流通ウォッチャー大木一雄のブログ

流通業界に関するリポート

訪問販売品メーカー

2010年11月16日 | 日記
訪問販売品メーカーの場合、近年は異業種からの参入も著しいが、その特徴は(4)基礎化粧品、メークアップ化粧品などを中心に一般品と制度品の中間程度の品揃えをしていること、(5)1000円以上の製品が多いこと、(6)独立採算方式を採用するメーカーが多く、コスト負担が小さいこと、などがあります。

家電産業家電産業でも、系列店システムを積極的に採用した企業グループとそうでないグループが併存しています。

日本の家電メーカーはその業務内容から(1)総合家電メーカー、(2)総合電機メーカー、(3)音響専門メーカー、(4)通信機メーカー、の4つに大別でき、このうち系列店システムを積極的にとっているのは(1)総合家電メーカー、(2)総合電機メーカー、のメーカーで、(3)音響専門メーカー、(4)通信機メーカーは系列店システムに対し消極的であるか、もしくはほとんど系列を持ちません。

前者の製品はメーカー設立の子会社である地域販売会社・商事会社を通って系列、非系列小売店に販売されます。

その製品特徴は、子会社、下請会社による生産系列を駆使して電子、電機機器のあらゆる分野をカバーするフルライン生産方式をとっている点にあります。

後者の製品は、一部を除き卸売業者(代理店、特約店)を通じて一般小売店に販売されるシステムをとっています。

アメリカにおける家電流通経路は、その製品特徴は、特殊専門機器メーカーであり、消費者は購入にあたってはそのマニア的趣味性に左右されることが多く、また古くからの情報雑誌も完備され、消費者は豊富な商品知識を有している点が挙げられます。

ソニーはテレビ部門の販売比率が高いため(91年度で17・3%)、非連結子会社の地区販売会社を通じて系列小売店にも販売しているが、系列小売店数は40以下であり、全系列店数の1%にも満たない。

自動車産業自動車産業の場合、乗用車生産を行っている7メーカーすべてが2〜5チャネルからなる系列小売店(ディーラー)からの直売システムを持っています。

新車の97%はこうした系列小売店から直接消費者に納入され、残り3%はメーカーからリース業者など大口需要者へ直接販売されており、いわゆる卸機能を持った流通業者は存在しません。

このうちメーカー→ディーラー→消費者という直販形式をとって販売されるものが全体の71%を占め、残り24%はディーラーからサブディーラー、販売協力店を経由して消費者に販売される業販システムです。

★★大木一雄(流通ウォッチャー)★★

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系列化のタイプ

2010年11月15日 | 日記
代表的系列化産業といってもその販売形態は様々です。

同一産業内でも流通系列化を行う企業グループとそうでない企業グループが併存する場合もあれば、卸もしくは小売のどちらに系列化のポイントをおき、どのような系列化手段を採用するかで系列化の形態は大きく異なる。

三産業の流通チャネルは6つのタイプに大別でき、概して卸機能の独立性が流通系列化の強弱を決定します。

以下、議論の流れに必要な三産業の流通チャネルの概略を示す。

化粧品産業化粧品産業は流通系列化を積極的に行っている企業グループとそうでないグループが並存している事例です。

(1)自ら設立した販売会社を通じて系列、非系列小売店に販売する制度品メーカーグループ、(2)販売会社、系列小売店を持たず、代理店、特約店などの卸売業者を通じて不特定多数の小売店に販売する一般品メーカーグループ、および(3)営業所を通じて消費者に直接訪問販売するシステムを採用しているメーカーグループ、です。

三者のシェアはおおよそ制度品(輸入品を含む)50%、訪問販売品30%、一般品20%です。

制度品メーカーの製品、販売特徴としては、ω基礎化粧品、メークアップ用化粧品、頭髪用化粧品、フレグランスなどフルライン生産方式を採用していること、(4)1000円以上の製品を主力としていること、系列小売店を主体に、百貨店、スーパーなどにも自社コーナーを設け派遣美容部員による対面販売を行っていること、などが挙げられます。

一般品メーカーの特徴は、(1)基礎化粧品、頭髪用化粧品などの実用分野で小数単品生産方式を採用していること、(2)平均500―1000円程度の製品が主力であること、(3)スーパー等量販店を主力に、コンビニエンスストア、化粧品専門店、薬局・薬店などで選択販売を行っていること、です。

★★大木一雄(流通ウォッチャー)★★
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フルライン生産システム

2010年11月14日 | 日記
流通系列化は、多種類の製品を揃えるフルライン生産方式を採用することで完成します。

系列販売店によって販売促進を行うためには、多種類の製品を揃えることで規模の経済性がともない、広告についても規模の利益が著しい。

その結果フルライン生産された製品は系列店を使って広範囲に販売され、代替小売ルートが存在しないか、あっても少ない産業においては独立の専業メーカーの進出を困難にします。

