さいたま赤十字病院呼吸器内科 『こちら彩の国 呼吸器科』

さいたま市近隣での呼吸器診療に興味のある、
若手医師、医学生の見学(平日)を歓迎します。ご連絡ください。

チェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)開催のお知らせ

2017年04月16日 | お知らせ

新年度に入り、皆様忙しくしていることと思います。また、この時期になってもまだA型インフルエンザが流行しているようです。(某プロ野球選手もA型インフルエンザに罹患したと出ていました)ちょうど疲れも抱てくる時期かと思いますので、健康管理には注意してくださいね。

ところで、毎月恒例のチェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)を4月19日(水)に開催したいと思います。いつもと同様午後7時よりさいたま赤十字病院7階第3会議室で行います。興味深い症例をたくさん用意していますので、興味のある方々は奮ってご参加ください。なお、いつもと同様軽食の用意は出来ているのですが、処々に事情で7時30分までに来ていただかないと軽食をお渡し出来ないことになりました。参加される方は、なるべく早めに来院していただけると嬉しいです。

みんなで一緒に楽しく勉強しましょう。

追伸。

さいたま市はこの週末桜はほぼ散ってしましました。少し北の方に行けばまだ桜が見れると思い、群馬県前橋市にある赤城南面千本桜を見てきました。途中すごい交通渋滞で着いたのが午後5時くらいになってしまったため、ちょっと暗いなかでのお花見になってしまいましたが、満開でとてもきれいでした。桜と菜の花とのコラボもとてもきれいでした。

 

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インフルエンザに合併した侵襲性肺アスペルギルス症

2017年03月26日 | カンファレンス室

もうすぐ新年度という今日この頃ですが、今でもインフルエンザの患者さんが散見されているかと思います。

先日A型インフルエンザに合併した侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)を経験しました。

IPAはアスペルギルスにとる組織侵襲型ないし感染型の代表で、ほとんどすべての症例が白血病、悪性リンパ腫などの血液疾患、膠原病、全身消耗性疾患、臓器移植後など基礎疾患を有する症例に発症するとされていますが、まれにインフルエンザの続発した症例を経験されます。インフルエンザウイルスに感染するとリンパ球の減少、細胞性免疫低下、末梢血T細胞減少などの免疫能低下が起こり、さらには気道の線毛上皮、杯細胞の壊死、脱落、気管支腺上皮の破壊、気道の粘液線毛クリアランス能が低下するため重篤な肺感染症を合併しうるとされ、そのひとつとしてIPAが挙げられるかと思います。自分自身も以前報告し(日本呼吸器学会誌 2001;39(9):672-677)、当院でも報告したことがあります。(Respirology 2005; 10(1): 116-119)インフルエンザの合併症としてまれではありますが、注意すべき病態と思いますので、知識の整理をしておいてください。

IPAの病態には血管侵襲型PAと気道侵襲型PAの2病型がありますが、血管侵襲型PAの方が高頻度のためIPAの画像所見としては血管侵襲型PAの画像所見(ハローサインを伴う結節・コンソリデーション、エアクレセントサインを伴う空洞)が有名ですが、今回の症例は気道侵襲型PAの画像所見でした。

気道侵襲型PA(アスペルギルス気管支肺炎)はIPAの約15%を占めるとされています。画像所見は経気道感染症を反映して斑状の気管支周囲コンソリデーション・すりガラス陰影、小葉中心性結節影、tree-in-budを認めます。病理学的には気管支肺炎を反映してコンソリデーション・すりガラス陰影を、アスペルギルス細気管支炎を反映して小葉中心性結節影を来すとされています。

  

今回の症例も教科書的な気道侵襲型PAに矛盾しないCT所見ということです。教科書をきちんと読む姿勢、大切かと思いました。

細菌性感染症との画像所見の違いはありますか?マイコプラズマなどの非定型肺炎は鑑別に上がるかとは思いますが、画像所見全体が粒状影主体で、すりガラス陰影が多く、まだらな斑状コンソリデーションがやや違和感を持ちました。何と言ってもキノロン薬、マクロライドに無効だったということが一番の根拠かとも思います。

インフルエンザの合併症としてのIPA、頻度は決して高くなく、さらには気道侵襲型PAはさらにまれかと思いますが、頭の片隅においていただけたら幸いです。

追伸。

3月25日さいたまスーパーアリーナで行われたONE OK ROCKのコンサートに行ってきました。本当にオリジナルグッズのTシャツとマフラータオルを身につけ、3時間40分あまりずっと立ちっぱなしで興奮状態のままでした。

