ワールドカップ12大会取材のサッカージャーナリストのブログ
牛木素吉郎のビバ!スポーツ時評
サッカー日誌 / 2009年09月05日
女子サッカーの個性を伸ばそう
なでしこオールスター2009
(8月30日 西が丘)
★楽しめた前座試合のラモス
なでしこリーグのオールスター・ゲームを見に行った。同じ日に、Jリーグの試合もあって、そちらに行く予定だったのだが、友人から「たまには女子サッカーも見たら。前座試合がおもしろいよ」と誘われたので、予定を変更したのである。
ほんとうに前座試合はおもしろかった。JリーグとなでしこリーグのOB・OG混成選抜対JFAアカデミー女子の25分ハーフである。
OB・OG混成チームでは、ラモス瑠偉の個性が際立っていた。ボールをとったあと、次のプレーに移るのが速い。マークをかわすと一直線にドリブルする。意外な味方に意外なキックでパスする。エキシビションのオールスター戦の、そのまた余興だから、冗談半分のプレーではあるのだが、それでも現役のころと同じような独特の状況判断とテクニックを十分に楽しませてくれた。
★伸び盛り世代の組織プレー
OB・OG混成チームの相手は「JFAアカデミー福島女子チーム」。日本サッカー協会(JFA)が力を入れている英才教育のチームである。素質を見込んだ「金の卵」を福島のJビレッジに集めて集中強化している。12歳から18歳までの中学・高校生世代だ。全国から選ばれているだけに、基礎的なテクニックは悪くない。お遊び気分のお兄さん・お姉さんに、妹たちはまじめなチームプレーで対抗した。それも「けなげ」で、ほほえましかった。
「でも……」と思った。「伸び盛りの若い選手たちに、教科書のような組織プレーをさせるのが、いいのだろうか?」
この年代で「おれが、おれが……」ではない、女性だから「ワタシが、ワタシが……」と好きなようにプレーをするようでないと、ラモスのような個性は伸びないのではないか?
結果は3対0だった。PKの1点とラモスの挙げた2ゴールである。
★スーパースターを生むために
本番の「なでしこオールスター・ゲーム」は、リーグの現役選手を紅白に分けての試合である。選手たちは、のびのびと楽しそうにプレーしていた。でも、ラモスのような、際立った個性のプレーヤーはいない。しっかり観察しないと、みな同じプレーをしているように見える。日本のサッカーを見て「背番号がなければ選手の見分けがつかない」と評した外国の有名監督がいたが、それに近い。高校生年代までは、それぞれの得意なプレーを伸ばせるように、自由にやらせたほうがいい。 そうでないと、全体的には、みなうまくなっても、スーパースターは出てこない。
イベント全体は、女子サッカーの「お祭り」として、いろいろなアイデアで演出されていた。両チームのスターの顔写真いりの「うちわ」を配ったり、場外に各チームの屋台を出したりしていた。台風接近で「土砂降り」に見舞われたのは不運だったが……。
(8月30日 西が丘)
★楽しめた前座試合のラモス
なでしこリーグのオールスター・ゲームを見に行った。同じ日に、Jリーグの試合もあって、そちらに行く予定だったのだが、友人から「たまには女子サッカーも見たら。前座試合がおもしろいよ」と誘われたので、予定を変更したのである。
ほんとうに前座試合はおもしろかった。JリーグとなでしこリーグのOB・OG混成選抜対JFAアカデミー女子の25分ハーフである。
OB・OG混成チームでは、ラモス瑠偉の個性が際立っていた。ボールをとったあと、次のプレーに移るのが速い。マークをかわすと一直線にドリブルする。意外な味方に意外なキックでパスする。エキシビションのオールスター戦の、そのまた余興だから、冗談半分のプレーではあるのだが、それでも現役のころと同じような独特の状況判断とテクニックを十分に楽しませてくれた。
★伸び盛り世代の組織プレー
OB・OG混成チームの相手は「JFAアカデミー福島女子チーム」。日本サッカー協会(JFA)が力を入れている英才教育のチームである。素質を見込んだ「金の卵」を福島のJビレッジに集めて集中強化している。12歳から18歳までの中学・高校生世代だ。全国から選ばれているだけに、基礎的なテクニックは悪くない。お遊び気分のお兄さん・お姉さんに、妹たちはまじめなチームプレーで対抗した。それも「けなげ」で、ほほえましかった。
「でも……」と思った。「伸び盛りの若い選手たちに、教科書のような組織プレーをさせるのが、いいのだろうか?」
この年代で「おれが、おれが……」ではない、女性だから「ワタシが、ワタシが……」と好きなようにプレーをするようでないと、ラモスのような個性は伸びないのではないか?
結果は3対0だった。PKの1点とラモスの挙げた2ゴールである。
★スーパースターを生むために
本番の「なでしこオールスター・ゲーム」は、リーグの現役選手を紅白に分けての試合である。選手たちは、のびのびと楽しそうにプレーしていた。でも、ラモスのような、際立った個性のプレーヤーはいない。しっかり観察しないと、みな同じプレーをしているように見える。日本のサッカーを見て「背番号がなければ選手の見分けがつかない」と評した外国の有名監督がいたが、それに近い。高校生年代までは、それぞれの得意なプレーを伸ばせるように、自由にやらせたほうがいい。 そうでないと、全体的には、みなうまくなっても、スーパースターは出てこない。
イベント全体は、女子サッカーの「お祭り」として、いろいろなアイデアで演出されていた。両チームのスターの顔写真いりの「うちわ」を配ったり、場外に各チームの屋台を出したりしていた。台風接近で「土砂降り」に見舞われたのは不運だったが……。
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