サッカー日誌 / 2010年03月08日


大きく変わった世界のラグビー


サロン2002シンポジウム
3月6日(土)東京・青学会館アイビーホール

★2019年ラグビーW杯の日本開催
 ワールドカップといっても、サッカーの話ではない。2019年に日本で開催されることが決まったラグビーの第9回ワールドカップの話である。
 サッカー文化を語るネットワーク「サロン2002」の主催で「2019年ラグビー・ワールドカップ日本大会を語る」と題するシンポジウムが開かれた。ビバ!サッカー研究会も「後援」に加わった。それで、Jリーグの開幕日だったにもかかわらず、ラグビーの話を聞きに行ったのだが、同じフットボールの仲間の話として、なかなか興味深かった。
 シンポジウムの本筋のテーマではなかったのだが、世界のラグビーが大きく変わったという話が出た。英国では、サッカーは大衆のスポーツ、ラグビーは上流階級のスポーツとされていたのだが、いまやラグビーも大衆化しているという。

★ラグビーの大衆化
 フットボール・ライターの島田佳代子さんが、1999年から2007年まで9年間、英国に滞在していたときのサッカーとラグビーの取材経験を写真を見せながら語った。それによると、最近のラグビーの観客のようすは、悪名高いサッカーのサポーターとあまり変わらない。上半身裸で旗を担いで競技場外を放歌高吟しながら、うろついている。とても「上流階級のスポーツ」とは言えないようである。
 1973年に日本のラグビー代表チームが初めて欧州に遠征したとき、英国で取材したことがある。試合のあとのレセプションで、日本チームの団長だった金野滋さんが、こんな挨拶をした。「私は昨日、良くないことをしました。実はサッカーの試合を見に行ったのです」。
「ラグビーの人間はサッカーのような下賤なスポーツは見に行かない」という前提のジョークだった。そのころとは大きな変わりようである。

★構造改革のとき
 アマチュアリズムに凝り固まり、「紳士のスポーツ」をもって任じていたラグビーが変わり始めたのは、1995年に南アフリカで開かれたワールドカップのころからだという。
 1980年代にテレビの多チャンネル化がはじまり、それに伴ってスポーツの放映権料が高騰し、スポーツイベントの商業化が進んだ。それとともにオリンピックのアマチュアリズムが崩壊した。そういう時代の波が、10年ほど遅れてラグビーを襲ったようだ。現在ではラグビーにもプロ選手が生まれている。それで観客層も大衆化したのだろう。
 「歴史の流れだ」と受け入れる人いるだろうし、「古き良きラグビーが失われた」と嘆く人もいるだろう。だが、日本のラグビー界の現状を見ると、この流れについて行くのは、たいへんだろうと思う。2019年のラグビー・ワールドカップ開催が、日本のラグビーの構造を変える機会にしなければならないのではないだろうか。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 本田圭佑は南... 松永3兄弟を... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

Copyright(C) 2007 US&Viva!Soccer.net All Rights Reserved.