時のうねりのはざまにて

歴史小説もどきを書いてみます。作品と解説の二部構成で行こうと思います。

巴御前について

2010-04-27 22:14:08 | 源平時代に関するたわごと
前回義仲に関する話題を書かせていただいたので、その関連で巴(巴御前)についても少し書かせて頂こうかと思います。

(実際には小説もどきにおいてはほんの一瞬しかご出場いただかなかったのにここに書くのは申し分けないとは思っているのですが、義仲が出てくると巴もかいてみたいなとつい思ったので・・・)

実は私は巴御前についてはそんなに詳しくないので、以下は私のつたない知識を元に書かせて頂きますのでそのあたりをご了承いただきたいと存じます。

さて、文献上に巴が現れるのは「軍記物」しかないようです。(私の知る範囲においてですが・・・)

巴が登場する軍記物は「平家物語」と「源平盛衰記」です。

で、その巴の立場ですが軍記物によって違っているのです。

「平家物語」---義仲が連れてきた便女(または美女)
「源平盛衰記」---義仲の乳母子で、樋口兼光、今井兼平の妹。なおかつ義仲の愛妾。

平家物語は巴の素性については木曽殿最期のあたりで「木曽殿は巴、山吹とて二人の美女を具せられたり。」という非常にそっけない紹介をしているのみです。
ここでいう美女(便女)とは、主の身の回りの世話をするあまり身分の高くない女性のことです。(時代劇に出てくる侍女のようなものでしょうか?)
もちろん木曽殿に付き従った数少ない人のうちの一人になったり、巴のその剛勇ぶり、義仲に命じられて義仲の側を離れるというエピソードは「平家物語」には書かれているのですが・・・・

「源平盛衰記」における巴の立場(乳姉妹)、と「平家物語」における巴の立場(単なる召使)の差は何なのか不思議に思います。

多くのドラマや小説では巴は義仲の乳兄弟で愛妾という立場で書かれていますし
そちらの方がドラマチックなのですが、
実際のところはどうだったのでしょうか?
また、軍記物上の創作の人物という説もありますし、実在していたとしたら実はどのような女性だったのか、非常にミステリアスなものを感じさせられる女性であります。

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