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気管支鏡合併症としての脳空気塞栓症

2017年03月19日 | カンファレンス室

3月18日(土)に第160回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会に行って来ました。色々な症例報告、特別講演として気管支喘息におけるサーモプラスティーの話など盛りだくさんの内容でした。そのなかで一番気になった報告で「気管支鏡検査中に脳空気塞栓症を来した1例」がありました。

呼吸器領域における脳空気塞栓症と言えば、CT下肺生検の合併症としての空気塞栓症が有名です。過去の報告では0.2~0.4%に発症するとされており、肺門部に近い病変における生検は特に注意が必要とされています。では、気管支鏡の合併症としての空気塞栓症はどのくらいの頻度なのでしょうか?そのときの発表では気管支鏡検査の0.001%ときわめてまれとされており、自分も今までの気管支鏡検査にて空気塞栓症の経験は1例もありません。珍しいがゆえに学会、研究会での報告は散見されているのかと思います。今回の症例は区域、亜区域気管支レベルの生検であったため、生検中に気管支、肺静脈の交通を来したのではないかと考察していました。その症例の一番興味を持ったのがEGFR遺伝子変異陽性の肺癌症例で、EGFR-TKI治療後再発で再生検目的症例であったことでした。EGFR-TKI治療により組織は著明な線維化、血管増生を来すため大量出血を来しやすいとされていますが、もしかしたらそのような組織変化が今回の空気塞栓症に関与している可能性はないのでしょうか?とても興味深く思いました。現在第3世代EGFR-TKIが上市されており、今後も再生検を行われる機会がさらに増えてくることは間違いなく、そのような気管支鏡検査において空気塞栓症が増えるのではないか?と危惧しているとこころです。一度空気塞栓症を来してしまうと、なかなか治療は難しく、高圧酸素療法など行っても機能予後、生命予後を悪化させる症例もあるとのこと。今後注意して検査しなければいけないと思いました。

今までの当院における気管支鏡検査の同意書に「空気塞栓症」のことを一言も記載していないのですが、内容を改定した方がいいのでしょうか?何かご意見がありましたらご助言いただけたら幸いです。

昨年見た大宮公園の桜です。曇りの日に行ったためちょっと暗めの写真になってしまいました。今年もそろそろきれいな桜が見られるのでしょうか?楽しみです。

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COPD急性増悪における肺塞栓症

2017年03月19日 | カンファレンス室

COPDは世界では死亡原因第3位という予後不良の疾患です。COPD急性増悪は症状の悪化のみでなく、呼吸不全の悪化、ADL悪化、さらには生命予後の悪化をもたらすとされ、臨床的には重要な病態です。COPD急性増悪の原因のほとんどが呼吸器感染症とされていますが、約30%は呼吸器感染症以外(原因不明)です。今回雑誌CHEST(2017;151(3):544-554)では、COPD急性増悪原因における肺塞栓症の頻度について検討されています。

結果:①COPD急性増悪症例において原因不明例の16.1%は肺塞栓症であった(DVTは10.5%に認めた)、②抗凝固療法など治療が必要になる症例が約68%であった、③臨床的には呼吸器感染症の症状に乏しく、胸膜痛、心不全症状が高頻度であった。

日常診療において「COPD急性増悪=呼吸器感染症」とワンパターンにとらえがちですが、呼吸器感染症が原因でない症例が30%もいるということ、そのなかには肺塞栓症症例がまあまあ含まれているということを認識すべきと思います。肺塞栓症は治療出来る疾患とひとつでありますから、きちんと診断していくことは重要かと思います。

呼吸器感染症においては、臨床的評価に加えて画像所見も重要で、胸部レントゲンでは明らかな変化がなくても胸部CTを施行してみると、肺炎、気管支肺炎、気管支壁肥厚の悪化など何かしらの新たな陰影が出現しているように思います。胸部CT所見にてあまり変化を認めないCOPD急性増悪症例においては肺塞栓症の可能性を常に考慮することが重要であることを認識させられた論文でした。基礎に重要な肺疾患があると、呼吸状態の悪化時原疾患の悪化と片付けてしまうことが多々ありますが、新たな原因の検索も怠らないように努めていただければ幸いです。

 

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肺癌における免疫療法

2017年03月12日 | カンファレンス室

最近肺癌治療の進歩の話になると免疫療法が主役になっています。先日当院に開催した癌診療連携セミナーで埼玉県立がんセンター呼吸器内科の酒井先生に講演していただきましたが、そのときの講演のほとんどを免疫療法が占めていました。肺癌に関する他の研究会に行っても免疫療法がメインです。今後も肺癌治療においては免疫療法が主役の一翼を占めていくのは間違いないかと思います。

その肺癌免疫療法ですが、現在2種類の抗PD1抗体薬が上市されています。この2種類の薬剤どのように使い分けていくのでしょうか?

