…。次回は綺礼にとって何か転機になりそうな気がします。綺礼はこの先どうなってしまうのでしょうか…?

 
 あと脱落者も出てきたので、今回から最後に書いていこうと思います。死者はこれからどれだけ増えることになるんでしょうか…。いよいよバトルロワイヤル的な展開になってきましたー。

(現時点での死者・脱落者など)

・キャスター陣営(雨生龍之介)(ジル・ド・レイ)
・ランサー 陣営(ケイネス・ソラウ)(ディルムッド)
・アサシン
・言峰璃正


 次回は「第八の契約」アサシン、キャスター、ランサー陣営が退場し、残るは4陣営に。残った陣営はこれからどういう戦略を立てるのでしょうか…?璃正という後ろ盾を失った時臣も動き出しそうで、この後どう出るのか気になります。凛のラストのセリフがもう…。そしてサブタイ~!また父の死を知った綺礼は…?次の山場に向けてまた話は進んでいきます…。ここから更に退場者が出ると思うとガクブルですが、どんな展開が待っているのかとても気になります。

 ではまた次回に!

 



1 コメント

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Unknown (あるるかん)
2012-04-24 01:42:03
ケイネスは同じランサーでもディルムッドではなく、第五次ランサーである、クー・フーリンの触媒を入手できていたらもっと良好な関係だったのではと思います。
クー・フーリンは望みが「強者との戦い」とはっきりしてます。ケイネスが「名高き英雄が人間風情の使い魔に身を落とすにはそれなりの理由があるはず」と思うことから英霊自体には尊意はあるだろうし、また滅私奉公ではないからディルムッドのように勘ぐることもないでしょう。聖杯を求める動機がなくとも、決して無欲ではなく、戦闘そのものに主眼をおいてますしね。

クー・フーリンは英霊なのに人間力がとても高く大器がありますから、ヒステリックで狭量で自尊心の強いケイネスとも大丈夫でしょう。
しかもクー・フーリンは、原初のルーンを学びキャスター適性もあるので、魔術師としてケイネスはそれ相応の敬意をもって遇するかもしれません。本編ではヒステリックで狭量で猜疑心が強い一面ばかり出ていましたが、そういった一面もあったようですから。
クー・フーリンが魔力供給がしっかりしていればディルムッドより強いらしいですから、言峰よりも優秀なケイネスやソラウのほうが本編のクー・フーリンよりずっと強いだろうし、アルトリアより強いのでは?
それにゲイ・ボルグも脅威ですよ。ZEROのアルトリアの幸運が低ランクですから、主人公補正以外に逃れられることはできないでしょう。
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