化粧品産業の場合、制度品メーカーは基礎化粧品、メークアップ、頭髪用化粧品、フレグランス・医薬部外品などすべての分野を網羅したフルライン生産を行っています。

資生堂の場合、約3000品種の商品があり、さらに色もの(ファンデーション、口紅など)は1ブランドで最低「○色を揃えるため、年間新製品数は3000―4000点に上るといいます。

家電の総合電気、電機メーカーは早い時期から子会社、下請会社を含めた一貫生産システムを採用していました。

たとえば松下の場合、50年代から積極的に子会社を増やしており、現在100社近い子会社を持ち、映像、音響、家庭電化、情報産業などあらゆる部分の製品を作成し、すべてナショナルのブランドで販売しています。

一貫生産システムを構築することで、修理が必要な場合における部品供給上の系列店の優位性を保つことも可能となります。

★★大木一雄(流通ウォッチャー)★★
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末端価格

2010年11月13日 | 日記
流通系列化のもう一つの目的は人的・資本的参加、テリトリー制、一店一帳合制、累進リベートなどの手段による定価販売の遵守です。

家電産業での流通系列化は1950年代後半の家電ブームから本格化し、各社は一斉に卸、小売機能の整備に着手しました。

松下電器の場合、50年代初期に民間ラジオ放送開始にともなうブーム期に有力小売店を中心に親睦組織「ナショナル共栄会」を結成、さらに57年の第一産業を発端とする値引き販売競争拡大を契機に、「ナショナル製品の普及」と「販売の正常化」を目標として専売店および準専売店をナショナルショップとして組織化する制度を開始しました。

同社はこれと平行して57―61年にかけて従来の特約販売業者(卸売業者に相当)306社を106社に統合、それぞれに50%程度出資することで系列販売業者とし、さらにその後メーカーからの資本参加、役員派遣、金融援助などによって、およそかつての一次卸に相当する地区別系列販社のみに整理・統合した。

同じころ、日立、東芝、三菱など総合電機メーカー系も販売部門を日立家電販売、東芝商事、菱電商事という形で商事会社化し、その中で地区別に分割するという方式を採用しています。

化粧品産業の場合、独禁法の適用除外制度としての指定再販制度の導入が流通系列化を推し進める契機となっています。

当時の中小企業保護の動きの中で53年に独禁法が改正され、以降59年までに化粧品、歯磨き粉、家庭用石鹸、キャラメルなどの9品目が再販商品に指定されているが、化粧品業界はこの制度の採用に最も積極的な業界であったことは、53年末に再販契約を締結した事業者13社中10社が化粧品であったこと、60年代中ごろまでは再販契約届出業者の大半が化粧品業者であったことなどの事実から推測できる。

再販制度導入の結果、価格管理は事実上公認され、制度品メーカーのシェアは1955年ごろには10%程度しかなかったものが、69年には一般品の4倍強の売り上げを確保するようになっています。

特に戦前からの連鎖店制度を持ち、他企業より一歩抜きんでていた資生堂の対応は素早く、54年には再販制度を導入するとともに経営5力年計画を立案、化粧品、非化粧品販売組織を分離、強化し、62年には資生堂化粧品コーナーの設置、美容部員の派遣を決定するなどの系列システムの強化策を打ち出し、業界トップの地位を確立しました。

★★大木一雄(流通ウォッチャー)★★

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チャネル増設

2010年11月12日 | 日記
実質取り扱い車種数を大きく拡大したマツダ、富士重工、本田技研、ダイハッ、いすゴは業販チャネルを廃止した富士重工、いすゴを除き拠点数も上昇していること、各メーカーのチャネル取り扱い車種は従来から重複する傾向にあったが、近年さらに上昇していること(マツダ、三菱自工の低下は輸入車取り扱いの果たした役割が大きい)、などからシェア拡大のために新車開発、営業拠点拡充を行っていることが読み取れる。

しかし拠点数の増加に比較して一拠点あたりの販売台数は目立って上昇しておらず(マツダ、本田技研は低下)、チャネルごとの販売車種の見直しを始めるメーカーも出てきており、日産は非効率チャネルであるチェリーをプリンスに併合中です。

こうしてみると、産業における市場シェアの確保をめざした系列化には少なくとも次の特徴が見てとれます。

すなわち、産業そのものが戦後急成長したり、系列化を推進した企業が後発メーカーであったために、核となる協力流通企業が非常に少ない状態からスタートしており、少なくとも当事者メーカーの認識として、既存流通企業からの流通サービスに頼り難いという判断があったことです。

この事情は前章で取り扱った大衆薬の場合でも同様である(事実、小売レベルでは、薬粧店として同一店舗で化粧品も大衆薬も併売されるケースが多い)。

「系列化」の発展に共通するのは、流通サービスを提供する既存流通業者がないか、発見することが困難であるという認識と、それに基づいた取り組みがまずあったといえる。

★★大木一雄(流通ウォッチャー)★★
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