2種類の薬剤の特徴を簡単にまとめると、①オプジーボは2次治療に使用する薬剤(1次治療には適応なしです)で、2次治療においては組織型問わず、PDL1発現率問わず有効性のエビデンスがあります ②キイトルーダはPDL1発現率により適応症例が異なります。PDL1発現率が50%以上あれば1次治療に使用していく薬剤です。2次治療においては、PDL1発現率が1~49%であれば使用可能、1%以下であれば使用不可能になります。

以上より肺癌免疫治療について整理すると

①初診時の組織検体にてPDL1発現率を検索すること→PDL1発現率が50%以上であればキイトルーダを1次治療として使用することを検討することが必要と思います。

②PDL1発現率が50%以下の症例においては、2次治療以降に免疫チェックポイント阻害薬を使用することを考えることになるかと思います。PDL1発現率が1%以下ならばオプジーボを使用します。(最近では1%以下の場合は免疫療法を行う前に殺細胞性抗癌剤を使用することを考慮するよう勧告されているようですが)PDL1発現率が1~49%のときにはキイトルーダ、オプジーボのどちらかを2次治療に使用すること検討します。

日常臨床で興味のあるところは、PDL1発現率を測定出来ていて1~49%の症例においてどちらの薬剤を使用した方が有効性が高いかということです。今後の症例においては初診時に組織検体からPDL1発現率を測定しているのは間違いなく、PDL1発現率との関連についてデータを出しているキイトルーダの方がエビデンスがあるように見えますが、オプジーボがPDL1発現率と関連が乏しいかというとそうではないのと思いますし、確固としたエビデンスはないのが現状です。また今のところPDL1発現率の測定は1回限りに限定されています。専門家の話では、治療後の経過によってPDL1発現率は変わってくるとのこと、つまり初診時に測定したPDL1発現率は2次治療以降にも当てはまるかというとそうばかりではないようです。

PDL1発現率1~49%の肺癌症例の二次治療においては、今後のエビデンスを参考にしながら決めていくしかないと思いますが、今のところ同等の効果ということのように思います。個々の薬剤の特徴(2週間隔投与か3週間隔投与か?薬剤投与量の問題、有害事象を含めたデータの蓄積など)をよく考えながら使用していただけたら幸いです。こんなことを考えている間にまた新しい免疫チェックポイント阻害薬が使用出来るようになり、また新たな悩みが出てくるのでしょうが・・

先週行った局所麻酔下胸腔鏡の風景です。先週は2件施行しました。以前も報告しましたが、2016年は31件局所麻酔下胸腔鏡を施行しました。局所麻酔下胸腔鏡は需要のある検査であることは間違いないので、今年も昨年以上に多く行うことになるのではないかと思います。もし興味のある呼吸器内科の先生がいましたら、見学に来ていただけたらと思います。もちろん当院呼吸器内科で一緒に局所麻酔下胸腔鏡を行うのも大歓迎です。

 

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チェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)のお知らせ

2017年03月12日 | お知らせ

毎月恒例のチェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)ですが、今月3月は15日(水)に開催いたします。前回と同様午後7時よりさいたま赤十字病院7階第3会議室で行いたいと思います。興味のある方々は奮ってご参加ください。外部の先生方は、2階のエントランスから入り、外来エレベーターで7階まで上がっていただけたらと思います。では、当日皆様とお会い出来ることを楽しみにしています。

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さいたま赤十字病院がん診療連携セミナーのお知らせ

2017年03月04日 | お知らせ

3月になりました。少しずつ暖かくなっているのでしょうか?インフルエンザの患者さんも減ってきたように思います。その代わりではないですが、花粉の飛散が増え、花粉症により苦しんでいる患者さんが増えてきています。今年は花粉の飛散量が相当多いようです。花粉症の患者さん、どうにか乗り切ってくださいね。

話は変わりますが、3月9日(木)午後7時よりさいたま赤十字病院2階多目的ホールにおいて第17回さいたま赤十字病院がん診療連携セミナーを開催いたします。今回のテーマは「肺癌」です。当院での癌診療連携セミナーでは8年前にこの「肺癌」を取り上げました。その時は「肺癌の外科治療を主体とした治療」「肺癌における緩和医療」について勉強しましたが、今回は埼玉県立がんセンター呼吸器内科科長兼部長の酒井洋先生をお迎えして「肺癌薬物治療の進歩」について講演していただく予定です。最近注目されている免疫治療にもスポットを当てた夢のあるお話が聞けるのではないかと思います。興味のある方々は奮ってご参加ください。

