最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

私の絵本コレクション モンヴェル 『ジャンヌ・ダルク』

2017年12月04日 | 絵本



邦訳本を加え、部分訂正したので、掲載し直します。
"JEANNE D’ARC"

「“もっとも美しい絵本”を選ぶとき『ジャンヌ・ダルク』を忘れるわけにはいかない。およそ考えられるかぎりの良いものだけでできている子どもへの贈り物、それがモンヴェルの絵本である」(堀内誠一編『絵本の世界 110人のイラストレーター』1984年 福音館書店刊)と言われるように、モンヴェル の"JEANNE D’ARC" は亜鉛版写真製版で刷られた(鹿島茂著『フランス絵本の世界』(2017年 青幻社)の記述による)、とても美しい本です。テキストはフランス語です。

本来なら高価で手が出せるような代物ではないのですが、手元にあるのは刊記不明(初版は1896年)の1冊で、両見返し紙が無く、表紙と本体が完全に離れてしまっています。自分で直せばいいやと、壊れているのを承知で入手したものです。表紙のクロスの色がウェブ上で見られる初版本とは違うので、初版ではないことだけは分かります。

 クロスに箔押ししてある表紙。





 標題紙。





 本文中の挿絵から。
 版型がA4判より一回り大きく、家のスキャナーには収まりきれず、
 撮影したためのゆがみが出ています。
 







 以下の2枚はスキャナー画像なので、
 パステル調の色合いが再現できていません。









邦訳本も紹介しておきます。
矢川澄子訳 ほるぷ出版 1978年。

 表紙。紺のクロス装。

 
 挿絵。上で紹介したのと同じ場面もあります。






この場面は、画面からはみ出した馬の顔に迫力があるのですが、無残にもカットされています。

現代の印刷技法の4色分解ですから、色の再現は仕方が無いことですが、版ズレがある台があるのが残念。