流通ウォッチャー大木一雄のブログ

流通業界に関するリポート

市場シェアの確保

2010年11月09日 | 日記
日本で企業が市場シェア確保を目的として流通系列化を開始する場合、その多くは新製品分野への進出を企画したときに他産業(もしくは他国)での成功例をモデルにしていたり、あるいは後発メーカーである場合が多い。

自動車産業は前者の事例です。

日本のディーラーシステムは、先進国アメリカのフランチャイズ制度をそのまま導入したものといわれる。

1930年代に日本に進出したGM、フォード両社は、アメリカと同様の一県一ディーラー主義のフランチャイズ制を採用した。

36年「自動車製造事業法」により両社が日本市場から撤退した後を受けたトヨタ、日産両社は、GM、フォードの販売組織をそのまま踏襲して販売を続けたが、当時は自動車そのものが高額製品であり、販売台数も少なかった。

戦後昭和30年代のモータリゼーションの進展により市場は急拡大し、車種も急速に多様化したため、メーカー各社は車種別複数チャネル制を採用、さらに大都市を中心に同一チャネル内での複数販売店制度を確立しました。

化粧品の資生堂、家電の松下電器は後者のケースです。

戦前の化粧品流通は、一次、二次卸のルートを通じて不特定多数の小売店で販売する開放型システム(後の一般品システム)が採用されていました。

ブランド品の化粧品は乱売、特売の対象になりやすく、多くのメーカーが対策に苦慮していました。

化粧品のケースこうした状況に一石を投じたのが資生堂の初代社長、福原信三であった。

★★大木一雄(流通ウォッチャー)★★