肺癌は悪性腫瘍のなかで死亡者数第1位を独占している予後不良悪性腫瘍のひとつであることは間違いないですが、薬物治療の進歩により確実に生命予後が伸びてきた悪性腫瘍のひとつでもあります。僕の学生の頃、進行肺癌の生命予後は無治療では半年弱、CDDPなどの化学療法を行っても1か月くらいしか生存期間を伸ばさないと言われていました。この状況では肺癌の告知と言ってもなかなか厳しいものがあり、呼吸器内科医の先輩方の苦労は相当のものだったかと思います。その後1990年代新規抗癌剤の開発により1年を超える生存期間を期待出来るようになりました。さらには化学療法の維持療法の概念、抗血管新生阻害薬の開発により各々2か月の生存延長が得られ、2000年以降ドライバー遺伝子変異の発見それに対する分子標的治療薬の開発により2年を優に超える生存が得られるようになりました。分子標的治療薬においてはその後も新世代の薬物が開発されています。さらには最近話題の免疫療法の開発により一次治療、二次治療とも生存を伸ばすことが証明されました。今後の肺癌の薬物治療、どこまで進歩するのでしょうか?先日ある肺癌研究会に出席したとき、免疫療法に抗血管新生阻害薬を併用することによりさらに有効性を伸ばすことが出来るのではないか?とのお話も聞きました。「今後の肺癌薬物治療の夢」について、酒井先生のお話に期待したいと思います。(酒井先生の講演の前に「肺癌の診断」について当院の方から講演させていただきます)

当日皆様にお会い出来ることを楽しみにしています。

 

 御殿場アウトレットモールから見た富士山です。さすがに迫力のある富士山ですね。

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2016年呼吸器内科検査実績

2017年02月27日 | お知らせ

さいたま赤十字病院呼吸器内科の2016年の検査実績を報告させていただきます。

気管支鏡検査 465例に施行→気管支、肺生検を317例に施行。そのうちEBUS-GSによる生検が195例、EBUS-TBNAによる生検が38例です。BALは126例に行いました。

2015年と比較して気管支鏡の検査は約100件の増加でした。

局所麻酔下胸腔鏡 31例に施行。(→例年になく多い件数でした)

診断としては13例が非特異的胸膜炎でしたが(その中に良性石綿性胸水が相当含まれていますが、診断基準上現状は非特異的胸膜炎に分類しています)、結核性胸膜炎が6例、肺癌胸膜転移が6例、悪性胸膜中皮腫が4例、腎癌胸膜転移が1例、膿胸が1例でした。局所麻酔下胸腔鏡を施行することにより6割近くの確定診断が可能になるので、有用な診断ツールかと思います。

エコーガイド下肺、胸膜生検 16例に施行。

肺悪性腫瘍が11例、非特異的胸膜炎が4例、肺癌疑いが1例でした。

胸膜病変の4れいについては胸膜肥厚部位をランダムに生検をしますので、特異度は下がってしまいますが、肺内病変については相当高い診断率を認めています。

④当院では以前はCT下生検は行っていなかったのですが、昨年から放射線科の協力のもとCT下生検を行うことができるようになり、2016年は1件施行しました。

2017年も頑張ってどんどん検査をこなし、さいたま市の呼吸器診療に貢献していきたいと思います。

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移動する陰影

2017年02月25日 | カンファレンス室

先日東京にて定期的に開催されている呼吸器症例検討会に出席してきました。2症例について診断を含めじっくり検討する勉強会なのですが、今回は肺血栓塞栓症、肺梗塞の症例とびまん性嚥下性細気管支炎(肺炎もあったか?)の2症例でした。恥ずかしながら両症例とも自分なりに出した答えとはかけ離れており、ただただ反省という状況です。

その2症例の画像所見、両者とも経過中陰影が移動していました。

以前にも書きましたが、「陰影が移動する疾患」の代表例が特発性器質化肺炎(COP)ですが、それ以外にも報告があります。

・慢性好酸球性肺炎→これはCOPと似たような経過の疾患であり、当然でしょうか?

・寄生虫疾患→好酸球性肺炎を発症して陰影が移動したり、寄生虫自体が肺内で移動することで陰影が変化することもあるようです。

・アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)→CTを見てしまうと移動と言えないかもしれませんが、粘液栓が経過中抜けてしまうことがあり、陰影が移動しているように見えることがあります。

・肺胞蛋白症→自然に消失したり、新たに出現したりを繰り返すことがあります。

・出血→肺胞出血、肺梗塞による出血、エーラス・ダンロス症候群などの結合組織病による肺出血

上記が教科書的に有名であり、今回の研究会の症例のように「移動する陰影」のキーワードから「肺梗塞による出血」は挙げなければいけない疾患だったと思いました。

・誤嚥による炎症→呼吸不全で緊急入院する誤嚥性肺炎がポピュラーかと思っていましたが、軽い肺炎、気管支炎、細気管支炎など自然軽快してしまったり、経口抗菌薬を内服させただけで改善してしまう症例はあっても不思議ではないかと思います。「誤嚥」→「炎症」→「自然または治療にて改善」を短い経過で繰り返せば今回の研究会の症例のように短期間で全然違う画像所見(陰影が移動し、性状を変えてしまう)も十分うなずけるかと思います。

会場にいた先生から「誤嚥のリスクのある症例のちょっと変わった画像所見を見たら誤嚥関連画像所見を考えたら診断に近づけることがありますよ」とアドバイスをいただきました。

移動する陰影、是非とも整理しておいてください。誤嚥も影が移動しますので、注意です。

(ちなみにIgG4関連疾患で移動する陰影を認めた症例報告もありました)

 

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呼吸器領域のエコー

2017年02月19日 | カンファレンス室

2月18日に第223回日本呼吸器学会関東地方会、第171回日本結核病学会関東支部会合同学会があり、午後から参加してきました。その会の教育講演で、横浜市立大学医学部救急医学教室の谷口隼人先生より呼吸器救急疾患を中心とした超音波診断について講演していただきました。とても勉強になり、明日からの診療に生かしていきたいと思っています。

我々は呼吸器診療において超音波をしばしば使用しますが、通常は①胸水の存在、さらには胸水性状の評価、胸水内に認める異常構造物の評価、②肺癌(縦郭腫瘍)の胸膜、胸壁浸潤の評価、③エコーで描出可能な肺病変、胸膜病変に対するエコー下生検がメインになっています。

今回の発表は呼吸器救急疾患における超音波の有用性について講演をいただきました。正常肺エコーから始まり、肺水腫、肺炎、気胸のエコー所見を症例を中心に解説していただきました。

その講演を通して我々呼吸器内科医が一番身につけたいのが気胸のエコー所見でないかと思いました。

若い男性の自然気胸は置いておいて、高齢者のCOPDなど基礎疾患を持った続発性気胸症例においては、重症呼吸不全、場合によってはCPAで運ばれこともあり、病院到着時すぐにでも評価したい病態かと思います、評価出来れば臨床上非常に有用なツールになるかと思います。

随分昔当院にて経験した症例で、COPDの患者さんが突然の呼吸困難、意識障害にて救急搬送されました。意識300で、来院時の動脈血ガス分析でpH 6.9  PaCO2 140 Torrと著明なるⅡ型呼吸不全を認め、すぐに挿管しなければいけない状況でした。ただ、もしかしたら気胸によるⅡ型呼吸不全かもしれないと思い、超急いで胸部レントゲン、胸部CTを施行してもらったところ、気胸の診断が出来ました。すぐに左胸腔内にトロッカーを挿入し、脱気したところ、徐々に呼吸状態、意識状態が改善し、挿管を回避することが出来ました。

同時に施行した胸部CTを見ると、気腫性変化が進行していることがわかるかと思います。

 

冷静に考えれば、このCT所見だったらここまでの重症Ⅱ型呼吸不全を呈しても矛盾ないと思いますが、実際の診療では相当慌てていました。すぐに画像を撮ってもらえたからよかったものの、いつもこのようなにうまくいくわけではなく、今回の講演のようにエコーにてすぐに気胸に診断が出来れば、呼吸器救急診療には相当の武器になるのではないかと思いました。講演後谷口先生に直接聞いたところ、救急実臨床ではエコーで気胸と診断し、レントゲンを撮る前にトロッカーを挿入するケースが多々あるとコメントしてもらいました。是非ともエコーで気胸の診断が出来るようにトレーニングしていきたいと思います。ただエコーによる評価やや客観性に乏しいことがありますので、それなりにトレーニングを積まないといけないかと思います。今の受験シーズン、気胸患者さん意外と多いです。(ストレスが関与するのでしょうか?)気胸症例が来ましたら、エコーの評価も忘れずに行いたいと思います。谷口先生、有意義な講演本当にありがとうございました。

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